WTCC世界ツーリングカー選手権のドライバーたちは、第5戦ポルトガルで初導入された“ジョーカーラップ”を支持している。
WorldRX世界ラリークロス選手権形式の“ジョーカーラップ”は、コースの一部に大回りの別ルートを設け、各ドライバーに1度の通過義務を課すことでオーバーテイクを促すもの。
2017年のWTCCレギュレーションでは、大まかな設置条件に加え「市街地サーキットでのみ運用される」と記載されている。
当初は4月の開幕戦マラケシュで導入される予定だったが、政情の不安定さなど諸事情で導入されず。先週末のポルトガルラウンドで初登場した。
そのポルトガルでは各チームからコースに合流する際の速度差などに懸念が出され、決勝レース前にレイアウトが変更される場面もあったが、ドライバーたちからジョーカーラップを支持する声が挙がっている。
ホンダのティアゴ・モンテイロ(ホンダ・シビックWTCC)はオープニングレースでジョーカーラップの恩恵を受けたドライバーのひとり。4番手走行中にジョーカーラップを走行し、その後は後方から猛追。ライバルがジョーカーラップを通過する間に、ポジションをふたつ上げ、2位表彰台を獲得した。
モンテイロは、ジョーカーラップをシリーズにうまく取り込んだとオーガナイザーを賞賛する。
■「ジョーカーラップがなければ表彰台獲得は不可能だったかも」
「(オープニングレースは)7番手、(メインレースは)4番手からのスタートだったから、できるだけのポイントを獲得したかった」とモンテイロ。
「このようにオーバーテイクが難しいコースで両レースとも表彰台に立つことは、ジョーカーラップがなかったら不可能だったかもしれない」
「とてもうまくいっていた。運営陣や(オーガナイザーの)ユーロスポーツ・イベント、(WTCCのトップ)フランソワ・リベイロ、サーキットとヴィラ・レアルには、このような短期間でジョーカーラップを実現してくれたことを感謝したい」
「簡単なことではなかっただろうし、彼らは遅くまで実施に向けた調整を行なっていた。最終的に結果は大変素晴らしかったと僕は思う」
「少なくとも僕には成果があった。オープニングレースでは間違いなくね。メインレースでは有利に働くことはなかったが、何も失っていないし、小さなプラスがあったと思う」
モンテイロに続いてレース1でジョーカーを通過したボルボのテッド・ビョークは次のように述べた。
「ジョーカーラップはとても良く機能していたよ」
「非常に短い期間で導入された。彼らは実現しようと戦って推し進めたんだ。僕たちにとっては本当にうまくいったよ。より戦術的で、考えることが多くなるんだ」
「新しいことを始めるときはいつも少し不安になるものだし、それが普通だよ。それにとてもうまくいったんだしね」