昨季GP2(現FIA-F2)王者にして、レッドブルF1のジュニアドライバーでもある注目の新進気鋭ピエール・ガスリー。今季はTEAM MUGENからスーパーフォーミュラに参戦しているが、およそ1カ月半ぶりに迎えた実戦、第3戦富士の予選では8位という結果を得た。果たして、どういう内容の予選だったのだろうか。
ガスリーはQ1を11位で通過、Q2では赤旗中断が味方した面もあるが3位での突破だった。Q1もQ2も、僚友で最終的に今回ホンダ勢トップの予選5位となる2013年王者・山本尚貴よりコンマ1秒ほど先行する結果であり、わるくない雰囲気が見てとれた。しかしQ3では他の7選手がQ2よりタイムを縮めてくるなかで、ガスリーだけがQ2よりわずかながら遅いタイムとなってしまい、最下位の8位に甘んじている。
「Q2まではベターといえる状態だったと思う」と本人も振り返る。「ただ、本当に良いとまでいえる状態ではなかったので、オーバーステアとトラクション面の課題を改善したかった。でも残念ながらコミュケーションミスがあって、望んだ変化を得ることができなかったんだ。Q3ではドライブが難しかった」とガスリーは述懐する。
うまくセット変更できていれば、Q3では「5位か4位くらいは狙えたはずだと思う。ナオキぐらいのポジションかって? そうだね。Q1とQ2では彼にも先行できていたんだからね。いずれにしても、まだマシンのインプルーブをしていかなければならないことはたしかだけど」。
決勝は8番グリッドからのスタート予定、さて表彰台は見えているのだろうか。正直、今回はトヨタ勢が優位な印象も強く、そのなかでTEAM MUGENはさすがの存在感を見せてもいるが……!?
「たしかにトヨタ勢が強いとは思う。彼らを抜いていくのは簡単なことじゃない。もちろん全力を尽くすけどね。表彰台まで届くかは分からないが、少なくともある程度のポイントを稼ぎたいと思っている」。
開幕前のテストではかなりの好調ぶりだったが、開幕してからは予想よりも厳しい戦いが続いているガスリー。前戦岡山終了時には、「あまり結果が良いわけではないだけに、こういう時はすぐに次のレースがあった方が精神的にはいいんだけどね」とも語っていた。
この中間は「もちろんレッドブルの仕事がいろいろとあったし、僕のトレーナーと一緒にトレーニングキャンプを張ったりもしていたから、すごく忙しかった。でも、次の実戦を待つには長かったね。Wait, Wait, Wait! という感じだったよ」。
待望久しかった富士戦、決勝はガスリーにとってはスーパーフォーミュラで初めての250kmレースともなる。「長いレースだから戦う機会が多くあるのはいいね。暑いこともあるので、タイヤのマネジメントが難しくなるかもしれない。そのあたりは他の選手たちがどうするかを含めて、興味深くもあるよ。次のもてぎ戦までも結構長い間隔になるから、素晴らしいレースを戦いたいと思っている」。
1カ月以上の実戦インターバルを挟みつつの展開が続くなか、今度はいい気分で“忙しい休暇”を過ごせるか。表彰台というのは少々高い目標のようだが、本来は獲得できたであろう予選順位の5位あたりまでポジションを上げて富士戦を終えられれば、状況における一定の満足感は得られるというところかもしれない。まずはレッドブルカラーのマシンの出足に注目だ。