ちょっと毒舌なF1ジャーナリストがお届けするF1の裏話。第8戦アゼルバイジャンGP編です。
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史上初のアゼルバイジャンGPが終わった。もちろん、昨年もこの場所でレースはあったのだが、あれは「ヨーロッパGP」だ。この国の統治者たちは、昨年のイベント名が国外でお笑いぐさになったことに気付いたのかもしれない。実際、アゼルバイジャンがヨーロッパの一部だとすれば、日本はアフリカに属すると言ってもいいくらいだ。
当然のことではあるが、バクー市民は、アゼルバイジャンが権力世襲の独裁者が統治する国だという事実を隠そうとする。特にその傾向が顕著になるのは、この街を世界的な規模のスポーツイベントが訪れる時だ。私が現地で会った十数人の市民に、この街での暮らしはどうかとたずねたところ、ひとりの例外もなく、話し始める前にさっと周囲を見回した。もちろん、制服姿の官憲がいないことを確かめるためだ。
その統治者、アゼルバイジャンの現大統領閣下が、副大統領でもある夫人を伴ってサーキットに姿を見せたことは言うまでもない。独裁的統治者は、どこの国でもこの手のビッグイベントが大好きなのだ。ただ、大統領閣下は目の前で行われているのが一体何なのかはよくご存じなかったようで、グリッド上を歩いていて轢かれそうになり、お付きの者がすんでのところで引き止めて、ことなきを得るという一幕もあった。
もっとも、私個人としては、全体主義的な独裁政権は嫌いではない。彼らは外国から来た報道関係者に良い印象を与えようと、あらゆる努力を惜しまずに歓待してくれるからだ。期待に違わず、木曜の夜にヒルトン・ホテルの屋上で開かれたパーティでは、ジャーナリスト全員にすばらしい食事とおいしいワインが振る舞われたし、メディアセンターも同じホテルの中に設けられていた。
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■アロンソのブラックジョーク
フェルナンド・アロンソは、いつもみんなを笑わせてくれる。まあ、みんなと言っても、ホンダの人々を除いてということだが……。
■不運すぎてもう……
フェルスタッペンは、本当に気の毒だった。最近の彼は、まるでレッドブル・レーシングの不運を全部ひとりで背負っているかのようだ……。
■ハミルトンの元カノもきてました
潤沢なオイルマネーを持つ独裁国家で開かれるグランプリには、ある共通の特徴がある。週末の夜に開かれるコンサートに呼ばれるアーティストの顔ぶれが、やたらと豪華なことだ。バクーでは金曜がニコール・シャージンガー……
■ベテランのナイスフォロー
スカイスポーツのレポーターを務めるマーティン・ブランドルは、スタート前のグリッドで見かけたマライヤ・キャリーにインタビューを試みたが、すげなく断られてしまった……。
■せっかくの火種なので
ベッテルとハミルトンの一件についてはどうかって? 私に言わせれば、ちょっとした出来事を大げさに騒ぎ立てているだけだ……。