レッドブルF1チームのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、2017年F1シーズンの終わりまでにはレッドブルが実力で勝利を飾ることができると自信を持っている。
先週末のアゼルバイジャンGPでダニエル・リカルドはチャンスを生かしてレッドブルにとって今年初めてとなる優勝を獲得した。ルイス・ハミルトンはヘッドレストが緩み、セバスチャン・ベッテルはペナルティを科され、キミ・ライコネンとバルテリ・ボッタスは接触事故を起こすという状況が有利に働いたのだ。
しかし、それより前にもレッドブルはバクーで今シーズン一番の力強さを見せていた。金曜日のフリー走行では2回ともトップタイムをマーク、レースでもマックス・フェルスタッペンは序盤にエンジントラブルが起こるまでは4番手を走行していた。
リカルドは、デブリ(コース上に落ちていたパーツの破片、ゴミ)がマシンに入り込んだせいで早い段階で1回目のピットストップをしたため、17番手まで順位を落としたが、そこから順位を挽回して勝利をつかんだ。
「これは本当に重要なことだ。シーズン当初はとても酷かったが、今では我々は改善したのだ」とマルコは語った。
「それを予選では証明できなかったが、我々はとても速いことは分かっていた」
「ダニエルはエクストラ(パワー)を使うことなくセーフモードで走行していた。マックスに起こったことを考えて慎重にいった」
「方向性は合っているから、相性の良いサーキットでは自力で勝てることを願っている」
「5位からのスタートなら優勝できるかもしれないと思ったけれど、まさか10番手からスタートして、17位まで落ちてから追い上げて優勝するなんてことがあるだろうか?」
「我々には常に強さがあった。彼(リカルド)はこれまでの4戦のように非の打ち所のないレースをし、我々はライバルたちに匹敵するスピードを引き出していた。だから彼らは追いつけなかったのだ」
「我々のシャシーは優れているし、アップデートも投入している。ルノーもエンジンの改善に取り組んでいる」
フェルスタッペンは前戦カナダGPでも、レース序盤のメカニカルトラブルが原因で上位のポジションからリタイアする羽目になった。マルコはフェルスタッペンがフラストレーションを抱えていることを認めた。
「マックスが活躍できる時はいずれ訪れる。ただ待つ必要があるだけだ」とマルコ。
「彼はこれで6戦中4レースをリタイアしたことになる」
「とても辛いだろうし、チームメイトが優勝するところを見ては心穏やかではいられないと思う」
詳細は本格的な調査を行うまでは分からないが、マルコは、デブリがフェルスタッペンのマシントラブルの原因かもしれないと述べている。
「信じられないことだ。リカルドのブレーキダクトに何かの破片が入り込んでピットストップさせなければならなかった。マックスのマシンには冷却系に大きな破片があった。もしかするとこれが取り除かれる前にオーバーヒートしてしまったことが、エンジントラブルの原因だったのかもしれない」
「大きなカーボンファイバーのパーツだった。残念ながらそれを取り除けたのは3周後のことだった」
バクーでは外的要因が大きく働いたのかもしれないが、信頼性の問題はレッドブルとトロロッソの双方に懸念を残している。
「これを克服しなければならない。文句を言っていても解決しない」とマルコは語った。
「ルノーとともに現状をどうしたら改善できるか議論を行っている」
「彼らとはいつもレースについて月曜日に情報交換をするのだが、今以上に緊密に小さな問題にも取り組む必要があるだろう」
「我々とだけではなく、それはトロロッソとルノーの間でもだ。同じ問題が二度と起こらないようにするためにもそれが必要だ」