ロン・デニスが、自身が所有するマクラーレン・テクノロジー・グループおよびマクラーレン・オートモーティブの株式を新たな持ち株会社マクラーレン・グループに売却することが発表された。デニスは2社のチェアマンの座から退くことも決まっており、完全にマクラーレンと袂を分かつことになった。
1980年からマクラーレンに関与してきたデニスは、2016年11月、契約期間終了を待たずにマクラーレン・テクノロジー・グループの会長およびCEOの座から解任された。しかしこの後も、マクラーレン・テクノロジー・グループおよびマクラーレン・オートモーティブの役員および株主の座は維持していた。
マクラーレンは、6月30日、マクラーレン・テクノロジー・グループおよびマクラーレン・オートモーティブの新たな持ち株会社となるマクラーレン・グループが、今後のマクラーレンのビジネスおよびブランドの成長を支えていくと発表。デニスが株式をマクラーレン・グループに売却し、チェアマンの座から退任することも明らかにした。
バーレーン・マムタラカト・ホールディングカンパニーとタググループは今後もマクラーレン・グループの主要株主であること、シャイク・ムハンマド ビン・イサ・アル・カリファがマクラーレン・グループのエグゼクティブチェアマンになることもあわせて発表されている。
デニスが率いていた時代にマクラーレンは158回の優勝、17回のF1タイトル獲得という偉業を成し遂げた。デニスの指揮の下、1984年にはニキ・ラウダ、1985年、1986年、1989年にはアラン・プロスト、1988年、1990年、1991年にはアイルトン・セナ、1998年と1999年にはミカ・ハッキネン、2008年にはルイス・ハミルトンがそれぞれ王座に就いている。
6月1日に70歳を迎えたデニスは、声明のなかで次のようにコメントしている。
「マクラーレンの他の株主との間で合意に達したことを喜ばしく思う。これによりマクラーレンでの私の時代がふさわしい形で終わりを迎えることになる。今後は他の関心事に気持ちを集中していく」
「私がウォーキング(マクラーレン本拠)で過ごした37年間はマクラーレンの歴史におけるひとつのチャプターとみなされるべきであると、私は常々述べていた。マクラーレンがそのストーリーをさらに先へと進めるなかで、大きな成功を収めることを願っている」
今回の株式売却で、デニスは2億7500万ポンド(約400億円)を得る見込みであるとSky Newsは伝えている。デニスは企業や政府相手のコンサルタントの仕事や、チャリティー活動などを続けていくということだ。