近年、内定を出す企業が親の意志を確認する「オヤカク」が話題だが、実のところ、親は子どもの進路をどこまで「自分事化」しているのだろうか。しゅふJOB総研は7月5日、「家族の就職先と自分への影響」についての調査結果を発表した。
調査は5月18日~6月5日に実施。同社の求人サイト「しゅふJOBパート」登録者のうち730人が回答した。
「ブラック企業に就職した場合、子どもを守るために影響を受けるかも」
もし就活中の新卒学生の親だった場合、子どもの就職先は自身の人生に影響を与えると思うか否か問うと、「大いに影響する」「少しは影響する」を合わせた「影響する」と考える回答者が59.3%にも上った。
影響が出る具体的な内容は「金銭・生活面」との声が多く、「サポートする可能性があるから」と、金銭面の援助を念頭に置いていることが分かった。
「子供が低賃金の会社であれば、奨学金(返済)のフォローをしなくてはならない」(40代)
「子供がブラック企業に就職した場合、親として子供をある程度までは守る為に影響受ける可能性があるように思う」(40代)
労務行政研究所の調査によると、2017年度の平均初任給額は大卒で21万868円で、昨年度に比べ1180円上昇している。しかし、このデータは東証一部上場企業228社を対象としたもの。ここまでの月収は見込めない人も多いだろう。
お金のサポート以外では、
「子供が仕事を第一に頑張りたいのであれば孫の世話などを担う必要がでてくるだろうし、自分の生活負荷が変わってくる」(30代)
と、子育て面を心配する声も出ていた。
一方「『影響がある』は依存しているのも同じ」という意見も
他にも、
「就職先企業の製品を気にするようにはなると思うから」(40代)
「就職先の名が通っていれば、ちょっと気分がいい、とか。でもそれよりも、日々少しでも快適に働ける就職先であってほしい」(40代)
などの理由で「影響を受ける」と答えた人が多いようだ。一方で、「影響はない」と考える人たちは
「まわりの人に影響されるような生き方をしてきていないので」(40代)
「人の人生に影響するとか、意味がわかりません。影響すると考える人は、人に依存している人だと思います」(40代)
と、親子の依存関係を指摘している。子と親という関係性ではなく、一人の個人として子どもを見ている様子が伺える。
調査結果について、しゅふJOB総研の川上敬太郎所長は、プレスリリースで
「決して子どもの就職に干渉したいとか、子どもの収入に依存したいという意味ではないようです」
とコメントしていた。