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WRCポーランド:優勝争いはタナクのクラッシュで幕切れ。ヌービルが今季3勝目

2017年07月03日 11:32  AUTOSPORT web

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2017年シーズン3勝目を挙げたティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)
WRC世界ラリー選手権は7月2日、第8戦ポーランドのSS20~23が行われ、ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)が2017年シーズン3勝目を挙げた。

 ヌービルとオット・タナク(フォード・フィエスタWRC)による総合優勝争いは、前日のSS19終了時点で3.1秒差まで接近していた。

 ふたりによる優勝争いは、競技最終日オープニングのSS20でタナクが1.8秒差で総合首位を奪うなど、近年のWRCではまれに見る接戦となる。

 しかし、続く18.68kmのSS21でタナクがコース脇の木に衝突。マシンの左フロントを大破させてリタイアとなり、優勝争いはここで幕切れとなった。

 タナクは「森の中の、路面が泥状になり滑りやすい場所でのクラッシュだった」と当時の状況を振り返る。

「あそこまでひどいコンディションだとは思っていなかった。マシンのリヤが斜面にぶつかり、その反動でハイスピードのままフロントから木にぶつかったんだ」

「プッシュしすぎたかって? 勝つためには文字通り全力でプッシュする必要があったんだよ」

 タナクのクラッシュで総合2番手にはヌービルのチームメイト、ヘイデン・パッドン(ヒュンダイi20クーペWRC)が浮上する。

 トップを走るヌービルと2番手パッドンとは1分以上のギャップがあり、ヌービルは危なげない走りでSS22~23を完走。最終的に1分23.9秒までリードを広げて今季3勝目を飾った。

「オット(・タナク)は最後まで諦めない姿勢で素晴らしいラリーをしていた」とヌービル。

「彼がクラッシュしてしまったことは残念に思うし、それまでの走りは素晴らしいものだった。強敵であることが改めて証明されたと思う」

 総合2位はパッドンが獲得し、ヒュンダイ勢がワン・ツーを達成。総合3位にはセバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)が続いた。

■トヨタ勢最上位はハンニネンの総合10位。ラトバラはボーナスポイント持ち帰る

 この週末、苦戦が続いたTOYOTA GAZOO Racing WRTは、前日総合11番手だったユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC)が順位をひとつ上げて総合10位でフィニッシュ。チームにポイントをもたらした。

 前日マシントラブルからデイリタイアしたヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)は競技に復帰し、総合20位でフィニッシュ。また、ボーナスポイントが与えられるパワーステージのSS23で最速タイムをマークしてドライバーズランキングに5点を加算した。

 シトロエン勢はステファン・ルフェーブル(シトロエンC3 WRC)の総合5位が最上位。エースドライバーのクリス・ミークに代わって出場したアンドレアス・ミケルセン(シトロエンC3 WRC)は総合9位で競技を終えた。

 ポイントランキングでは3位表彰台に入ったオジエが160点でトップを死守。11点差の2番手でヌービルが続いている。オジエと48点差のランキング3番手はラトバラだ。

 2017年のWRC第9戦は7月27~30日に行われるラリー・フィンランド。シリーズでもっともハイスピードなバトルが繰り広げられる1戦となる。

 トヨタにとっては起用する全ドライバーの母国戦であり、チームにとっても拠点があることから特別な1戦と呼べる戦いだ。