ハースF1のチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーは、ロマン・グロージャンとケビン・マグヌッセンのドライビングスタイルの違いが、チームを悩ませ続けるブレーキの問題に関係していると言う。
アゼルバイジャンGPの週末、グロージャンはタイヤのロックやブレーキの効きの悪さに苦しめられていた。決勝結果は1周遅れの13位となり、メディアの取材を受けることなくパドックを後にしている。
一方でチームメイトのマグヌッセンは、この問題の影響を受けなかったようだ。レースを7位でフィニッシュし、チームに今シーズンの最上位という好結果をもたらした。シュタイナーはこの件について、次のように話している。
「ケビンにブレーキの問題が発生していなかったわけではない。彼のドライビングスタイルだと、より楽に乗ることができるため、問題が見えにくくなる。彼もFP2ではブレーキに不満を感じていた」
「レースでも問題があったため、惰性で進むような走り方をしなければならなかった。ロマンのスタイルだと、ブレーキは完璧であるか、可能なかぎり完全に近い状態を求められる。現状の我々には不可能なことだ」
レースの際、2台の『VF-17』はかなり似通った状態にあったとシュタイナーは付け加える。
「サスペンションや空力面で言えば、マシンのセッティングは常に同じような状態にあり、大きな違いはなかった。ドライバーはそれぞれのレースエンジニアと問題に取り組んでいたが、原則的には2台のマシンはかなり近い状態にある」
「けれどもコーナーへの進入の仕方など、ふたりのドライビングスタイルは少し異なる」
バクーでマグヌッセンが手にした好結果により、チームはコンストラクターズ選手権7位に浮上し、ルノー、ザウバー、マクラーレンを上回ることとなった。しかし前を行くトロロッソとの差を縮めることは、相当に難しい。シュタイナーは以下のように述べている。
「状況はさらに困難さを増している。今季の中団グループは以前よりもコンパクトだ。ポイント圏内に入ることは難しい」
「我々はポイントを獲得できてはいるが、少ないんだ。状況は厳しいけれど、チームとしての進歩と、安定性を得たことは証明できていると思う。問題の修正に時間をかけ、成長を続ける必要がある。進化が証明できているのなら、うまくやっていると言えるだろう」
「我々は競争していたいし、成功したい。しかし自分たちに限界があることも承知している。総合的に見れば、いい仕事ができていると思うよ」