6月27日、イギリス・ゲイドンに拠点を置くアストンマーチンは、完全な電気自動車となる『RapidE(ラピードE)』を、2019年に生産することを正式に発表。コンセプト発表から2年たらずで、本格的エレクトリック・スポーツカーの生産に乗り出すことを明らかにした。
2019年に155台の限定生産が予定されているラピードEは、アストンマーチンが設立したハイパフォーマンス・ブランドである“AMR”のラインとなる、『ラピード AMR』をベースとし、ウイリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングが主要なパートナーとして協力することがアナウンスされた。
今後は、低エミッションおよびゼロエミッション車の開発にも積極的に取り組むと発表していたアストンマーチンにとっても、このラピードEは同社初の電気自動車となり、プラン達成の足がかりとなる重要な1台でもある。
WEC世界耐久選手権のLMP1カテゴリーに向けた、フライホイール式のハイブリッド・システムの供給や、フォーミュラEへのリチウムイオン・バッテリーのサプライを務めるなど、電動化技術の最先端を行くウイリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングがコンセプトの製作にも携わるなど、包括的な支援体制を構築。
今後発表される『Rapide AMRコンセプト』をベースとするラピードEは、4ドア・スポーツカーの優雅なスタイルのなかに、6リッターV12エンジンに代わる電動パワートレインが搭載され、『Rapide S』と同等のダイナミック性能を保持。電動パワートレインに関する詳細は順次発表の予定となるものの、瞬時にパワーが立ち上がる電気モーターの特性により、従来のアストンマーチンでは体験できなかったユニークなドライビング・エクスペリエンスを提供する、としている。
アストンマーチン社長兼CEOのアンディ・パーマーは、「ラピードEは、アストンマーチンのビジョン、願望、そして世の中の急速な変化に対応可能な能力を示し、弊社の哲学に忠実な新しいタイプのクルマを提供することになる」と、コメント。
一方、協業を行うウイリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングのテクニカル・ディレクター、ポール・マクナマラは「持続可能性に関するさまざまな課題を解決し、エネルギー効率の高いソリューションを見つけ出すことが我々の使命」とし、「このプロジェクトにおいて、アストンマーチンは、バッテリーおよびEVに関する弊社の豊富な経験を活用することが可能となる。同時に弊社にとっても、高いプレステージ性を備えたアストンマーチンの未来の電動化戦略をサポートできることは、大変光栄なこと」とコメントしている。