2017年07月04日 17:53 弁護士ドットコム
一橋大学(東京都国立市)で6月に予定されていた作家・百田尚樹氏の講演会が中止になった件で、百田氏が7月4日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で記者会見を行った。
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百田氏によると、講演会は大学祭の実行委員会が企画し、「現代社会におけるマスコミのあり方」について百田氏が話すというものだった。
これに対して、ヘイトスピーチなど差別根絶を目指す団体「反レイシズム情報センター(ARIC)」が「差別煽動を繰り返す百田氏が学園祭に招かれることで、学園祭期間中に深刻な差別・暴力が誘発されることを憂慮する」などとして、実行委員会に企画中止を求める要請書を出した。実行委員会は開催する意向だったが、警備などの問題から大学祭約1週間前に中止を発表した。
<7月4日19:20追記>要望の具体的内容は、反差別ルールの制定やスタッフへの反差別研修のほか、講演会については百田氏が差別を行わないという確約をとること、差別を行ったにも関わらず、警告に従わない場合に百田氏を退場させること、百田氏が講演会の最初にこれまでのヘイトスピーチについて撤回し、今後差別をしない旨を誓約する一幕を設けることの3点で、これが満たされない場合に、講演会を無期限延期、中止にすることを求めている。
百田氏は、「全国各地で過去200近く講演を行っているが、ヘイトスピーチ、差別扇動の内容に触れた講演は一度もしたことがない。にもかかわらずARICは私のことをヘイトスピーカー、レイシストというレッテルを貼って発言を一切封じ込めた」と話した。
「彼らがレイシストと定義づけた人物の発言を封じ込めてしまう、それが今回、一橋大学で起こったと見ています。私は彼らに、有名なヴォルテールの言葉を言いたい。『私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る』、これがなくなれば言論の自由はなくなると思う」と締めくくった。
質疑応答では、朝日新聞の記者が「(朝日新聞の)社長に対して、『もし日本に北朝鮮のミサイルが落ちた時、誤射かもしれないと書いたら社長を半殺しにしてやるつもりだ』と(ツイッターで)つぶやかれたが、今もその気持ちにおかわりはないのか」と尋ねた。
百田氏は、朝日新聞が2002年に武力攻撃事態について「1発だけなら、誤射かもしれない」という解説記事で掲載したことを理由にあげ、「なんか文句ありますか、社長に言っといてください」と話した。
また、都議選の街頭演説で「帰れ」や「辞めろ」と言ったコールが上がり、安倍首相が「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と発言したことについて聞かれると、「私なら、もっと汚い言葉で罵っています」と答えた。
(弁護士ドットコムニュース)