2017年07月05日 19:03 弁護士ドットコム
俳優の船越英一郎さんが、妻でタレントの松居一代さんに対し、離婚調停を申し立てていると週刊文春オンラインが報じた。
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松居さんは6月27日、「1年5カ月も尾行され続けている」とブログを更新。また7月4日にはYouTubeに「松居一代、週刊文春にだまされた」と題した動画をアップロードしており、ネット上では「普通じゃないよ」、「完全に壊れてる。怖いよ」などと話題になっている。
2人は5年間の交際を経て、2001年6月に入籍。週刊文春オンラインによると、船越さんの代理人弁護士は「夫婦関係は完全に破綻している。離婚について2年ほど前から話し合ってきた」と話しているという。
2人は週刊誌報道などで、別居しているとも報じられている。今後、離婚が認められるためには、何がポイントとなるのか。濵門俊也弁護士に聞いた。
本件は、船越さん側からすでに調停が申し立てられているようですが、離婚するに当たっては、いきなり裁判を提起することはできず、まずは調停で話し合いをすることとされています(これを「調停前置主義」といいます)。
調停は、家庭裁判所を舞台とするあくまでも話し合いの場ですので、離婚について合意に達することができれば離婚成立となります(この場合、調停成立日が離婚日となります)。合意に達することができなかった場合には調停不成立(不調)となり、一般的には離婚を求める側があらためて訴訟を提起することとなります。
船越さんの代理人弁護士のお話からしますと、船越さんと松居さんのお二人の夫婦関係は完全に破綻しており、離婚についても2年ほど前から話し合ってきたとのことですから、何かしらの結論が出るはずです。ただ、離婚については合意に至ったとしても、財産分与や慰謝料等、離婚条件について話し合いがつかない場合もありえます。この場合、離婚だけは成立させて残りの問題は別途解決するという方策もありえますが、通常は単純に不調で終わらせることが多いです。
今後、離婚が認められるポイントは、本件において法律上の離婚原因があるかどうかにかかってきます。
法律上の離婚原因は、民法第770条1項に列挙されています。
・配偶者の不貞行為(浮気・不倫)
・配偶者からの悪意の遺棄
・配偶者の3年以上の生死不明
・配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないこと
・その他婚姻を継続し難い重大な事由
一部の週刊誌報道では別居も伝えられています。この点に関し、別居そのものは法律上の離婚原因ではありませんが、その期間が相当期間に及んでいる場合には、婚姻関係が客観的にみて破綻しているとの事実認定に役立つ事由とされています。なお、別居については、松居さん側でこれを否定しているコメントを出されています(客観的にみますと別居に該当しそうですが、松居さん側で解釈の違いがあるようです。)。
また、松居さん側がアップロードしたYouTubeの動画では、船越さんの不貞行為(浮気・不倫)も指摘されています。かりに船越さんが有責配偶者であるとしますと、離婚請求が棄却される可能性が高まります。週刊誌報道だけでは事実関係について何ともいえませんが、訴訟に発展した場合には、それぞれによる具体的事実の主張・立証がなされるかと思います。
(弁護士ドットコムニュース)
【取材協力弁護士】
濵門 俊也(はまかど・としや)弁護士
当職は、当たり前のことを当たり前のように処理できる基本に忠実な力、すなわち「基本力(きほんちから)」こそ、法曹に求められる最も重要な力だと考えている。依頼者の「義」にお応えしたい。
事務所名:東京新生法律事務所
事務所URL:http://www.hamakado-law.jp/