アゼルバイジャンGP直前に解任されたモニシャ・カルテンボーン代表。その後任はいまだ発表されていない。そんな中、オーストリアGPの金曜日に、ザウバー・ホールディングの会長に就任したロングボウ・ファイナンスのCEOでもあるパスカル・ピッチがサーキットに姿を現した。
じつはこの日、FIAは定例記者会見のリストにザウバーのチーム関係者を「出席者の名前は後日発表」という但し書きで入れていた。そのため、ピッチがこの日、新しいチーム代表を発表するのではないかという憶測もあった。
だが、結果的には会見に出席したのは、チームマネージャーのベアト・ツェンダーだった。もちろん、会見に出席したツェンダーの口からも、新しいチーム代表の名前は発表されなかった。
現在、候補は3人。元マルシャ代表でイギリス人のグラハム・ロードン、昨年までマノーでレーシングディレクターを務め、その前は長い間、マクラーレンでチームマネージャーを務めていたデイブ・ライアン、そして昨年ルノーのチーム代表だったフレデリック・バサールだ。
ピッチに近い情報筋によれば、この中で最も有力なのが「バサールだ」という。では、なぜ発表が遅れているのか?
「それは、バサールが現在F2とGP3に参戦しているARTのチーム代表を務めていて、F2もGP3もいまシーズン真っ只中だからだ」(ピッチに近い情報筋)
ザウバーのチーム代表といえば、アゼルバイジャンGPでは、コリン・コレスの名前が挙がっていた。コレス代表の可能性はないのだろうか? ピッチに近い情報筋はこう続ける。
「それはない。というのも、私はピッチと電話で話をしたけど、彼を雇うつもりはない』と断言していたから」
では、当初コレスが最有力候補だという情報が流されたのか。ピッチに近い情報筋はこう推測する。
「じつは、モニシャが更迭されたことが公になってから、何度もピッチに電話をかけて来たのがコレスだった。もしかすると、自分で接近しているという情報をリークしたのでは……」