6月29~7月2日に行われたWRC世界ラリー選手権第8戦ポーランドに挑んだTOYOTA GAZOO Racing WRT。アクシデントやトラブルを乗り越え、ユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC)が総合10位でフィニッシュした。
シリーズ屈指の高速グラベル(未舗装路)イベントであるラリー・ポーランド。2017年大会は連日降り続く雨により、劣悪な路面コンディションのなか争われた。
上位陣に多くのトラブルやアクシデントが降りかかり、3台のヤリスWRCで挑んたトヨタ勢にも不運が相次いだ。
競技2日目にはトップ5圏内を走行していたエサペッカ・ラッピがコース脇の石にヒットしてサスペンションを破損。ダメージの影響が大きく大会リタイアを余儀なくされた。
競技3日目には優勝争いを繰り広げたヤリ-マティ・ラトバラにも不運が襲いかかる。中盤のSS16走行中にマシンが突如ストップ。コース脇で修復を試みたものの、デイリタイアとなった。
残るハンニネンはターボの加給圧トラブルやタイヤのパンクなどに見舞われながら、粘りの走りを披露。ポイント圏内目前の総合11番手で最終日のデイ4を迎えた。
デイ4はSS20~23の4SSのみと走行距離は短いものの、依然として雨の影響で路面は滑りやすく、小さなミスが大きなアクシデントにつながる可能性もある。
そんななか、ハンニネンは安定した走りでSS21で総合10番手に浮上すると、続くSS22では総合9番手までポジションを上げる。
最終SS23ではライバルに交わされてしまったものの総合10位でフィニッシュ。今季6度目のポイント獲得を達成した。
チームメイトのラトバラは前日のマシントラブルを修復して競技に復帰。ボーナスポイントが与えられる最終SS23でステージ2位に4.9秒の差をつけステージ優勝。ランキングポイント5点を持ち帰り、ドライバーズランキング3番手に浮上した。
■トミ・マキネン「最終日は狙いどおりの結果」
「今日は我々の狙いどおりの結果となった」と語るのはチーム代表を務めるトミ・マキネン。
「ヤリ-マティ(・ラトバラ)は昨日のリタイアから見事に復活し、それ以前にトップ争いをしていた時のスピードを取り戻した。残念ながら上位フィニッシュは叶わなかったが、トップを競うスピードを備えていることは証明できたので、今回の経験を次のラリー・フィンランドにつなげたい」
総合10位を獲得したハンニネンは「とても挑戦のしがいのある週末だった。次の(第9戦)ラリー・フィンランドに向けては事前にテストを予定しているし、より良い結果を得られるのでは、と期待している」とコメント。
ラトバラも「クルマはとても速く、次戦以降もライバルと対等に戦えるという自信を得たのは、大きな収穫」と週末を振り返った。
チームが挑む次なる戦いはシリーズ最速のイベント、ラリー・フィンランド。同国にはチームの拠点があるだけでなく、起用するラトバラ、ハンニネン、ラッピ、そして各コドライバーにとって母国戦となり、特別な意味を持つホームイベントだ。