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スーパーフォーミュラ第3戦富士予選:国本雄資がシリーズ初PP獲得&セルモがフロントロウ独占

2017年07月08日 18:12  AUTOSPORT web

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トップフォーミュラでシリーズ戦初めてポールポジションを獲得した昨年チャンピオンの国本雄資
岡山大会から約1か月半のインターバルを経て2017年全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦予選が富士スピードウェイで開幕。7月8日、土曜日はQ1-Q3のノックアウト式予選が行われ国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)が自身シリーズ戦初となるポールポジション(PP)を獲得した。

 富士山には薄雲がかかり、霊峰の姿は拝むことはできなかったものの、1日を通して好天となった富士スピードウェイ。予選開始時点では気温32度、路面温度49度と真夏のようなコンディション。グランドスタンドの観客のほとんどがスタンド上段の日陰の席に陣取り、うちわを扇ぎながら暑さをしのぎながらの観戦姿も多くみられた。

 予選Q1は20分間の走行時間が設けられ、上位14台がQ2に進出となる。セッション開始と同時に真っ先にコースへと向かったのは国本と、チームメイトの石浦宏明の2台。そのあとをVANTELIN TEAM TOM‘Sの2台が続いていく。

 午前中に行われたフリー走行でのトップタイムは、トムスのアンドレ・ロッテラーがマークした1分23秒723。ユーズドタイヤを履いての走行となるQ1序盤は上位のタイム1分24秒から25秒のタイムから始まり、少しずつタイムを削ながらウォームアップをしていく展開となった。  

 セッション開始10分を経過したあたりで、終盤のニュータイヤを装着してのタイムアタックへの準備のため各車、一旦ピットへと戻る。この時点でのトップタイムは関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)の1分24秒590。

 残り7分20秒を切ったところで中嶋大祐(TCS NAKAJIMA RACING)がひと足早くニュータイヤを装着しコースイン、Q1後半戦が幕を開ける。そのあと6分を切ったあたりで他車も続々とコースへと向かっていった。

 ニュータイヤでのアタックラップ最初にターゲットタイムを出したのは石浦で1分23秒861、そのあと野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、ピエール・ガスリー(TEAM MUGEN)とホンダ勢が2番手、3番手と石浦のあとに続いたが、その直後に国本雄資が1分23秒855でトップに躍り出た。

 その後も各車自己ベストタイムを塗り替えていくが、トップタイムは更新ならず国本が首位、石浦が2番手と続き、P.MU / CERUMO · INGINGのワンツー、そのあとに中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)、ヤン・マーデンボロー(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、が続く上位陣の結果となった。

 Q1敗退は中嶋大祐、ナレイン・カーティケヤンのTCS NAKAJIMA RACINGの2台と塚越広大(REAL RACING)、小暮卓史(B-MAX)、大嶋和也(SUNOCO TEAM LEMANS)の5台となった。

 10分間のインターバルを経て始まったQ2は7分間の走行時間で行われた。Q1同様、ピット出口に一番近い国本を先頭に各車一斉にコースイン。フェリックス・ローゼンクビスト(SUNOCO TEAM LEMANS)はコースイン直後からペースを上げ、前車を抜いていき国本も抜いて位置取りを行い、真っ先に1分24秒093のターゲットタイムを出すも、直後に国本1分23秒352を出しあっさりと塗り替えてしまう。

 Q2セッションも終盤に差し掛かり、各車アタックラップ真っ最中となった残り時間1分20秒ごろ、小林可夢偉がレクサスコーナーでスピン、可夢偉のマシンはコース上にストップしたままで、その後にアタック中のドライバーが数多く続いたが、ダブルイエローフラッグが振られ、アタックは実質無効となってしまった。そして、赤旗が掲示される。

 この時点でのQ3進出圏内となる上位8台は国本、関口、ガスリー、一貴、山本尚貴(TEAM MUGEN)、ニック・キャシディ(KONDO RACING)、ローゼンクビスト、伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。午前のフリー走行トップと好調かと思われたシリーズランキングトップのアンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)は13番手とノックアウトポジションの窮地に立たされる。

 残り時間3分に延長され、セッションは再開。この時点でトップタイムの国本はコースインせずピットにとどまった。

 他のドライバーたちはアウトラップと計測ラップ1周の一発勝負、最後のチャンスに賭けて各車一斉にコースへと向かう。

 最後のアタックでは赤旗前に10番手とQ2敗退圏内にいた石浦がベストタイムを更新し4番手、赤旗前は9番手と同じくQ3進出圏外にいた山下健太(KONDO RACING)もひとつポジションを上げ、8番手とギリギリQ3進出。

 替わりに押し出されQ2敗退となったのはローゼンクビストと伊沢。ロッテラーはベストタイムを更新するもQ3進出には遠く及ばない12番手でまさかのQ2敗退となってしまった。

 Q2同様10分間のインターバルを経て7分間の走行で行われたQ3は、中嶋一貴を先頭に各車コースイン。一貴が計測2周目にマークした1分23秒265のターゲットタイムを皮切りに、8台でのアタック合戦がはじまった。

 一貴がタイムを出した直後に、ホンダ陣営で唯一Q3に残ったTEAM MUGENの2台がアタックを行うも一貴のタイム更新はならず。そのあと、P.MU / CERUMO · INGINGの2台がアタックに入り、まずは国本が1分23秒044とトップタイムを塗り替え、石浦がわずかに及ばず1分23秒107の2番手。

 キャシディ、山下のKONDO RACINGの2台はTEAM MUGENの2台に割って入るタイムを出し、山下が6番手、キャシディが7番手。多くのドライバーが計測2周目にタイムを出しに行く中、最後に関口がタイミングをずらして計測3周目にアタックしたが1分23秒193とP.MU / CERUMO · INGINGの2台には及ばず3番手でセッションは終了となった。

 最終的に国本がQ1からQ3まで予選のすべてのセッションでトップタイムをマークする圧巻のポールポジションを獲得。国本にとってはこれが2011年からトップフォーミュラに参戦して7年目、シリーズ戦で初めてのポールポジション獲得となった。明日の決勝はP.MU / CERUMO · INGINGの2台がフロントロウからスタートする。