6月30~7月2日に行われたJRC全日本ラリー選手権の第6戦『2017 ARK ラリー洞爺 Supported by Sammy』にCVT搭載のトヨタ・ヴィッツ(大倉聡/豊田耕司)が参戦。JN3クラス2位を獲得した。
2017年、TOYOTA GAZOO Racingはモータースポーツの厳しい環境下で「人を鍛え、クルマを鍛える」べく、スポーツ制御CVTのTGR Vitz CVTを全日本ラリーに投入。第2戦ツール・ド・九州、第3戦久万高原ラリーではクラス2位を獲得している。
チームが挑む今季5戦目は今シーズン初のグラベル(未舗装路)イベントとなるラリー洞爺。チームはCVTのスポーツ制御をグラベル向けに調整したほか、前戦モントレーin嬬恋で発生したエンジントラブルなどにも対策を施した。
「滑りやすい未舗装路とCVT車両との相性は悪くないと思う」と語るドライバーの大倉は、7月1日(土)のデイ1に行われたSS2~4までの3SS連続でクラス最速タイムをマークしてクラス首位に立つ。
しかし、続くSS5を走行中に右フロントタイヤがパンク。なんとか走行を続けたがステージ34位/クラス5位タイムとなり、クラス首位の座を奪われてしまった。
加えて、このパンクでマシンの足回りに大きなダメージを負い、以降のSSでは思うようにタイムを伸ばせず。クラス首位の天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツ)と1分7秒4差のクラス2番手でデイ1を終えた。
翌2日(日)のデイ2には、チームメカニックの手によりマシンも修復。勢いに乗る大倉はSS9~11まで3SS連続でクラス最速タイムを記録してトップを猛追する。
しかし、残るSS12~15ではクラス首位の天野も反撃し、首位奪還はならず。それでも第3戦久万高原ラリー以来となるクラス2位表彰台を手にした。
■大倉「グラベルでのセッティングも決まってきたが、同時に新たな課題も」
「土曜日の最後のサービスで、チームのメカニックたちが車両をしっかりと直してくれました。そのおかげで日曜日はデイポイント3点を獲得することができ、安心してアタックできるクルマを用意してくれたチームに恩返しができたと思います」と大倉。
「今回のラリーを走り切ったことで、未舗装路でのセッティングも決まってきました。同時に新たな課題もいくつか見つかりましたので、次のラリー北海道にはきちんと準備して臨みたいです」
豊岡悟志チーム監督も「CVT車両にとっては初めてのグラベルラリーとなりましたが、しっかりと力を発揮することができました」とコメントしている。
「残念ながらパンクがあったうえ、足まわりにもダメージがあり、土曜日の午後はペースを抑えて走ることとなりました。それでも合計6回のSSベストタイムを記録しています。これはチームにとって励みになります」
「未舗装路でのCVT車両の速さが確認できた点も、次のラリー北海道に向けて大きなステップとなりました」
チームは9月15~17日に行われる第7戦ラリー北海道にも、このTGR Vitz CVTで参戦する。