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ランボルギーニ・スーパートロフェオ・アジアシリーズ2017 第3戦鈴鹿 レースレポート

2017年06月30日 18:12  AUTOSPORT web

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第3戦鈴鹿レース1 スタートシーン
ランボルギーニ・スーパートロフェオ、伝説の鈴鹿サーキットに上陸
2017年アジアシリーズの第3戦が開幕

【2017年6月24日、東京(日本)】
 ランボルギーニのスリリングな顧客向けGTレースイベント、スーパートロフェオが三重県の鈴鹿サーキットに帰還を果たし、2017年ランボルギーニ・スーパートロフェオ・アジアシリーズ第3戦を行いました。
 
 ベテランと新人ドライバーが入り乱れる刺激的なシングルメイク・シリーズが、鈴鹿を訪れるのは2年連続となります。鈴鹿サーキットは、有名なブリッジとトンネルの立体交差や変化の多い勾配、下り坂の長いストレートなど、ユニークかつハードなコースレイアウトが特徴です。
 
 また、コースを見下ろすように観覧車が建っています。土曜日のイベントには、鮮やかなランボルギーニ車がずらりと並ぶランボルギーニ・カスタマー・パレードが行われ、アド・ペルソナム部門がカスタマイズした車が続々登場。
 
 そのディテールと個性で観客の注目を集めました。ランボルギーニのモータースポーツ部門であるスクアドラ・コルセは、世界を舞台に全4シリーズを開催し、参戦者たちに最もスリリングなレースウィークエンドの提供を目的としています。
 
 アジアシリーズは、大陸全土を回り、各地域を代表する人気レースサーキットを訪れます。アジアチームをはじめヨーロッパや中東のチームの注目を集め、極東で開催されるエキサイティングなレースへの参加を希望するチームが後を絶ちません。
 
 日本でのレースは特に地元チームの関心を惹きつけ、元F1ドライバー中野信治とそのチームメイトでベテランのスーパーGTドライバー井入宏之をはじめ、多数の日本人ドライバーが本ラウンドに参戦しました。

 陽光のもと、日本人チームならではの色鮮やかなカラーリングと美しい仕上がりの数台を含む車両がグリッドに整列しました。
 
 地元でのモータースポーツ人気は高いだけでなく、ランボルギーニ・ウラカンGT3が出走するブランパンGTアジアシリーズの第3ラウンドと同時開催のため、スタンドには多くの観客が詰めかけました。
 
 25度の穏やかな気温と青空、そしてドライなサーキットと、最高なレースコンディション。フォーメーションラップが終わると、いよいよレースがスタート。
 
 グリッド先頭で出走したのは、#11アフィク・ヤジド(クラッツィオ・レーシング)。3周目には、#3ポーランド人ドライバー、アルトゥール・ヤノス(ラザルス・レーシング・チーム)との間に2秒近く、そして3番手の#63影山正美(エンペラー・レーシング)との間に5秒近くの差をつけて独走状態に入ります。
 
 一方、#19のイタリア人ドライバー、エドアルド・リベラティ(エンペラー・レーシング)は、#2オーストラリア人ドライバー、ベン・ゲルセコウスキー(ライパート)を僅差でリードし4番手に着けました。
 
 PRO-AM集団の先頭にして総合6番手には、地元ドライバーの松本武士(ホージャスト・レーシング)が着け、カナダ人ドライバーの#33マックス・エベナルを寄せ付けまいと奮闘します。
 
 集団から数秒遅れ、AMクラストップを走るのは#69インドネシア人ドライバー、アンドリュー・ハリャント(X-ワン・レーシング)。7番手に着けた#12元F1ドライバーの中野信治(ランボルギーニ大阪レーシングチーム)の猛追を受けます。続くは、8番手の#5インド人ドライバー、アルマーン・エブラヒム(FFFレーシングチーム)と、同じく#50オーストラリア人ドライバー、リチャード・ゴッダード(FFFレーシングチーム)。
 
 ともに予選で車のトラブルに見舞われグリッド後方スタートとなったものの、以降順調に順位を上げました。ゴッダードを0.8秒差で追うのが台湾人のAMドライバー、#66ジョージ・シュー。
 
 そのあとをPRO-AMクラスから出場した#37香港人ドライバー、ナイジェル・ファーマー(GDLレーシング)、次に僅差で#74の地元AMドライバー、木村武史(カー・ガイ・レーシング)が追いかける展開に。
 
 フィールドのはるか後方では、タイ人のAMドライバーのサッティラック・ブンチャロエンが、ランボルギーニ・カップ・クラスのタイ人ドライバー、スパチャイ・ウェーラボールウォーンポン(トップ・スピード・レーシング)と、続く17番手のイタリア人ドライバー、ガブリエル・ムローニ(ペトリ・コルセ)をリードします。
 
 4周目、木村はファーマーを抜き去り13番手に浮上。6周目には、エベナルの車にトラブルが発生し、序盤での好調も空しく棄権を余儀なくされました。8周目でピットレーンがオープンすると、一番乗りでピットインを果たしたのがウェーラボールウォーンポン。
 
 9周目にはハリャントがゴッダードを抜き、全体で7番手に上昇。続く数周の間に各チームのドライバー交替が相次ぐなか、PRO部門ではリベラーティ、ヤジド、影山がギリギリまでピットインを遅らせ、それまでのペースを活かす戦略に打って出ました。
 
 ドライバー交替およびピットストップ直後のシェイクダウンを経て15周目に入ると、日本の#11ケイ・コッツォリーノが先頭を独走する展開に。一方、イギリス人ドライバー、#3トビー・ソエリーは、一瞬のすきを突いて#63の金石年弘と同胞のイギリス人である#2ロリー・コリングボーンを抜き、2番手に滑り込みます。
 
 一方、ハリャントも#12井入宏之を抜いて総合7番手に着けました。19周および最終周では、ライパートの#2とエンペラー・レーシングの#63が表彰台の最後の位置をかけて凄絶なバトルを繰り広げ、ファンを熱狂させました。
 
 最終的に、PROクラスを制したのはヤジド/ケイ(クラッツィオ・レーシング)。次いでヤノス/ソエリー(ラザラス)が2位、ゲルセコウスキー/コリングボーン(ライパート)が3位に入賞しました。
 
 AMクラスではハリャント(X-ワン・レーシングチーム)が首位、次いで木村/林(カー・ガイ・レーシング)が2位、ブンチャロエン(トゥルー・ヴィジョンズ・モータースポーツ)が3位に終わっています。
 
 ランボルギーニ・カップ・クラスでは、kボールウォーンポン(トップスピード・レーシング)がムローニ(ペトリ・コルセ)を下して勝利しました。

2017年ランボルギーニ・スーパートロフェオ・アジアシリーズ第3戦
雨に濡れたサーキットでスリルあふれるレース展開で閉幕

【2017年6月25日、東京(日本)】
 熱狂のレースから一夜明け、再び鈴鹿サーキットで表彰台をめぐる闘いに臨みました。午前中、霧雨に濡れたサーキットで繰り広げられたブランパンGTアジアシリーズ第2戦の激しいドラマが幕を閉じると、いよいよウラカン・スーパートロフェオがグリッドに整列。
 
 各チームは事前にウェットタイヤを装着し、ドライバーも待ち受ける難局に向けてトラクションコントロールの設定を調整しました。小雨が次第に激しさを増し、サーキットに雨水が溜まり始めると、一同はスリリングなレースへの覚悟を新たにしました。
 
 20度を少し上回るほどの気温、雲に覆われた空、そして、降りしきる雨。レースコンディションは、昨日とは変わって厳しいものとなりました。サイティング・ラップ2周の後にセーフティ・カーがピットレーン入りし、ついに第2レースが本格スタート。
 
 スロットルがオープンした瞬間に水しぶきが高々と上がり、水が溜まりトラクションの効きにくい難しいコンディションとなりました。
 
 グリッド先頭でスタートした#11地元ドライバー、ケイ・コッツォリーノ(クラッツィオ・レーシング)がフィールドを支配し、セーフティ・カーによるスタートから早々にアドバンテージを得ようと猛攻します。
 
 #3イギリス人ドライバー、トビー・ソエリー(ラザルス・レーシング・チーム)と、#63の金石年弘(エンペラー・レーシング)が続きます。
 
 PRO-AM集団の先頭にして総合4番手には#38の落合俊之(ホー・ジャスト・レーシング)。一方、#74の林裕介(カー・ガイ・レーシング)がAMクラスのトップかつ総合7番手に、ランボルギーニ・カップ・クラスのトップかつ総合14番手にはイタリア人ドライバー、ガブリエル・ムローニが着けました。
 
 54周目には、ケイがソエリーとの差を2秒に広げ、そのソエリーを落合が1秒強で追う展開に。後方では、8番手に着けていた#19の中谷明彦(エンペラー・レーシング)が林を抜いて7番手に上がります。一方、雨足が激しくなるなか、#69AMドライバー、アンドリュー・ハリャント(X-ワン・レーシング)が集団に強力なプレッシャーをかけ続けます。
 
 ハリャントは予選でのスピンによって、第2レースをグリッド後方の15番手からスタートしましたが、続く数周で猛攻し、ムローニを追い抜くと、続いて#59のタイ人AMドライバー、ボビー・サッテイラック(トゥルー・ヴィジョンズ・モータースポーツ)を追い落とします。
 
 さらに、その直後に#66のサムソン・チャン(トップ・スピード・レーシング)と#50のキャリー・シュライナー(FFFレーシングチーム)を抜き去り、総合11番手に浮上。同じころ、予選でのトラブルによりグリッド最後尾でのスタートとなったPROドライバー、ジャック・バーソロミューもフィールドを駆け上がり、ハリャントのすぐ後ろに着けました。

 6周目、ハリャントは#33のミコ・エスケリネン(ライパート)を抜いて10番手に、バーソロミューは数台をごぼう抜きして11番手に上がり、ハリャントを数秒差で追い上げます。
 
 7周目、#12の井入宏之(ランボルギーニ大阪レーシングチーム)は前方を走るイギリス人のドライバー、ロリー・コリングボーンにプレッシャーをかけていたものの、16番ヘアピンターンで不運に見舞われ、グリッドで9つ順位を下げて総合15番手に転落しました。
 
 8周目にピットレーンがオープンしピットストップが始まると、真っ先にシュライナーがピットインし、直後に#77のスパチャイ・ウェーラボールウォーンポン(トップ・スピード・レーシング)も続きます。
 
 さらに雨が激しさを増すと、後半に備えて残りのドライバーも続々ピットインし、ドライバー交替を行いました。12周目、#33マックス・エベナルはトラクションを失うもすぐに態勢を立て直し、#74木村武史(カー・ガイ・レーシング)を抜き去ります。
 
 一方、#66ジョージ・シューは辛くもサッティラックを追い落としました。16周目には、木村がさらに#16中野にもリードを許して順位を下げました。一瞬の差でピットストップに滑り込み損ねた#5アルマーン・エブラヒムは、18周目でストップ・アンド・ゴー・ペナルティーを課され、7番手から12番手に転落する一方、#19エドアルド・リベラルティは、引き続き#2のベン・ゲルセコウスキー(ライパート)を猛追し、ついに20周目で追い抜きました。
 
 かたや、エベナルは奮闘の末にハリャントを追い落としました。熾烈な第1レースを経たファーマーは、またしてもピットストップ違反でレース運営側とトラブルを起こし、20周目でストップ・アンド・ゴー・ペナルティーを宣告されます。
 
 その後、チェッカーフラッグまでにピットレーンから出ることができず、途中棄権となりました。PROクラスを制したのはヤジド/ケイ(クラッツィオ・レーシング)。
 
 次いで2位にヤノス/ソエリー(ラザラス)、3位には影山/金石(エンペラー・レーシング)が2017年ランボルギーニ・スーパートロフェオ・アジアシリーズ出場1週目にして入賞しました。
 
 PRO-AMクラスでは、松本/落合(ホー・ジャスト・レーシング)が優勝、シュライナー/ゴッダード(FFFレーシング)が2位、エスケリネン/エベナル(ライパート)が3位に終わっています。
 
 AMクラスではハリャント(X-ワン・レーシングチーム)が首位、次いで木村/林(カー・ガイ・レーシング)が2位、シュー/チャン(トップ・スピード・レーシング)が3位。
 
 最後に、ランボルギーニ・カップ・クラスでは、またしてもウェーラボールウォーンポン(トップ・スピード・レーシング)がムローニ(ペトリ・コルセ)を下して勝利しました。
 
 鈴鹿を舞台に開催されたレースウィークエンドは、今シーズンのスーパートロフェオ・アジアシリーズ全6戦の3戦目に当たります。次なる第4戦は富士スピードウェイ、第5戦は上海インターナショナル・サーキット、第6戦とワールドファイナルは、イモラのアウトドローモで行われます。
 
 アウトモビリ・ランボルギーニの本拠地でもあるイタリアのボローニャ地方にあるイモラ・サーキットでは、スーパートロフェオ・アジア、ヨーロッパ、北米シリーズの最終決戦となるワールドファイナルが実施され、各シリーズの覇者が世界の表彰台の頂点をかけて闘います。
 
 レースウィークエンドが閉幕した今、ドライバーならびにチームは、早くも8月19、20日に富士スピードウェイで開催予定の第4戦に向けて士気を募らせていることでしょう。
 
ランボルギーニ・スーパートロフェオ・アジアシリーズ2017レースカレンダー
セパン(マレーシア) 4月8~9日
ブリーラム(タイ) 5月20~21日
鈴鹿(日本) 6月24~25日
富士(日本) 8月19~20日
上海(中国) 9月23~24日
イモラ(イタリア) 
ワールドファイナル
イモラ(イタリア) 11月18~19日