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世界ラリークロス:第7戦ホルヘ、クリストファーソンがホームラウンドで完勝劇

2017年07月03日 18:12  AUTOSPORT web

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PSRXのヨハン・クリストファーソンが母国戦を制した
スウェーデンのホルヘで開催されたWorldRX世界ラリークロス選手権の第7戦は、PSRXフォルクスワーゲンRXチーム・スウェーデンのヨハン・クリストファーソン(フォルクスワーゲン・ポロGTI RXスーパーカー)が母国ラウンドを制し、前戦ノルウェーに続く2連勝。これで選手権でも2位に浮上したチームメイト、ペター・ソルベルグに31ポイントのリードを築いた。

 6月30~7月2日の開催となった第7戦は、2016年王者のマティアス・エクストローム(アウディS1 EKS RX クワトロ)がDTMドイツ・ツーリングカー選手権とのスケジュール・バッティングにより欠場。PSRXにとってはタイトル奪還への道を確実にする絶好の機会となった。

 予選ヒートからトップタイムを争うクリストファーソン、ペターの2台に対し、戦いを挑んだのは“9タイムス・WRCチャンピオン”のセバスチャン・ローブ擁するチーム・プジョー-ハンセン。

 ローブとティミー・ハンセン(ともにプジョー208WRXスーパーカー)はそろって準決勝ヒート1に進出すると、クリストファーソンに続く2位、3位を確保しファイナルへ。しかし、もう一方の準決勝ヒート2では思わぬ波乱が待ち受けていた。

 PSRXのチームボスでもあるペターのポロGTIが、ヒート2のスタートでまさかのストール。すぐさま再始動しライバルたちを追うと、3周目にはMJPレーシング・チーム・オーストリアのエース、ティモ・シャイダー(フォード・フォーカスRXスーパーカーEvo.3)と絡みコースオフ。

 最終的にこのヒートを6位で終えまさかの敗退。総合7位で週末を終えることとなってしまった。

 この準決勝ヒート2を制したフーニガン・レーシング・ディビジョン、アンドレアス・バッケルド(フォード・フォーカスRS RXスーパーカー)を含め6台での争いとなった決勝は、スタートからクリストファーソンが独走。

 前戦ノルウェーのアクシデントで右足を負傷した影響を感じさせないドライビングで、見事なトップチェッカー。今季3勝目を母国ファンの前で決め「本当に良い気分だ」と、喜びを語った。

「2連勝というのは特別で、当分は忘れらない感覚だね。チームと一緒に正しいセットアップを見つけ出すことができたし、PSRXにとっても完璧な週末になった」

「WorldRXとSTCC(スカンジナビアン・ツーリングカー選手権)を含めて6回のポディウムを獲得できたわけだから、すぐに何かを変える必要はなさそうだ」

「でも、ラリークロスはつねに何かが起こり得るスポーツだから、安全に物事を進めていく必要があるんだ」

 一方、今季最上位となる2位表彰台に上がった隣国ノルウェー出身のバッケルドは「とても満足しているけど、同時に(2位は)最初の敗者でもある」と振り返った。

「このホルヘのトラックは本当に僕に合っていて、かつてはホルヘから1時間しか離れていないトースビーという町にも住んでいたんだ。たくさんの友人やファンが集まってくれて、群衆のなかから多くの支持とサポートを得られるのは本当に素晴らしい体験だった」

「次戦カナダまでは1カ月のブレイクになるので、僕らは速さを上積みできるはずだし、絶好調で信じられないほどのドライビングを見せているヨハン(・クリストファーソン)にとっては、この休みがかえって不安要素になるかもしれないからね」

 そして最後のポディウムとなる3位を確保したローブは、イベント後の水曜にはダカール・ラリーの前哨戦となるシルクウェイ・ラリー参戦のためロシアに飛ぶ予定となり、カナダ戦前に「ラリークロス向けのテストをすることは不可能だろうし、(クロスカントリー・ラリーとは)まったく性質の異なる競技だから、カナダ戦はぶっつけ本番になるだろうね」と、少々弱気なコメントを残した。

 そのカナダでの第8戦トロワ-リヴィエールでのイベントは、8月4~6日の開催が予定されている。