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ロータスカップ・ジャパン2017 第3戦富士 レースレポート

2017年06月28日 11:22  AUTOSPORT web

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ロータスカップ・ジャパン2017第3戦富士 スタートシーン
ロータスカップ・ジャパン2017第3戦レースレポート

 JAF日本自動車連盟公認レース「ロータスカップ・ジャパン」、2017年シーズン第3戦が6月25日(日)に静岡県・富士スピードウェイで開催された。
 
 ロータスデイ内でエキシビションとして開催された開幕戦以来の富士ラウンドには、クラス1が12台、クラス3が2台と合計14台がエントリーを果たした。
 
予選(9:00~9:20)
 富士は多くのドライバーにとって練習走行などで訪れることが多い、いわゆる”ホームサーキット”。
 
 今回、賞典外のゲストドライバーとして、モータージャーナリストの清水和夫が参戦する。「スプリントレースは久しぶりですが、頑張ります」と、清水は意気込みを語る。
 
 天候は朝からあいにくの雨、ウエットコンディションのもと午前9時に20分間の予選がスタートした。開始早々、2分13秒台に入る2'13.231を記録したのは、現在ポイントリーダーの長谷川憲幸だった。
 
 草野誠二、新井雅貴のふたりも13秒台のタイムを並べ、その後方では2分14秒台で滑川真央、荒田良浩、清水和夫が続く。上位3人の接戦からいち早く抜け出したのは草野だった。「ウエットはあまり得意ではない」と語りながらも、2'11.852と長谷川のタイムを1秒以上も縮めてみせる。
 
 それでも長谷川は慌てていなかった。雨が止み、路面が乾き始めたセッション後半、2'11.323と草野のベストを更新。直後に新井も2'11.394で2位に飛び込み、すでにピットに戻っていた草野は3番手まで順位を落としてしまった。
 
 予選終了間際に2'12.102を叩き出した荒田が4番手、以下、滑川、飯田敏雄、清水のオーダーで予選を終えた。また、開幕戦以来の成立となったクラス3は、予選開始直後に2'26.603を記録した秋葉有一が、大屋彰利を抑えてクラストップを手にしている。
 
Class1
予選1位 #8長谷川憲幸選手
「必死でしたね。路面が乾いてきていたので、最後にタイムを上げることができました。今年仕様のマシンでウエットコンディションを走るは初めてになります」

「練習という意味もあって、長めに走ったのが良かったのかもしれません。決勝は天候も分かりませんし、2位ともかなり僅差です。逆にレースを楽しめたらと思っています」

予選2位 #36新井雅貴選手
「これだけ僅差だったので、結果的にもう少しアタックすれば良かったかもしれません。コンディションは少しずつ良くなってきましたが、気を抜くとすぐにスピンしてしまうような状態でした。長谷川選手はスタートが上手いので、自分としてはとにかく無事にスタートできるように頑張ります」

予選3位 #55草野誠二選手
「雨を苦手にしているので、ウエットコンディションの割には悪くない走りができたと思います。2番手につけたかったのですが、少し惜しかったですね」

「最後にアタックをかけたのですが、1コーナーでミスをしてしまいました。もう1周する時間もなかったので、そのまま予選を切り上げてピットに戻りました。決勝は晴れてくれたら、なんとかなると思うのですが……。雨だと分が悪いかもしれません」

予選7位 #2清水和夫選手(ゲストドライバー/賞典外)
「今回、金曜日からしっかり練習をして挑みましたが、予選の順位は少し悔しいですね(笑)」

「普段から走っている皆さんは、やはり速いですね。細かいコンマ1秒の積み重ねで差がついた印象でした。しっかりタイム出すには、もっと学ばなけれならないですね。マニュアルミッションでミッドシップのリアルスポーツカーは、現在なかなかありません。このようなクルマでしっかりドライビングを学ぶべきだと改めて思いました」

Class3
予選1位 #16秋葉有一選手
「雨が降っていたので、1周だけアタックしてピットに戻りました。もう少し行けたと思うんですが、無理しても仕方がないので……。できれば、決勝はドライになってほしいですね」

決勝レース
 LOTUS Cup Japan第3戦決勝レースが、6月25日(日)に富士スピードウェイの10周で争われる。午後に入り、依然として弱い雨が降っているものの、路面は少しずつ乾きつつある。
 
 午後2時50分、フォーメーションラップでトラブルに見舞われてピットスタートとなった清水和夫を除いた13台が一斉にスタートした。
 
 ポールの長谷川憲幸は抜群のホールショットを決めるが、2番グリッドから好スタートを決めた新井雅貴が2コーナーで並ぶと、そのままパス。
 
 しかし、ペースを上げて長谷川を引き離そうとした新井だったが、ネッツコーナーで縁石に乗りまさかのスピン。これで新井は6番手までポジションを落とし、労せずして長谷川が首位を奪還した。
 
 後方では、荒田良浩がスタートで出遅れた草野誠二を抜いて3位に浮上したものの、2周目のストレートで草野が再逆転。乾きつつある路面でさらにペースを上げた草野は、コンスタントに1分58~59秒台のタイムを刻み、前を行く長谷川との差を詰めていく。
 
 そして、6周目のダンロップコーナーで長谷川をアウト側からパス。長谷川もなんとか抵抗を試みるが、もう一段階ギヤを上げた草野が長谷川との差を広げてフィニッシュ。
 
 エキシビションとして行われた開幕戦に続き、富士2連勝を飾った。荒田、飯田敏雄、新井による3位も白熱を極める。ペースが上がらない状況でなんとか3番手を守っていた荒田だったが、5周目に入ると飯田と新井に相次いで抜かれ、5位に順位を落としてしまう。
 
 「後ろでバトルが続いてくれたおかげで、なんとか逃げ切れた」と振り返った飯田が、嬉しい3位表彰台を獲得。
 
 以下、スピンから4位まで戻した新井、5位に荒田、6位に滑川のオーダーで続く。
 
 クラス3は予選トップの秋葉有一が上位クラスを凌ぐ走りを披露。大屋彰利を従えて、クラス1位でフィニッシュしている。

Class1
優勝 #55草野誠二選手
「スタートの段階で雨が止んで、ほぼドライになってくれて助かりました。今回もスタートで失敗して、抜かれてしまいました。なるべく速くリカバリーしないと、後半勝負できないので、300Rかストレートが勝負だと思っていました」

「ストレートで抜いて3位に上がったら、1位の新井選手がスピンしたので、2位に順位を上げられたのはラッキーでした。あとはトップの長谷川選手だけをターゲットに走りました」

「今回は本当に練習をしたので、ドライになればタイム的にはトップを出せると考えていました。本当に路面が乾いてくれてよかったです。前回負けてしまったので、今回の勝利を次につなげたいです」

2位 #8長谷川憲幸選手
「完敗でした。無難にスタートしたのですが、ドライビングが少し守りに入っていたかもしれませんね。新井選手がスピンした後、草野選手との差がそれなりについていたので、少し油断してしまったのはあるかもしれません」

「草野選手とは練習の差だったと思います。素晴らしい走りでした。やはりこのレースはそんなに甘くないですし、次の菅生に向けてしっかり走りこまないといけませんね」

3位 #47飯田敏雄選手
「とても楽しいレースでした。激しいバトルでしたが、まったく覚えていないくらい一生懸命に走りました。3位に上がった後は、後ろでバトルしてくれたことで、少しずつ引き離すことができました。路面は乾きつつありましたが、滑るところもあったので少し怖かったです」

4位 #36新井雅貴選手
「今日は新しく投入したサスペンションもあって、気持ち良く乗れていたんですが、ネッツコーナーで縁石に乗ってしまいました。ここのコーナーは相性が悪いようです。なんとか修正しようとしたんですが、スピンしてしまいました。すごくいいリズムで走れていたので、引き離そうとしていたのですが……」

#2清水和夫選手(ゲストドライバー/賞典外)
「エンジンのスタートの手順を間違えてしまって、ピットスタートになりました。コンディションはほぼ乾いていて、気持ち良くレースできました」

「一番後からでも、こうやってひとつのレースを走り切るのは楽しかったです。いつも参戦している皆さんは、細かくクルマを煮詰めていることもあってとても速かったです」

「このマシンのドライビングに関して、自分自身の課題も見つかりました。またこういった機会があったら、もっと長い時間ドライブしたいですね」

Class3
優勝 #16秋葉有一選手
「雨が微妙だったのですが、降らないままレースが終わってくれたので良かったです。前の方が荒れていたので、巻き込まれないように注意して走りました。次の菅生は大好きなサーキットなので、楽しみにしています」