トヨタ勢最上位につけたヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC) 6月29日に開幕したWRC世界ラリー選手権第8戦ポーランド。この戦いに3台のトヨタ・ヤリスWRCで挑むTOYOTA GAZOO Racing WRTは、SS1を終えてヤリ-マティ・ラトバラが総合4番手、エサペッカ・ラッピが総合6番手につけた。ユホ・ハンニネンはタイムペナルティを受け、34番手となっている。
シリーズ屈指の高速グラベル(未舗装路)イベントであるラリー・ポーランド。ここ数日、大会が行われるポーランド北東部のミコワイキ周辺では強い雨が降っており、その影響で29日(木)朝のシェイクダウンは路面がぬかるみ、滑りやすいコンディションで行われた。
競技初日もミコワイキの天候は安定せず、強い雨が降ったためセレモニアルスタートは中止。しかし、その直後のSS1は予定通り、現地19時からミコワイキ・アリーナで2台が同時に走行するスーパーSSとして行われた。
不安定な天候にも関わらず、WRCの迫力を体験しようと会場には多くのファンが集結。彼らが見守るなか、トヨタ勢は滑りやすい難コンディションを慎重な走りで駆け抜けた。
エースのラトバラは陣営トップの4番手タイムを記録。若手ドライバーのラッピはエンジンに不調を抱えながらも6番手タイムを叩き出した。
残るハンニネンもステージ11位とまずまずの走りをみせたが、スタートでフライングがあり10秒のタイム加算。総合34番手までポジションを落として初日を終えた。
■「勝負はスーパーSSで決まらないから、大きなリスクを背負うべきではない」
「シェイクダウンでは、スピード域が高いコースに向けて主にエンジンに関する準備を進めてきたが、すべて計画どおり」と語るのは、チーフエンジニアのトム・フォウラー。
「夜に行われたスーパーSSは雨でとても滑りやすかったため、我々のドライバーは皆、注意深く走行した。勝負はスーパーSSで決まるわけではないから、大きなリスクを負うべきではない。ラリーの本当のスタートは明日だからね」
「エサペッカ(・ラッピ)のクルマに発生した問題に関しては原因をほぼ把握しているので、明日のスタート前のサービスで解決を試みる」
ラトバラは「スーパーSSのスタートでは小さなミスをしたが、クルマのフィーリングはよくなり、順位もいい位置につけられた。明日以降が楽しみだ」とコメント。
ラッピも「スーパーSSではエンジンに小さな問題が発生したけど、エンジニアは明日のスタートまでにきっと問題を解決してくれる」としたほか、ハンニネンは「ジャンプスタートにより10秒のペナルティを受けてしまったのは残念だけど、遅れを取り戻せるように明日以降頑張りたい」と語った。
30日(金)の競技2日目はサービスパークを起点に、ミコワイキの東側エリアで9SSを実施。このうちSS2~9はグラベル中心のステージ、SS10はSS1と同じコースでスーパーSS形式で行われる。