濱口竜介監督の新作映画『寝ても覚めても』が、2018年に公開される。
同作は、『第68回ロカルノ国際映画祭』で主演の4人が最優秀女優賞を受賞した『ハッピーアワー』などで知られる濱口竜介の商業デビュー作。忘れられないかつての恋人と、その恋人と同じ顔をした現在の恋人の間で揺れる女性・朝子の姿を描いた柴崎友香の小説『寝ても覚めても』を映画化する。
主演を務めるのは東出昌大。朝子と運命的な恋に落ちるも突然姿を消した青年・麦と、その2年後に朝子と出会って惹かれ合う、麦と同じ顔をした男・亮平の2役を演じる。ヒロイン・朝子役を演じるのは19歳の唐田えりか。2人の男の間で揺れる朝子の9年間を演じる。
東出昌大は同作への出演にあたり「不安と好奇の入り混じった複雑な想いで、台本と睨めっこしている日々を過ごしておりますが、奇跡のような映画を作れればと思っております」とコメント。
唐田えりかは「こんな大役をやらせて頂くのは初めてなので不安や恐怖もあり、プレッシャーを感じていたのですが、東出さんに、『朝子があなたで本当に良かった。』と言って頂けた瞬間に、思わず嬉し泣きしてしまいました」と明かしているほか、「この作品に私の全てを、それ以上をかけます!十代最後の夏、大恋愛します!」と意気込みを語っている。
また原作の映画化を熱望していたという濱口監督は「私自身が心から面白いと思っている小説の映画化、その監督を任されたことに興奮と緊張を同時に感じています」「主人公の『麦/亮平』として東出昌大さん、『朝子』として唐田えりかさんを迎えられたことで、この小説はむしろ映像化されることをずっと待っていたのではないか、そんな心持ちになりました」とのコメントを寄せている。
■東出昌大のコメント
このお話を伺ったのは二年前でした。
それから、ずっとずっと首を長くして、今夏ようやっとクランクインを迎えられます。
今は嬉しくて堪りません。
不安と好奇の入り混じった複雑な想いで、台本と睨めっこしている日々を過ごしておりますが、奇跡のような映画を作れればと思っております。
頑張りますので、楽しみに待っていて下さい。宜しくお願いします。
■唐田えりかのコメント
初めて台本を読んで泣きました。
とっても素敵な物語で、胸が苦しくなったり、温かくなったりと感情移入してしまいました。
オーディションが終わってからずっと受かってますようにと願っていたので、受かったよと聞いたときは本当に嬉しかったです!!
ですがこんな大役をやらせて頂くのは初めてなので不安や恐怖もあり、プレッシャーを感じていたのですが、東出さんに、「朝子があなたで本当に良かった。」と言って頂けた瞬間に、思わず嬉し泣きしてしまいました。
それからは私で良かったんだと自信が持てるようになりました。
素敵な方々とご一緒できるのが、既に楽しみで幸せで仕方がないです。
この作品に私の全てを、それ以上をかけます!
十代最後の夏、大恋愛します!
■濱口竜介監督のコメント
私自身が心から面白いと思っている小説の映画化、その監督を任されたことに興奮と緊張を同時に感じています。
長い企画開発中、「同じ顔を持つ二人の男を愛してしまう女」という荒唐無稽さと、緻密な生活描写を併せ持つこの小説の「面白さ」はそもそも映像化可能なのかと不安にもなりました。
そんな中、主人公の「麦/亮平」として東出昌大さん、「朝子」として唐田えりかさんを迎えられたことで、この小説はむしろ映像化されることをずっと待っていたのではないか、そんな心持ちになりました。
この小説とキャストの出会いを、この上ない幸運と感じています。今もリハーサルしつつも続く脚本直しの中で、『寝ても覚めても』(タイトルがまたとても好きです)という原作の、途方もない面白さや、懐の広さを改めて感じているところです。そしてキャストの二人の存在が、私の緊張を和らげてくれています。
きっと、この上なく面白い映画になるでしょう。期待してお待ちください。
■柴崎友香のコメント
誰かに恋をしたとき、なぜどうしてもその人でなければならないのか。
誰かを想うとき、最後に残る強い気持ちはなにか。それを知りたくて手探りでこの小説を書きました。
今回の映画ではどんな風景が見えるのだろう。
きっとわたし自身も驚くようなことが起こる、そんな予感を持って、完成を心待ちにしています。