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Kinki Kidsはジャニーズの歴史を変える? 小原裕貴、20年ぶり『ぼくらの勇気』出演の奇跡

2017年07月04日 11:22  リアルサウンド

リアルサウンド

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 今、元ジャニーズJr.小原裕貴が話題になっている。ジャニーズJr.として人気の絶頂を迎えた2000年に、突然の引退発表。当時、小原のファンはもちろんのこと、多くのジャニーズファンに衝撃を与えた。ジャニーズ脱退とともに芸能界からも引退した小原だったが、7月21日放送のスペシャルドラマ『ぼくらの勇気 未満都市 2017』(日本テレビ系)で、およそ20年ぶりに出演することを発表した。1997年に放送された人気ドラマ『ぼくらの勇気 未満都市』の20年後の世界を描いた作品。なお、当時出演していたレギュラーメンバー、堂本光一、堂本剛、相葉雅紀、松本潤らの出演も決定している。


参考:SMAPは日本映画界に何を残したか? 宇野維正が振り返る「SMAPの映画史」


 小原は、嵐やタッキー&翼と同世代。いわゆる“ジュニア黄金世代“と呼ばれる、一時代を築いた主要メンバーだった。当時の人気ぶりを芸能ライターの佐藤結衣氏は次のように振り返る。


「当時、ジャニーズJr.は今とは比べものにならないくらい露出が多かったんです。ドラマ出演はもちろんのこと、ゴールデンタイムのバラエティ番組にも毎日のように出演していました。Jr.一人ひとりの知名度も高く、その中でも特に人気を博していたのが小原さんです。デビューを夢見てJr.たちがひしめき合う中で、小原さんは知的な魅力を放っていた印象があります。もともと美形なことでも目を引きますが、そのクールな佇まいや大人っぽい雰囲気が多くのファンの心を掴んでいたように思います。自ら卒業を宣言し、花束を受け取って事務所を去っていったのは、後にも先にも彼だけではないでしょうか。ジャニーズファンたちのなかで記憶に残る伝説のジャニーズJr.でしたね」


 小原はジャニーズ事務所を退所する直前に発売された雑誌『MYOJO』で、「いつか小原裕貴にしかできないことを見つけたいです」と語っていたが、まさに“小原裕貴にしかできないこと“を今、成し遂げようとしているのではないかと、佐藤氏は続ける。


「事務所を退所したメンバーが、再びジャニーズメンバーと共演することは、本当に異例なこと。あのSMAPでも、オートレーサーという夢を叶えるために卒業した元メンバーの森且行さんの映像や写真が取り上げられるまで、とても時間がかかった印象があります。徐々にテレビ番組でもコメントを寄せるなど、思い出を振り返る機会も増えてきたように思いますが、共演という展開は実現していません。そうした経緯から見ても、今回の小原さんの出演は芸能界を引退した一般人がドラマに出演する、ということ以上に、ジャニーズ史上大きな変化としても捉えられると思います」


 そうしたイレギュラーな復活劇が行なわれたのは、KinKi Kidsの求心力に依るところが大きいと佐藤氏は分析する。


「小原さんはオファーを受けたとき、“KinKi Kidsさんの記念すべき20周年に少しでも貢献できればと、出演を決意しました“とコメントを寄せています。Jr.時代、剛さんにギターを教わり、KinKi Kidsのコンサートでセッションを披露した仲です。きっと自分にできることがあればと、思い立ったのでしょう。一度、離れた世界で再び演技を披露するというのは、相当の勇気と覚悟が必要です。それでも、突き動かされたのは、やはりそれだけKinKi Kidsに対するリスペクトがあればこそ。本作では、当時の制作スタッフも再集結したと聞いています。誰もが“また一緒に仕事がしたい“と思う。そんな人間力のあるKinKi Kidsだからこそ成立した作品となるのではないでしょうか」


 21歳で初座長を務め、以来ミュージカル単独主演記録1位という前人未到のキャリアを築いている堂本光一。ジャニーズ初のソロデビューを果たし、独自の世界観を発信し続けている堂本剛。ジャニーズのなかでも常に開拓者として歩んできたKinKi Kidsが、また新たな伝説となる作品を私たちに見せてくれる。(戸塚安友奈)