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“不倫したい男”の二大スター、斎藤工とディーン・フジオカの共通点

2017年07月04日 06:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 “不倫モノ”のドラマ・映画が、このところ注目を集めている。2014年に社会現象となったドラマ『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(フジテレビ)から3年後を描いた映画『昼顔』は、公開から4週経ったものの、興行通信社が7月3日に発表した全国映画動員ランキングで6位にランクイン。ロングランヒットを続けている。一方、TBSで放送されていたドラマ『あなたのことはそれほど』は、6月20日に放送された最終回の視聴率が同番組最高の14.8%(関東地区/ビデオリサーチ調べ)を記録、有終の美を飾った。


 芸能人の不倫報道や、それに伴うバッシングが過熱しているように、昨今の“不倫”に対する世論は決して易しいとはいえない。しかしながら、こうした作品に注目が集まるのは、少なからずそうした願望を抱く人々が多いということの証なのかもしれない。


 そんな風潮の中、特に大人の女性たちを刺激してやまない俳優というと、斎藤工(35歳)とディーン・フジオカ(36歳)の名が挙げられるのではないだろうか。前者は、言わずと知れた『昼顔』の北野裕一郎役で、メガネをかけた柔和そうなルックスと、ラブシーンでの匂い立つようなエロスのギャップは、上戸彩演じる笹本紗和のみならず、多くの視聴者の心と身体を火照らせた。対するディーン・フジオカは、2015年放送のNHK連続テレビ小説『あさが来た』五代友厚役でブレイク。180cmの長身と甘いマスクが主婦層の支持を集め、劇中で亡くなった時は“五代ロス”なる言葉さえ生まれた。最近では映画『結婚』で結婚詐欺師の役柄を演じ、やはりそのセクシーな演技が話題となっている。


 現代のセックスシンボルと言っても過言ではないふたり。その共通項とはなんだろうか。まず言えるのは、その年齢だ。男性の30代半ばは、性的に成熟している年齢であることはもちろん、ある程度のキャリアを築いた年齢であり、立ち振る舞いにも自信が生まれてくる頃である。彼らが自然と漂わせる心の余裕が、女性たちにふと“寄りかかりたい”という気持ちを抱かせるのだろう。また、彼らがともに長身であることも、女性たちに憧れの感情を抱かせる一因であるに違いない。加えて、ふたりがとても綺麗な“手”をしていることも、特筆すべきか。『昼顔』にせよ、『結婚』にせよ、ふたりの手を非常にエロティックに撮っていて、それが女性たちの関心をより強めているようだ。(参考:ディーン・フジオカの色気は“美しい手”にあり 理想の男性像を体現した『結婚』の演技


 一方で、ふたりにはどこか底の知れないミステリアスさも感じられる。同性から見たときには、“胡散臭さ”としても映りそうな彼らのその雰囲気は、しかし役柄にはとても効果的に使われている。たとえば斎藤工は『昼顔』だけではなく、ドラマ『フランケンシュタインの恋』でも、主人公たちの恋路に立ちはだかる“間男”だった。斎藤工に、ストレートな純愛は似合わない。男と女の関係性がこじれるところに、ふっと現れて奪っていくのが、彼のやり方である。ディーン・フジオカはもっとすごい。登場人物の女性はみんなディーンのことが好きで、彼は悪気なく全員と関係を結ぼうとするのだ。その行動は一般的な貞操観念とはかけ離れているのかもしれないが、それでも通用してしまうのが彼らの狡いところであり、抗い難く魅力的なところでもあるのだろう。言ってみれば、女性に対する“しどけなさ”そのものが、彼らの色気の源なのかもしれない。


 しかし、ただ単に女性にしどけないだけでは、どこにでもいる助平であり、あの色気は立ち上ってこないはずだ。では、なにが彼らを“女たらし”足らしめているのか? そこで注目したいのが、彼らの文化的な素養である。斎藤工は、映画評論家としても活動するほどのシネフィルであり、ほかにも写真撮影や格闘技を嗜むなど、文武両道の才人だ。一方のディーンもまったく負けていない。ディーンは5言語を話すマルチリンガルで、若い頃には世界を旅して写真を撮り、詩を書いていた。さらにインドネシアでミュージシャンとしても活動し、数々の楽器を弾きこなすほか、中国武術やキックボクシングの心得まであるという。ふたりとも非常に多趣味であり、マニアックといって良いほどの凝り性なのだ。そして、その文化的な素養が品格として漂うからこそ、しどけない振る舞いがギャップとなり、色気として醸し出されるのではないだろうか。実際、『昼顔』の北野裕一郎も、『結婚』の古海健児も、ここぞというところでの知的な振る舞いこそが、女たちを夢中にさせていた。


 決して不倫を勧めるわけではないが、斎藤工やディーン・フジオカのような男性が相手なら、つい道を誤ってしまう女性がいるのも致し方ないのかもしれない。世の男性陣はくれぐれも彼らのような男性に伴侶を奪われぬよう、自身の魅力を磨くことを忘れないでほしい。(松下博夫)