フェラーリのセバスチャン・ベッテルは、F1アゼルバイジャンGPでルイス・ハミルトンに衝突した件に関して審議が行われ、追加ペナルティが科されないことが決定した後、自身の公式サイト上に謝罪文を掲載した。
セーフティカー先導時、リスタートを前に、先頭を走るルイス・ハミルトンにベッテルが追突、ブレーキテストをされたと考えたベッテルは憤り、ハミルトンの隣に並びかけて、手を挙げて怒りを示し、ハミルトンにヒットした。
この行為によって、10秒のストップ&ゴー・ペナルティおよびペナルティポイント3が科されたが、ベッテルは謝罪せず、ハミルトンにもペナルティを科すべきであると強く主張した。
これを重く受け止めたFIAは、さらなるペナルティを科す必要があるかどうかを判断するため、詳しい調査を行うことを決め、その審議が3日に行われた。
ベッテルはフェラーリのチーム代表マウリツィオ・アリバベーネとともにFIA本部を訪れ、FIAを代表する数人とともにインシデントの証拠を改めて検証した。その結果、ベッテルはすべての責任を認めて謝罪。また、公式な謝罪を行うこと、若手ドライバー教育に協力することも誓った。
これを受けてFIAはベッテルにさらなるペナルティを科さないことを決め、本件を終了するという決定を下した。
ベッテルは同日、自身のウェブサイトに公式な謝罪文を発表した。
「モーターレーシングファンへ」という書き出しで始まるベッテルのコメントは以下のとおり。
「バクーでのインシデントに関し、自分で直接説明したいと思う。リスタートラップの際、僕はルイスに驚かされて、彼のマシンの背後に突っ込んでしまった。今になってみれば、彼に悪意があったとは全く思わない。戦いのさなか、僕は過剰反応してしまった。そのため、ルイスに直接謝罪したいと思っている。あのレースを見ていたすべての人たちにも謝りたい。自分がいいお手本を示さなかったことを認識している」
「ルイスを危険な目に遭わせようなどという意志は一切なかった。それでも自分が危険な状況を招いたことは理解している」
「そのため、FIAに対して謝罪したいと思う。今日、パリで行われた会合において下された決定を受け入れ、尊重する。バクーでスチュワードから科されたペナルティについても同様だ」
「僕はこのスポーツを愛している。このスポーツの代表として、次世代への規範になるという決意を固めている」
今回の裁定により、ベッテルはポイントリーダーの座を維持してオーストリアGPに臨むこととなった。ただし、ペナルティポイントの合計が9点となっており、万が一、今週末にあと3ポイント追加されるようなことがあれば、次のイギリスGPは出場停止となる。