ホンダF1プロジェクト総責任者の長谷川祐介氏が、F1第9戦オーストリアGPにスペック3のパワーユニットをフェルナンド・アロンソとストフェル・バンドーンの両ドライバー用に持ち込むことを明らかにした。
前戦アゼルバイジャンの金曜、ホンダはアップグレード版スペック3エンジンをアロンソ車に搭載し、テストを行った。この際、データ上、進歩が確認されたものの、ギヤボックストラブルが発生したため十分な走行ができず、エンジンへのダメージも懸念された。
アロンソは土曜以降はスペック2のエンジンに載せ替えて走り、決勝で9位を獲得。チームにとって今季初入賞を達成した。
その後、日本のファクトリーでマッピングなどの準備が整え、ホンダはマシン2台用のスペック3エンジンを持ち込むことを決めた。
長谷川氏は、時間的に非常にタイトだが、次戦オーストリアにはスペック3を2台分用意したいとアゼルバイジャン直後から述べており、オーストリアに向けて発表した公式コメントにおいて、その目標を達成したことを明らかにした。
「私たちは(アゼルバイジャンの)金曜にフェルナンドのマシンで、スペック3というアップデート版PUを試し、出力の面でいくらか進歩したことを確認できました。集めたデータを活用し、ファクトリーでマッピングの作業を進めました。今週末はスペック3をふたりのドライバーのために持ち込むつもりです」と長谷川氏。
「競争力がいくらか向上したと思うので、オーストリアで自分たちのパフォーマンスを確認するのが楽しみです」
「ぎりぎりまで準備に取り組んでいきます。私たちの進歩を示すため、いいレースをしたいと思っています」
マクラーレンのレーシングディレクター、エリック・ブーリエも、スペック3の導入に期待を示している。
「オーストリアの週末には多数の改良パーツを持ち込む予定だ。特に、ホンダはパワーユニットのアップグレード版である新スペック3の導入を計画している」
「有効な前進を示し、中位グループの一員として走れることを期待している」
アゼルバイジャン直後、長谷川氏は、バクーのコースではスペック3エンジンに0.2秒から0.3秒以上のゲインがあったとして、パワー向上に自信を示していた。