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ラトバラ「事前テストでマシンの安定性が向上」/WRC第8戦ポーランド事前コメント

2017年06月28日 17:42  AUTOSPORT web

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ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)
6月29~7月2日に行われるWRC世界ラリー選手権第8戦ポーランドに向けて、参戦するドライバーたちが意気込みを語った。

 ここ数戦のグラベル(未舗装路)ラリーとは異なり、ハイスピードなバトルが繰り広げられるラリー・ポーランド。シリーズ最速のイベントである次戦の第9戦フィンランドに向けても重要な1戦と言える。

 ラリーは29日(木)にポーランド北東部、マズールィ地方のミコワイキで開幕。全長2.5kmのSS1は2台のマシンが同時に走行するスーパーSSとして行われる。

 翌30日(金)から本格的なグラベルラリーが幕を開ける。30日はSS2~10が、7月1日(土)はSS11~19が、最終日の2日(日)はSS20~23が行われる。このうちSS10とSS19も、SS1と同様のスーパーSS形式だ。

 最上位クラスはMスポーツ、ヒュンダイ、シトロエン、トヨタの全チームが各3台ずつのエントリー。このうちシトロエンはエースドライバーのクリス・ミークが欠場となり、代役としてアンドレアス・ミケルセンが7号車シトロエンC3 WRCをドライブする。

 そのほか、最上位クラスにはマッズ・オストベルグとティーム・スニネンらプライベートチームが5台エントリーしている。

Mスポーツ/ヒュンダイ陣営のコメントはこちら
シトロエン/トヨタ陣営のコメントはこちら




■Mスポーツ
●セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)
「ラリー・ポーランドはどのドライバーも楽しみにしているイベントだよ。ペースもとてつもなく速いし、高速セクションでは素晴らしい興奮を味わえる。今年の新型WRカーによって、その速さも増すしね」

「ポーランドでは、これまで2度優勝して、いい思い出があるけど、去年は先頭走者で“掃除役”を務めたから最悪のイベントだった」

「今シーズン、僕たちが望んでいるのはチャンピオンシップをリードすること。ただ、金曜日がドライになれば、いくらか不利になるからタイムロスを抑えるよう努めなくてはいけないね」

「このイベントでは、一度失ったタイムを取り戻すのは簡単なことではないけど、全力を尽くす。エストニアでの事前テストではマシンに好感触を得られた。幸先はよさそうだ」

「プッシュして、ラリーに全力を捧げる準備はできた。チャンピオンシップでリードを維持することが、最優先事項になる。リードを広げられたら、いい週末になるね」


●オット・タナク(フォード・フィエスタWRC)
「誰もが知っているように、ラリー・ポーランドは僕の1番好きなラリーのひとつだ。ステージはかなり高速で流れるように走れる。それが楽しいんだ。僕が育ったエストニアと同じような道だからね」

「今年の新型WRカーなら、その興奮をさらに味わえるだろう。待ちきれないよ!」

「このイベントはドライバーラリーなんだ。速度域が高いから絶対的な自信がなくてはならない。ペースノートも完璧でなければならないし、わずかなためらいがスピードとタイムを失うことにつながる。こういった高速ステージでは取り戻すのが非常に難しいことだ」

「過去に好成績を出しているから、多くの人々から注目されているのは分かっている。ただ、今年の大会がどうなるかは予想がつかないよ。3番手出走はベストな走行順ではないだろうけど、エストニアではいいテストができたから、かなりポジティブに考えているよ」

「マシンには、いいフィーリングが得られたから、結果がどうであろうとこのラリーのすべてを楽しめるはずだ。表彰台はいつでも最低限の目標だよ。戦う準備はできている」

●エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)
「ラリー・ポーランドが本当に楽しみだよ。(前戦の)ラリー・イタリア・サルディニアは必ずしも計画通りに行ったとは言えないけど、態勢を立て直すことができたから、来週はいい結果が出せると思うよ」

「ポーランドのステージは信じられないほど高速だから、自信を持つことが重要だ。先週エストニアでテストをして、いいセットアップも見つけた。それが今回のラリーに向けて大きな後押しとなるはずだ」

「テストで走った道は、ポーランドの代表的なコースコンディションと似ていて、走行距離を稼ぐことができた。準備万端といった気分さ」

「今回のラリーを楽しみにしている。多くのドライバーもそう思っているはずだけどね。シリーズのなかでもハイライトと言える1戦だからね」

■ヒュンダイ/ヒュンダイ・モータースポーツ
●ヘイデン・パッドン(ヒュンダイi20クーペWRC)
「(前戦の)ラリー・イタリア・サルディニアでの僕たちのパフォーマンスは、自分たちの本当の実力を表していた。あのような形でリードを失ってしまったことは残念だったけど、立ち直らなければならない」

「ポジティブな面に集中することに決めているし、最近のラリーではポジテイブなことが多いんだよ。ラリーの合間にニュージーランドへ帰ってしばらく過ごしたら、集中力が高まったようだ」

「ポーランドは間違いなく僕の好きなラリーのひとつだよ。シーズンのなかでももっとも高速なイベントのひとつだ。もちろん力の限り速くドライブするのが気に入っているんだ!」

「マシンはステージのコンディションにあっていると思う。いつものようにラリーをとても楽しみにしているし、100パーセントの力をぶつけるつもりだ」

●ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)
「ポーランドのラリーはステージの流れが気に入っていて、とても楽しんでいる。危険なコーナーはそれほど多くないし、各ステージはとてもオープンだ。ほんの少し勇気を出して、少しだけリスクを受け入れればいい」

「このコースはスピードが素晴らしいから、とても楽しいよ。でも同時に自分たちにはやるべき仕事があることを分かっているし、チャンピオンシップ争いにとどまるためにできる限りしっかりと突き進んでいきたい」

「もうシーズンの後半戦に入ることになる。これからはあらゆる瞬間、あらゆる判断が重要さを増してくる」

●ダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)
「ラリー・ポーランドの平均速度を考えると、ペースノートの正確さは極めて重要になってくる。いくつかのコーナーでは、ほんの小さなミスでさえ、大きくタイムを失うことにつながりかねない」

「本当に高速の争いになるから、ミスを許してくれるような余地はない。イベントとしては、全体的に雰囲気がよく、大勢の観客が見えるから楽しいラリーだよ」

「(前戦の)ラリー・イタリア・サルディニアでは、まずまずの結果を残せたから、ポーランドではその勢いを維持するよ!」

■シトロエン/シトロエン・レーシング
●アンドレアス・ミケルセン(シトロエンC3 WRC)
「先週、僕たちはとても充実したテストセッションを行った。2日間、ラリー・ポーランドのコースに似た道路を走行して、自分のドライビングスタイルに合うセットアップを決めた」

「もちろんやるべきことはまだあるけれど、クレイグ(・ブリーン)もステファン(・ルフェーブル)もセットアップに満足していると思う」

「ポーランドは僕のお気に入りのラリーだ。2014年と2015年大会では総合2位に入り、2016年には優勝したんだ。あのコースでは自信を持てる。ドライバーとして全力で挑む必要があるけどね」

「(前戦の)ラリー・イタリア・サルディニアでマシンについて学んだ後だから、今回は上位で戦えたらと思っている。天気や埃、出走順のような多くの要素が結果に影響してくるけど、すべてがうまく行って、表彰台に上がることを望んでいるよ」

●クレイグ・ブリーン(シトロエンC3 WRC)
「(ラリー・イタリア・)サルディニアのようなラフで曲がりくねった道の後だから、事前テストでは高速で流れるようなラリー・ポーランドのステージに向けて、自分自身を調整した」

「アンドレアス(・ミケルセン)がテストでいくつか新しいアイデアを探っていて、それが正しい方向に機能すると思う。すべてを最初から学ぶ必要のないところでラリーに参戦できるのが嬉しいよ」

「2016年、このラリーは僕のシーズンにおけるターニングポイントのようなものになったんだ。このポーランドが次のフィンランドで表彰台を獲得する基礎を築いた場所になった」

「過去3回のラリーよりもずっと自信を持っているし、ここではペースを上げることができると思う。総合5位が続いたから、表彰台へもう少し近づきたいね」

●ステファン・ルフェーブル(シトロエンC3 WRC)
「アンドレアス(・ミケルセン)やクレイグ(・ブリーン)が言うように、僕たちはテストで進歩を遂げることができたと思う。ラリー・ポーランドは大好きだ。シリーズを問わず、この3年ほど僕はここで好ペースを刻んでいる」

「昨年は嬉しいことに、ここでWRCで初めてのステージ優勝を果たした。ポイントリーダーたちもステージ1位を争うなかでだよ。僕はここでのドライビング法を知っているし、テストセッションでさらに自信がついた」

「各ステージは(次戦のラリー・)フィンランドと似ているけど、道幅がより狭くて、路面が柔らかい。野原を抜けるとても長いセクションがあって、とても速く走れるけど、その代わり目印になるものがほとんどないんだ」

「僕の目標は完走し、ここ数戦、不甲斐ないリザルトが続いている現状に終止符を打つことだ」

■トヨタ/TOYOTA GAZOO Racing WRT
●ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)
「エストニアでは、ポーランドに向けた、とても良いテストができた。テストでは雨の走行も行なったけど、ポーランドでは去年も最終日に雨が降り、今年のラリー期間中も暑い日が続いた後には降雨の可能性があるから、とても有効だったと思う」

「テストでは主にダンパーの改善を進めた結果、特にクルマの安定性の向上に手応えを感じた。我々はフィンランドのハイスピードな道でヤリスWRCの開発テストを続けてきたから、速度の高いポーランドの道との相性は良いと思っているよ」

●ユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC)
「しっかりと準備をして臨んだ、前戦ラリー・イタリア・サルディニアではクルマの進化に満足した。我々のクルマは、速度の低いラリーよりも、高いラリーのほうが合っていると思うから、ポーランドに関しては自信を持っている」

「速度の高いラリーではセットアップをあまり気にせず、運転に集中することができる。テストでは、これまでも改良を続けてきたサスペンションにさらに変更を加え、良い反応を得られたよ」

「グラベルラリーで問題となる出走順に関しては、サルディニアほどは大きな差が出ないと思うけど、それでも金曜日は重要な1日となるだろうね」

●エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)
「ラリー・ポーランド前に行なったテストは、僕たちにとって、とても意味のあるものだった。低速なサルディニアのコースとはまた違う、アクセル全開のハイスピードな道で経験を積むことができたからね」

「実際のポーランドの道は路面が少し砂状で軟らかいと思うけど、それでもテストで走った道との共通点は多いと思う。サルディニアでは良い結果を得ることができたが、ポーランドの道は性質がまったく異なるので同じような結果が出せるかどうか、わからない。それでも全力を尽くすよ」

「ミスのない走りを続け、トラブルなくフィニッシュを目指し、できるだけ多くの学びを得たいと思っている」