ノリスリンクで開催されたDTMドイツ・ツーリングカー選手権。2日に行われた第8戦は、赤旗中断となる混乱のレースをマキシム・マルタン(BMW M4 DTM)が制し、今季初勝利を飾った。
2300メートルのストリートサーキットで争われるノリスリンク戦。予選では、トム・ブロンクビスト(BMW M4 DTM)がロバート・ウィケンス(メルセデスAMG C63 DTM)を0.004秒差で上回りポールポジションを獲得。3番手にニコ・ミューラー(アウディRS5 DTM)、前日勝利を飾ったブルーノ・シュペングラー(BMW M4 DTM)は5番手となった。
55分+1周で争われる決勝レース。ウィケンスが見事なスタートを決めトップに浮上。出遅れたブロンクビストは6番手に後退。シュペングラーが2番手、6番手スタートのルーカス・アウアー(メルセデスAMG C63 DTM)も3番手にジャンプアップする。
アウアーとブロンクビストは、1周目終わりでタイヤ交換へと向かう大胆な作戦を採る。代わって3番手にはマルタンが浮上する。
シュペングラーは5周目終わり、マルタンも7周目終わり、ウィケンスも8周目終わりと早めのピット作戦でアウアーに対抗。
9周目の1コーナーでミュラーを交わしたアウアーは、その域沖で前でピットアウトしたマルタン、ウィケンスもオーバーテイク。ピット作業を終えた組ではトップに浮上する。
ウィケンスはスピードが上がらずマルタンにも抜かれ徐々に後退すると、24周目にはレネ・ラスト(アウディRS5 DTM)と接触。このアクシデントでセーフティカーが導入される。
31周目にリスタートを迎えると1コーナーでアウアーがアウトに膨らみ、マルタンがトップに立ち、シュペングラーも2番手に浮上。しかし、シュペングラーはパンクに見舞われ後退。
さらに33周目に大きなアクシデントが起きる。
ジェイミー・グリーン(アウディRS5 DTM)と接触したゲイリー・パフェット(メルセデスAMG C63 DTM)がイン側のウォールにクラッシュ。そのままコントロールを失いマイク・ロッケンフェラー(アウディRS5 DTM)と衝突してしまう。
レースは中断し、パフェットとロッケンフェラーは病院へ搬送。パフェットは打撲、ロッケンフェラーは左足の第5中足骨の軽い骨折と診断された。
30分の中断後、レースは残り25分でマルタン、アウアー、マルコ・ウィットマン(BMW M4 DTM)、マティアス・エクストローム(アウディRS5 DTM)、エドアルド・モルタラ(メルセデスAMG C63 DTM)の順で再開する。
アウアーは1コーナーでマルタンを再びオーバーテイク。しかし、マルタンはしぶとく食らいつき41周目の1コーナーでアウアーを攻略しトップを奪い返す。
マルタンは、そのまま隙を見せずにトップでゴールを迎え、今シーズン初勝利を飾った。
アウアーは残り1分からウィットマンに攻め立てられる。エクストロームも交えた2位争いはファイナルラップまで続くもアウアーが2位を死守。
エクストロームはウィットマンと最終コーナーでサイド・バイ・サイドに。そこをモルタラがイン側から差し3台が並んでゴール。モルタラがわずかに上回り3位を獲得した。
勝利したマルタンは、「3戦連続の表彰台は素晴らしいね。クルマのポテンシャルを最大限に使って今季初勝利を掴むことができた」
「リスタート後に、ルーカス(アウアー)がオーバーテイクするとは思わなかったよ。取り戻すことができてよかった」と喜びを語った。
3戦で2勝と上々のスタートを切るも、ハンガロリンク戦から3戦連続でノーポイントとなっていたアウアーは久々の表彰台獲得でランキングも2位に復帰した。
アウディからメルセデスに移籍後初の表彰台獲得となったモルタラは、「このレースの最後の数メートルはずっと覚えてるだろうね。最後のフィニッシュラインへのダッシュは、クレイジーな感覚だった。前に出ることできて、よりいい気分だよ」とコメント。
4位に入ったエクストロームはランキングトップをキープ。アウアーがランキング2位。第8戦を勝利したマルタンはランキング3位に浮上している。