富士スピードウェイはスーパーフォーミュラ開催中の8日、この秋、10月13日~15日に開催するFIA世界耐久選手権(WEC)第7戦富士6時間耐久レースの発表会を開催。発表会ではLMP1クラスに参戦するトヨタGAZOOレーシングの中嶋一貴と小林可夢偉、ポルシェLMPチームのアンドレ・ロッテラーと、LM-GTEアマクラスに参戦するクリアウォーター・レーシングの澤圭太が出席し、WEC富士への意気込みを語った。
ル・マン24時間を終え、シーズンの折り返しを迎えようとしているWEC。この後は第4戦ニュルブルクリンク、第5戦メキシコ、第6戦サーキット・オブ・ジ・アメリカズの6時間レースの3連戦後、10月にWEC富士を迎える。
開幕戦シルバーストンと第2戦スパ・フランコルシャンで優勝したトヨタの7号車を駆る中嶋一貴だが、トヨタGAZOOレーシングは今年、優勝が期待されたル・マン24時間ではトラブルに見舞われ、総合8位フィニッシュ。悔しい結果になってしまった。
「開幕戦、第2戦と優勝でき、いい形でル・マンに臨んだのですが結果は残念なことになてしまいました」と一貴。
「ですが、ル・マンではポイントを獲得できたのでWECのチャンピオンを目指して戦っていかなければなりません。後半戦は始まってみないとわからない部分がありますが、チャンピオンに向けて富士のレースは非常に重要になってくると思うので頑張っていきたいです」
ル・マンではポールポジションを獲得した可夢偉もまた、決勝レースではトップを走行しながらトラブルで優勝を逃した。
「僕は(ル・マンでは)散々でした」と可夢偉。
「スピード的には全部勝てているのではないかというパフォーマンスがありますが、今年は1回も勝てていなくて、ポイント的にもチャンピオンの芽も厳しという展開です。クルマが速くてパフォーマンスも良いのにそれが結果に結びつけていない点では、残念ではあります」
「この富士は地元ということで、神様も応援してくれるだろうと。変な偽マーシャルも来ないと思っています」とル・マン24時間の7号車のリタイヤ原因とも言われる話題に触れた可夢偉。もちろん、会場は笑いに包まれた。
さらに可夢偉が「(WEC富士では)ポルシェに偽マーシャルOKです」と続けると、ロッテラーが苦笑いする場面も。
可夢偉は「富士では何もなければいいと思っています。逆にそれしかありません。クルマがこれ以上速くなっても壊れてもこまるので、何もないことを願って走れれば去年と同様に良いレースができると思います」と、WEC富士への抱負を続けた。
一方のロッテラーは「ここまで本当に難しいことばかりあった。レースでのチャレンジは続けて行くよ。初戦、第2戦と悪くはなかった、だけど自分たちの目標に到達していない。ル・マンでも厳しいレースでうまくいかなった。昨年、カズキに起こったことが自分たちに起こって、エンジンのトラブルでリタイアとなってしまった。富士は大好きなサーキットでもあるし、多くのサポーターも来てくれると思うから頑張りたい」と、WEC富士への意気込みを語った。
2017年シーズンからLM-GTEアマクラスにフル参戦している澤は、開幕戦シルバーストンでデビューウインを飾り、続く第2戦スパ・フランコルシャンでも3位表彰台を獲得。ル・マンでは、決勝中盤でのLMP2車両と接触やギヤボックスのトラブル発生したものの、クラス5位で完走。シリーズ後半戦をランキング首位で迎える。
「私たちは昨年初めてル・マンに単独で出場しましたが、WECにフル参戦するのは初めてです。シルバーストンでのデビューレースでラッキーもありましたが勝つことができて、チームにとっても自分にとっても世界選手権に出場する初めてのメモリアルで勝てたのはすごく思い出深いです」
「(フル参戦)初挑戦にしては上出来だと思っています。3連戦後に富士となるので、3戦をうまく戦って、富士ではポイントリーダーのまま戻ってきたいです」と澤はWEC富士ヘの抱負を語った。
10月のWEC富士では一貴、可夢偉がル・マン24時間の悔しさを晴らすような結果を残すことができるだろうか。母国開催となるWEC富士がいよいよ、近づいてきた。