トップへ

F.C.C. TSRホンダ EWC第4戦スロバキアリング8時間耐久ロードレース レースレポート

2017年06月30日 13:32  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

F.C.C. TSRホンダ EWC第4戦スロバキアリング8時間耐久ロードレース レースレポート
スロバキア8時間耐久ロードレース
トラブルにより大きく順位を落とし21位でフィニッシュ!
ランキングも6位に後退

 スロバキアリングのレースは、日を追う毎にライダーたちのタイムも上がってきた。特にジョシュは予選初日木曜日のナイトセッションで2分4秒9まで上げると、金曜日の最終予選ではそれをさらに上回る4秒369、オールオーバーで3番目のタイムをマークした。

 そのジョシュはスタートライダーを務めることになった。またチームのレースプランでは、8回ストップの9スティント各24~6周で戦略が練られ、そのうちジョシュが半分以上の5スティントを担当することになっていた。要するに若くて一番元気でかつタイムも抜群、ということになる。

 ジョシュは好スタートを切り、早速2番手にポジションアップ、3周目にトップに浮上、その後は後方から迫ってきた同郷のブロック・パークスと共にテールtoノーズの軽やかなポジション争いを展開し、序盤のレースを盛り上げて、場内を沸かせた。

 予定通りダミアンにトップでスイッチ、ポジションは3番手に落としたが、依然としてポジションをキープして再びジョシュに交代してトップを追う。ガソリンがフルタンク+新品タイヤでなかなかペースの上がらなかったジョシュだが、再びペースアップして周回を重ねる。

 その後のグレッグも3番手をキープして走行。しかし、グレッグの後半から明らかにタイムが落ち、エンジンから異音が認められたことから、次回の交代でガソリンタンクを交換する作業を行いジョシュに交代した。この時点、約100周3時間半経過の17時過ぎで7番手まで後退。

 しかし、原因はそれではなかったため、急遽ジョシュが数周した後に再び緊急ピットイン。徹底的な原因究明をすべくピット内ではチームクルー総出でマシンを解体。

 1時間弱の作業で原因が特定されてダミアンが再度コースインしたのが18時10分頃。順位は走行している車両の最後尾、26位まで滑り落ち、このレースでの表彰台はおろか、鈴鹿8耐での逆転チャンプの可能性まで無くなってしまった。

 トラブルの原因は、点火系コードの断線という思いもかけないもの。レースはすでに折り返しを過ぎて5時間を経過しようとしている。それでも、その時その場所にいなければ、結果を残すことはできない、という当たり前の思考で諦めることなく、残り時間の先にあるゴールを目指してチーム全員が取り組んだ。

 中でも衆目を集めたのがやはり今回もジョシュだった。走行に臨み「最速タイムをマークしてみせるよ」とコメントを残したジョシュが、実に162周目に2分4秒753というレースファステストラップにして、スロバキアリング初開催のEWCニューレコードを記録した。

 EWCの歴史に名を刻んだことになる。ジョシュは決勝日朝に行われたフリー走行でもあわや3秒台突入か、と興奮させるサーキットレコードをブレイクする4秒077をマークしており、決勝レースでもその自信に手応えはあったのだろう。

 そしてその後はグレッグ、再びジョシュとつなぎ、最後のフィニッシュ担当はダミアンが務め、8時間、201周、トップ差22周という結果でフィニッシュした。残念ながら鈴鹿8耐での逆転チャンプに必要なポイントを得ることはできず、それどころか下位チームに逆転を許し、ランキングは6位ヘと後退することになった。

藤井正和総監督のコメント
「目標である優勝を含めた上位入賞は儚く消え去ってしまった。もちろん、これが今の実力だと認識しているが、トップグループと組み合い、あるいはそれを上回る実力はあるということは確認できたし、今回までに様々に手を加えてきたマシン造りには大きな手応えや可能性を感じている」

「この先はもちろん鈴鹿8耐に向けて再び態勢を整えて臨むわけだが、さらにその先を見据えて活動を継続できる方法を同時に模索している。すでに次のシーズンは始まっている。我々はレース活動を続けるために、結果を出し続けなければならない」