6月24~25日に行われたWTCC世界ツーリングカー選手権第5戦ポルトガルのフリープラクティスで、トム・コロネル(シボレーRMLクルーズTC1)がコースオフし消防バンに激突する大クラッシュがあった。この際、マシンには25G近い衝撃が加わっていたという。
コロネルはヴィラ・レアルの公道で行われた第5戦のフリープラクティス中、ダウンヒル区間を走行中に突如、マシンの左フロントが破損。そのままコントロールを失い、ターン23の右コーナーを直進し、エスケープゾーン先に待機していた消防隊が乗るバンの側面に激突した。
クラッシュ後、チームが調査したところ、マシン左フロントホイールのボルトが破損していたことが判明。これによりハンドルが効かず、消防バンに衝突したという。
また、その後の調査でクラッシュの衝撃は“25G近い”ものだったことも明らかとなった。なお、ドライブしていたコロネルはシートベルトとHANSデバイスに助けられ、大きな外傷などは負っていない。
「ブレーキングポイントに差し掛かった時、コクピットの外ではいろいろなことが起きていた。ブレーキはまったく効かなかった」とコロネル。
「ハイスピードで芝生エリアを駆け抜け、目の前に止まっていたバンにぶつかったんだ。すさまじい衝撃だったよ」
「アクシデントの原因は、左フロントホイールのボルトが5個壊れていたことだと判明した。一切ブレーキはかからなかったし、為す術がなかった」
「あとから考えれば、あそこにバンが止まっていてくれてよかったよ。もし、コンクリートブロックに衝突していたら、もっと大きい衝撃を味わっていたからね」
「FIAの調査によれば、事故の衝撃は25Gに近かったという。すべての安全装備が機能してくれてよかった」
「ただ、シートベルトやHANSデバイスとヘルメットをつなぐ紐にもダメージがあった。ヘルメットのシリアルナンバーも控えられていて、これらのアイテムは再利用することはできない」
コロネルは2016年のポルトガル戦でオープニングレースを制しており、2017年大会も活躍が期待されたが、このクラッシュにより走行を取りやめ。予選/決勝への参加は叶わなかった。
■マシン修復作業は急ピッチ。「間に合わせる自信がある」
また、クラッシュしたシボレーRMLクルーズTC1は、メンテナンスを担当するカンポス・レーシングのもとへ送られ、次戦のアルゼンチンへ空輸される前に修理が行われる。
コロネルは「エンジンは壊れていたし、フロントサスペンションも使い物にならない状態だった。ボディワークとシャシーにも大きなダメージがあったよ」と続ける。
「マシンはまるでバナナのようにめちゃくちゃになっていた。チームのメカニックはすぐにダメージを受けたパーツを取り除く作業を始めた」
「(ポルトガル戦の)決勝が始まる前に、チームはシーズン後半戦へ向けてマシンを修理するため、(カンポスの拠点がある)バルセロナへ向かった」
「カンポスには、WTCC用のシボレーマシンが2台残っていて、そこからスペアパーツを取ることができる。また、我々のスケジュールに遅れが生じないよう、2名のメカニックを派遣してくれている」
「アルゼンチンにマシンを輸送するため、来週の火曜日にはマシンを(ドイツ・)フランクフルトへ送らなくてはいけないんだ。やるべきことは山積みだし、時間も限られている。ただ、スタッフ全員がアルゼンチン戦に間に合わせる自信を持っているよ」