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ポルシェ 2017年WSCC第6戦ワトキンスグレン レースレポート

2017年07月06日 10:32  AUTOSPORT web

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912号車ポルシェ911 RSR
IMSAウェザーテックスポーツカー選手権、第5戦、ワトキンスグレン/米国
911 RSRが劇的な終盤を迎えて6位でゴール

 ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:オリバー・ブルーメ)が参戦したIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第5戦(ワトキンスグレン)は非常に激しいレース展開となりました。

 日曜日に開催された6時間レースは、ゴール寸前までGTLMクラス同士の激戦が繰り広げられました。ニューポルシェ911 RSR #912はトップと数秒差で3番手というポジションを走ります。

 しかしジャンマリア・ブルーニ(イタリア)が、まさにトップへのファイナルアタックを仕掛けようとしたとき、パンクでピットに戻ることを余儀なくされてしまいました。

 ポルシェ・ワークスドライバーとしてのデビュー戦で表彰台を飾ることが確実に見えたブルーニ、そしてチームメイトのローレンス・バンスール(ベルギー)は、最終順位6位でのゴールとなりました。

 パトリック・ピレ(フランス)/ディルク・ウェルナー(ドイツ)がステアリングを握るポルシェGTチーム2台目の911 RSR 911号車は7位でした。8台のうち7台が1回以上レースをリードしたことが、ワトキンスグレンにおけるGTLMクラスの戦いの激しさを証明しています。

 アメリカ・ニューヨーク州の伝説的な5.472kmのワトキンスグレン・インターナショナルサーキットにおいて、911号車はレースの大半をすばらしいポジションで走りました。

 5番手からスタートしたパトリック・ピレは、30度の高温のなか、最初の1時間が経過した時点で3番手に上がり数周後には2番手まで浮上し、そのままチームメイトのディルク・ウェルナーに911 RSRを引き継ぎます。

 レース折り返し点でもウェルナーは2番手を維持しました。このエキサイティングな展開となったスポーツカークラシックでは度重なるイエローフェーズによってしばしば隊列が形成されました。

 しかしそのときトラブルが発生し、911号車がシケインでスピンして右リアタイヤを損傷します。ウェルナーはセクションのランオフエリアで911 RSRを制御してピットレーンまで戻りましたが、1周を失い首位の希望は消えました。

 ローレンス・バンスールは、2台目の911 RSRでスタートし、34周後の最初のピットストップでジャンマリア・ブルーニに引き継ぎました。ポルシェ・ワークス新人ドライバーのブルーニは、911 RSRの初レースで4番手まで浮上します。

 その後、ローレンス・バンスールがさらなる成功を重ね、4時間経過後には初めて首位に立ちました。予定のピットストップの数周前に4番手まで後退します。しかしジャンマリア・ブルーニは2回目のスティントで3番手まで巻き返し、表彰台への可能性を取り戻します。

 残り2周の時点で先頭の3台の差はわずか数秒でした。しかし、アタックを仕掛けて勝負に出ようとしたときに、タイヤを損傷し、希望は打ち砕かれました。

 IMSAウェザーテックスポーツカー選手権第6戦は、カナダのボーマンビルにあるカナディアンタイヤ・モスポート・パークで7月9日に開催されます。

レース後のコメント
GTモータースポーツ・プロジェクトリーダーのマルコ・ウジュハシ
「このレースの911 RSRのセットアップは抜群でした。高温になることを見事に予想し、的中させました。今日は接戦でしたが不運にもタイヤが損傷してチームとしては残念な結果となりました。これは対策が難しく、強豪を相手に優勝するには厳しい結果といえます」

「レース自体は好調でした。今日のレースに問題はありません。来週のカナダに再度挑戦するための足掛かりにしたいと思います」

パトリック・ピレ(911 RSR #911)
「ツキがありませんでした。パンクしたときは2番手でした。失ったラップを巻き返すことはできませんでした。終盤に雨が激しく降っていたらチャンスがあったかもしれません」

「レース自体は好調だったので気落ちせずに次のレースで頑張ります。1週間後はカナダです。テストでわかったのですが、このサーキットは911 RSRに非常に適しています」

ディルク・ウェルナー(911 RSR #911)
「シケインでスピンして左リアタイヤを損傷しました。レースがこのような終わり方をして残念です。アンラッキーでした。911 RSRは絶好調で、いつもながらチームのサポートも見事でした。もっと良い結果に値するサポートでした」

ローレンス・バンスール(911 RSR # 912)
「優勝を目指して本当に頑張りました。911 RSRはすばらしい走りを見せました。しかし今日はツキがありませんでした。カナダで挽回します」

ジャンマリア・ブルーニ(911 RSR #912)
「失望と喜びが入り混じっています。失望は、不運に見舞われてすばらしいパフォーマンスにもかかわらずそれに見合う結果が出なかったことです。喜びは、チームとしてすばらしいポテンシャルを備えていることが今日実証されたことです」

「2回のパンクとドライブスルーペナルティによって表彰台を阻まれたことは残念です。GTD車をオーバーテイクしたときイエローフラッグが見えました。すでに追い越していたので後ろに戻りましたがスチュワードは厳しく出ました」

「8ヶ月間のブランク後のレースで私にとってはポルシェでの初レースとなりました。どのくらい待ち望んでいたかは言い表すことができません」

(※編注:ポルシェが参戦しているGTLMクラスは、ル・マン24時間公式テストとバッティングする第5戦デトロイトをスキップするカレンダーとなっている)