Q&Aサイトの教えて!gooに、こんな相談が寄せられていました。相談者のそすんささんは、生まれも育ちも関西地方。東京への就職が決まったところ、入社先のある上司から「関西弁を標準語に直すべき」と言われてしまったそうです。
相談者さんは「関西弁が標準語かつ母国語のように好きな私にとっては、なかなか辛い」とショックを受け、「できれば直したくない」と不満顔。そして「郷に入っては郷に従えなのでしょうか?」と相談しています。(ライター:Makiko.N)
関西人に批判「他の地方出身者の努力をバカにしてる」
相談内容に「確かに標準語の方が敬語は自然だけど、関西弁にも関西弁なりにきちんと敬語はある」と書かれているところをみると、上司から「関西弁はビジネス上の言葉遣いに向かないから変えろ」と指摘されたのかもしれません。
しかし相談者さんは「方言は話のネタにもなるし、そもそも営業職ではない」と反論しています。取引先とのやりとりはない仕事で社内だけの問題であれば、そこまで目くじらを立てる必要はないのではという主張のようです。
考えてみれば、関西地方の会社では関西弁が飛び交っているのは当たり前。そんな職場に赴任した東京出身者が「標準語をやめろ!」と言われたら、確かに理不尽にも感じます。しかし関西以外の出身者からは、こんな批判もあがっています。
「他の地方出身者は標準語に適応しようとするのに、関西人の中には頑として関西訛りを直さない人がそれなりにいます。中には『関西弁は標準語』とのたまう輩までいます。これって、他の地方出身者の努力をバカにしてませんかね?」(phjさん)
この回答者さんによると、「方言は意外に意思疎通に問題が出てくる場合がある」とのこと。そんな中、みんなが理解できる言葉遣いにしようとしているのに、関西出身の人たちだけが変えようとしない様子を見ると、「本人は意識していなくても、そういう風(他人をバカにして自分勝手に振る舞うよう)に見えることもある」とのことです。
話し言葉は「人格の一部」という主張も
関西弁は東京では不人気という説を唱える人もいます。大阪出身で中3のときに関東に引っ越した回答者のめーめさんは、大阪弁が原因でいじめられた経験があるそうです。
「東京の職場では、やはり関西弁話す人は目立つ上に嫌われぎみな印象です。うちの職場だけかもですが…。あとはキャラでしょうか?」
「関東の人によっては、関西弁は品がない(柄が悪い)として嫌いな人もいる」(isoworldさん)なんていう指摘も。「直すというか、使い分けできるようになっておく。仕事中は標準語、プライベートでは関西弁」(suzuki0013さん)と助言する人もいますが、標準語で仕事することに変わりがありません。
そんな中、方言は「別に直さなくていい」と主張する人もいました。パレッティーナ3号さんの考えでは、話し言葉は「人格の一部」なのだそうです。
「特に関西弁はメジャーですし、世間一般に認知されていますので(関西弁禁止は単なる)上司個人のこだわりではないでしょうか? 個人的には各地方の訛りが好きなので、直して欲しくないです」
日本企業ではお互いが不快にならないようにと、服装や化粧、髪型や香水など、さまざまな面で無難さが求められています。しかしそれが当たり前という考え方が広まることで、働く人の人格がゆがめられ、息苦しくなっている面があるのかもしれません。