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IMSA第6戦:ラスト10分の再逆転。5号車キャデラック執念の勝利。NSX GT3がGTDクラス2連勝

2017年07月03日 13:12  AUTOSPORT web

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今季初優勝を果たした5号車キャデラックDPi-V.R
IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ(WSCC)第6戦は7月2日、アメリカ・ニューヨーク州のワトキンスグレン・インターナショナルで6時間の決勝レースが行われ、マスタング・サンプリング・レーシングの5号車キャデラックDPi-V.R(ジョアオ・バルボサ/クリスチャン・フィッティパルディ/フィリペ・アルバカーキ)が2017年シーズン初優勝を挙げた。

 7月4日のアメリカ独立記念日を控えた週末の開催となったグレン6時間。サーキットには星条旗をカラーリングの一部に取り入れたり、カラーリングそのものを大きく変えて登場するマシンの姿もみられた。

 また、6月4日に行われたル・マン24時間耐久レースの“テストデー”との日程の関係から第5戦デトロイトではレースが行われなかったGTLMクラスのマシンが加わり、2戦ぶりに全4クラス揃ってのレースとなった。

 現地時間10時10分にスタートが切られた決勝レース。まずは前日の予選でポールポジションを獲得したエクストリーム・スピード・モータースポーツ(ESM)の2号車ニッサンDPi-V.R(ピポ・デラーニ)がレースを引っ張っていく展開に。

 しかし、順調に走行を重ねる2号車ニッサンに不運が訪れる。スタートから1時間45分、2号車ニッサンを駆るスコット・シャープがGTDクラスのマシンに接触されコースアウト。ハーフスピン状態でタイヤバリアに激突し、マシンのリヤエンドを大きく破損。優勝争いから脱落してしまう。

 スタートから2時間、2号車ニッサンのクラッシュによって導入されたフルコースイエロ(FCY)からリスタートが切られると、ウェーレン・エンジニアリング・レーシングの31号車キャデラックDPi-V.Rが首位に浮上。これに5号車キャデラックが続いていく。

 31号車と5号車のキャデラック勢がワン・ツー体制を築くなか、PCクラスのマシンがコース上にストップしたため、このレース2回目のFCYが導入される。

 この間にトップの31号車キャデラックを含む上位勢が揃ってピットイン。31号車キャデラックはピット作業で2番手の5号車キャデラックに逆転を許すと、アウトラップでは右リヤタイヤが外れるアクシデントにも見舞われ、優勝争いから一転、走行不能となってしまった。
■抜かれても抜き返す!

 レース中盤以降、実質的な総合首位を守っていた5号車キャデラックは、スタートから5時間が経過した時点で2番手につけるJDC-ミラー・モータースポーツの85号車オレカ07・ギブソンに30秒以上のギャップを築く快走をみせる。

 ところが、チェッカーまで残り35分となったレース終盤、6番手を走るESMの22号車ニッサンDPi、GTDクラスの86号車アキュラNSX GT3が相次いでストップし、この日5回目のFCYが導入される。

 チェッカーまで残り25分となってレースが再開されると、後続とのギャップを失った5号車キャデラックのジョアオ・バルボサはリスタートに失敗。背後に迫っていた85号車オレカのステファン・シンプソンはこれを見逃さず、ストレートで並びかけると1コーナーで一気にオーバーテイク。レース終盤にトップを奪った。

 レース時間が残りわずかとなり、LMP2マシンの2017年シーズン初優勝という結果になるかと思われた最終盤、抜かれた5号車キャデラックが85号車オレカの背後にピタリとつけると、85号車オレカが最終コーナーでトラフィックに引っかかる。

 チェッカーまで残り10分で訪れたこのチャンスを、5号車キャデラックのバルボサは一撃で仕留め、再逆転に成功。そのまま85号車オレカを従えてトップチェッカーを受けた。総合3位にはマツダ・モータースポーツの55号車マツダRT24-Pが3位に入っている。

「トラフィックが結果に影響してくることは分かっていた」とバルボサ。

「(ステファン・)シンプソンが最後のコーナーでGTマシンに引っかかったので、1コーナーで並びかけた。彼は十分なスペースを残してくれていた。とても楽しいレースだったよ」

 5号車キャデラックのレースを制したことで今シーズンのWSCCは開幕戦デイトナ24時間から6戦連続でキャデラックが優勝を果たすこととなった。

 なお、開幕5連勝を飾っていたウェイン・テイラー・レーシングの10号車キャデラックDPi-V.Rはオープニングラップで他車と接触し戦線離脱。優勝争いに加わることはできなかったものの、6ラップダウンから3ラップダウンまで挽回し、総合6位で完走した。

 総合3位となった55号車マツダの僚友、70号車マツダはマシントラブルによりリタイアとなっている。
■93号車NSX GT3が第5戦デトロイトに続く勝利
The pass that stole the lead. pic.twitter.com/Tizs13xYcG— IMSA (@IMSA) 2017年7月2日


 フォード、シボレー、BMW、フェラーリのワークスカーがしのぎを削るGTLMクラスでは、BMWチームRLLの25号車BMW M6 GTLM(アレクサンダー・シムス/ビル・オーバレン)が2017年シーズン初優勝。

 この勝利は、チームにとって2015年の第11戦オースティン以来の優勝となると同時に、2016年にデビューしたBMW M6 GTLMの初優勝なった。2位はフォード・チップ・ガナッシレーシングの67号車フォードGT、3位にはコルベット・レーシングの3号車コルベットC7.Rが入った。

 FIA GT3マシンで争われるGTDクラスは第5戦デトロイトで初優勝を飾り、今戦もポールポジションを獲得するなど、好調さをみせるマイケル・シャンク・レーシング(MSR)の93号車アキュラNSX(アンディ・ラリー/キャサリン・レッグ)が、合計5回のFCYが導入された難しいレース展開を制し、ポール・トゥ・ウインでGTDクラス2連勝を達成。


 0.592秒差の2位はスクーデリア・コルサの63号車フェラーリ488 GT3。3位にはターナー・モータースポーツの96号車BMW M6 GT3がつけている。

 MSRの僚友86号車は、レース終盤までクラス2番手につけていたが、チェッカーまで残り35分というところでマシントラブルが発生。チェッカーを受けずにレースを終えた。

 2台のレクサスRC F GT3を走らせる3GTレーシングは、クラス3番手からスタートした15号車レクサスが5位。予選でクラッシュを喫し、クラス最後尾の17番手からスタートした14号車レクサスは6位完走を果たしている。

 3台のオレカFLM09が出場したPCクラスはポールスタートのパフォーマンステック・モータースポーツの38号車オレカ(ジェームス・フレンチ/カイル・マーソン/パトリック・オーワード)が優勝し、今季の成績を5戦5勝とした。

 WSCC第7戦は7月9日、舞台をカナダのモスポート・パークに移し2時間40分のセミ耐久フォーマットで行われる。