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BTCC:ユーロテック・ホンダ、負傷のジェフ・スミスに代わり息子のブレットを起用

2017年07月06日 17:52  AUTOSPORT web

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クロフト戦でマルチプル・クラッシュに巻き込まれたユーロテック・ホンダのジェフ・スミス
BTCCイギリス・ツーリングカー選手権の第5戦クロフトで発生したマルチクラッシュにより負傷したユーロテック・レーシングのジェフ・スミスが、2017年シーズン後半戦の出場を断念。代わりにホンダ・シビック・タイプRのステアリングを、自身の息子であるブレット・スミスに託すことを発表した。
 
 雨がらみとなったクロフトの予選セッションで発生したマルチカーアクシデントにより、モーターベース・パフォーマンスのルーク・ダベンポートを筆頭に、ユーロテック・ホンダのジェフ・スミス、そしてトリプルエイト・レースエンジニアリングのワークスMGをドライブするアーロン-テイラー・スミスの3名が救急搬送。

 このうち、MG6のアーロン-テイラー・スミスは左足骨折の重傷を負いながらも、翌日の日曜にはパドックに姿を現し無事をアピールしたものの、残る2名のドライバーは集中治療室での処置が続けられる重篤な状態が続いていた。

 今回、ユーロテックのレギュラーでありチームオーナーでもあるジェフ・スミスの代役を務めることとなったブレットは、現在ミニ・チャレンジUKで2年目のシーズンを戦っており、7月6日からスネッタートンで開催されるBTCC公式テストで、ジャック・ゴフのチームメイトとして初めてBTCCカーのシートに座ることとなる。

 現在51歳のジェフは、一度は集中治療室から出ることとなったものの、肺と肩の筋繊維へのダメージが大きく、痛みを伴うことから、5日後に主に「痛みを和らげる処置」をとるため再入院。「当然、こんな形で自分のシーズンが終わってしまうことに、大きく失望を感じている」とコメントした。

「先週、自宅に戻ることができたので、改めて自身の状況とチームの今後について考えた。残念ながら私が引き続き戦うことは難しいとの判断から、ドライバーのオプションをいくつか評価したところ、(息子である)ブレットに最高の機会を提供するチャンスでもある、と気付いたんだ」

 一方、ジェフとともに深刻な怪我の状況が伝えられたダベンポートは、右足の裂傷から、腕の骨折、骨盤と肺などの損傷により医療的判断による昏睡状態に置かれていたが、先週末に覚醒措置が行われ、現在は理学療法士とともにリカバリーに向けた回復プログラムを受けている。

「体に取り付けられていたチューブ類はすべて外れて、今は食事を取ることもできるようになった。通常の身体機能の回復に向けてまっすぐに物事が進んでいるという事実が、僕の精神面を本当に勇気付けてくれている」と、24歳のダベンポート。

「仲間であるドライバーや、多くのファンからのサポートには信じられないほど力をもらった。ツーリングカーでこのような重大な事故が起きたことを考えれば、僕ら3人のような重篤な怪我を負ったドライバーさえ救うことができたBTCCのサポートと、現場のクルーたちに心からの敬意を捧げたい」

 MGワークスドライバーのアーロン-テイラー・スミスも、「現時点では退屈だし、何もしないで座っているのはちょっと寂しい」と語りつつ、ダベンポートと同様にサポートへの感謝を述べた。

「現時点ではまるでバンビみたいな動きしかできないが、松葉杖なしで歩くこともできるようになったので、OKだ」

「僕には土曜の記憶がほとんどなく、ノックアウトされたときにどんなシチュエーションだったのかわからないんだ。一体何が起こったのか、どういう風に現場に遭遇して、どこにクラッシュしたのかね」

「でも、大事なことは、僕より大きな怪我を負ったジェフとルークのふたりが、今は回復に向かっているってことだ。僕自身のこともそうだし、サポートしてくれたみんなに感謝してもしきれないくらいだよ」