マルケスが今季2勝目。ペドロサが3位表彰台に立つ
2017年7月2日(日)・決勝
天候:曇り
気温:18℃ コースコンディション:ドライ
観客:7万7343人(3日間:16万4801人)
レポート
シーズン前半戦の締めくくりとなる第9戦ドイツGPは、今季3度目のポールポジション(PP)を獲得したマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、今季2勝目を達成しました。フリー走行と予選は、断続的に雨が降る不安定な天候の中で行われましたが、決勝日はドライコンディションとなり、PPから好スタートを切ったマルケスが、ジョナス・フォルガー(ヤマハ)との一騎打ちを制しました。
序盤はマルケスが、中盤はフォルガーが首位を走行。互いにけん制し合う展開の中で、11周目にトップに浮上したマルケスは、それから30周のレースで一度もトップの座を譲らず、終盤で一気に突き放しました。
今季2勝目を達成したマルケスは、この優勝で総合4位から総合首位に浮上し、2年連続4度目のタイトル獲得に向けて後半戦に挑みます。またこの優勝で、マルケスはドイツGPの8年連続ポール・トゥ・ウインという記録を達成しました。
予選3番手から、序盤はマルケスに続いて2番手を走行したダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、5周目にフォルガーにかわされて3番手へ。その後、首位のマルケス、2番手のフォルガーからじりじり遅れますが、後続との差をしっかりキープしながら3位でフィニッシュしました。
今季5度目の表彰台を獲得したペドロサは、総合5位は変わらずも、総合2位のマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)とのポイント差を縮めることに成功しました。
Repsol Honda Teamの2人がそろって表彰台に立つのは今季4度目。後半戦に向けて、上り調子でシーズン前半戦を締めくくりました。
予選4番手から決勝に挑んだカル・クラッチロー(LCR Honda)は、思うようにペースが上がらず10位、予選13番手のジャック・ミラー(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は15位、ティト・ラバト(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は18位でした。
コメント
マルク・マルケス(MotoGP 優勝)
「今日の結果にはとても満足しています。ザクセンリンクで行われるドイツGPは、自分にとってとても重要な大会であり、またチャンピオンシップでも、とても重要なレースになると思っていました。チャンスがあればリスクを犯してでも勝利を目指さなければならないし、こうして、25点を獲得して夏休みを迎えられることがうれしいです」
「この勝利をニッキー(・ヘイデン)と彼の家族に捧げたいです。僕はニッキーととてもすばらしい時間を過ごしました。彼は僕の友人であり、彼が事故で亡くなったあと、彼のために優勝しようと誓いました」
「今日のレースはとても厳しく、接近戦になりました。今日はおそらくダニ(・ペドロサ)との優勝争いになると思っていました。それがジョナス(・フォルガー)との戦いになり、とても驚きました。彼との戦いはとても厳しいものでしたが、優勝できました」
「チャンピオンシップは10ポイント以内に4人がひしめき合っています。ダニもそれほど離れていません。これから夏休みを取りますが、後半戦のブルノ(チェコGP)に向けて準備したいです」
ダニ・ペドロサ(MotoGP 3位)
「今日の表彰台にとても満足しています。今週は順調に仕事をこなせたし、すべての状況において、うまくコントロールできました。レース序盤はとてもフィーリングがよく、マルクの後ろで強い走りができました。そのうちリアタイヤのグリップを失い始めましたが、レースは長いし、グリップが低下するのは当たり前のことだと考えるようにしました」
「ジョナスに抜かれた際、彼をフォローしようとしたのですが、スピニングが激しくとても無理だったので、表彰台に立つためのレースをしようと作戦を変更しました。正直、もう少し強いレースがしたかったのですが、表彰台に立てたことはとてもポジティブでした」
「チャンピオンシップでは多くの選手との差を縮めました。夏休みの間に2日間のテストがあります。改善しなくてはいけない部分は分かっているので、その部分に集中したいです」
カル・クラッチロー(MotoGP 10位)
「このレースが終わったら夏休みになると楽しみにしていたのもあり、今シーズン、最もがっかりしたレースになりました。スタートして3ラップを終えたときに、フロントタイヤの温度がほかのレースに比べて上がりました。その状態でそこからの27ラップ走行しなければなりませんでした」
「タイヤの空気圧の警告灯が点灯し、2、3回は転倒寸前の滑りを経験しました。今日はバレンティーノ(・ロッシ)をパスしましたが、抜き返されてしまいました。レース中盤は、リズムよく乗れました。しかし、10位という結果に終わりました。今回の経験を活かしたいです」
ジャック・ミラー(MotoGP 15位)
「フロントタイヤは全く問題なかったのですが、リアタイヤに問題がありました。スタートして3周目くらいからスピニングがひどく、まるで30ラップを走ったような状態になりました。そして左コーナーでは、10周を終えたころからグリップが完全になくなりました」
「不思議なフィーリングでした。今回はいいレースができると思っていたので、とても残念です。夏休みに向けていいリザルトで終えたいと思っていたので、とても残念です」
ティト・ラバト(MotoGP 18位)
「とても気持ちよく走れたFP3と同じ、コンパウンドのタイヤで決勝に挑みましたが、4周か5周を終えたときには、レースを終えたような状態になっていました。アクセルを慎重に開けなければならず、ちょっとでも無理をすれば簡単に転倒しそうでした」
「そのため、エンジンマップを変えて完走しようと思いましたが、思っていたよりもゆっくりしたペースに制御されペースは上がりませんでした。これからの夏休みを楽しみにしています。後半は強くなって帰ってきます」