ダニエル・リカルドが好成績をあげた結果、マックス・フェルスタッペンのメカニカルトラブルに対する不満が増していると、レッドブルF1チーム代表のクリスチャン・ホーナーが述べている。
前戦アゼルバイジャンGPをエンジントラブルでリタイアしたフェルスタッペンは、リタイアするまでは4番手を走行していた。一方チームメイトのリカルドは混乱したレースの状況を活かし、チームに2017年シーズン最初の優勝をもたらすとともに、自身も4戦連続となる表彰台獲得を成し遂げた。
バクーでのリタイアはフェルスタッペンにとって今季3度目のメカニカルトラブルであり、これまでの6戦のうち4戦をリタイアしたことになる。
今シーズン、レッドブルは走行周回数が最も少ないチームとなっており、最多のフォース・インディアの965周に対して685周にとどまっている。フェルスタッペンは、自分のマシンは少なくともシミュレーター上では信頼性があると冗談めかして話していた。
フェルスタッペンは日曜日のレース後、「話をする気分ではなかった」としてメディアの取材に答えなかった。
リカルドは運に恵まれて勝利をつかみ、ドライバーズ選手権では両者の間に47ポイントもの差がついている。こうした状況でフェルスタッペンが「極めて大きなフラストレーション」を抱えていることは理解できると、ホーナーは言う。
「彼はいま非常に大きなフラストレーションを感じている。だがその内容は、チームメイトは表彰台を獲得し続けていて、さらには優勝したということに対してなんだ」
「しかしそれはチームが失敗したからでもなければ、努力を注いだ作業の結果でもない」
エンジントラブルについてはいまだ調査中だが、このトラブルがなければフェルスタッペンは優勝できていただろうことに、ホーナーは疑問を抱いていない。フェルスタッペンはルイス・ハミルトン、セバスチャン・ベッテル、セルジオ・ペレスの後ろを走行しており、後にこの3人はトラブルに見舞われている。
フェルスタッペンはカナダGPでも素晴らしいスタートを切って表彰台圏内を走行していたものの、バッテリートラブルでリタイアとなった。結果は振るわないものの、運はこれから向いてくるとホーナーは信じている。
「彼はここ何戦かで厳しいレースを経験し、望みどおりとは言えない状況にある。だが私は、彼がもうすぐ大きな結果を出すだろうという感触を得ている」
「現時点で彼のドライビングは素晴らしいし、一段と良くなってきている。不運が続いたが流れは変わる。いつだってそういうものなんだ」
フラストレーションのあまりマシンのコントロールを失うような恐れはないかと尋ねられて、ホーナーは次のように答えた。
「公正を期して言うが、彼はそのようなことはしない。バクーに来てからというもの、週末の間はずっと好調だった。非常に優れた走りをしていて、第2セクターでは特に素晴らしかった」
「だから、そんなことになるとは思わない。彼は非常に成熟した19歳だ」
「成功に飢えているのは明らかだ。本人もそう感じているだろうし、それは良いことではないだろうか」
「彼はこのとてつもなくフラストレーションが溜まる経験によって成長し、より強くなって開花するだろう。私はそのことに何の疑いも抱いていない」