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関ジャニ∞は、最新作『ジャム』とどう向き合った? 各番組で明かされた“モノづくりの姿勢”

2017年06月28日 07:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 いよいよ本日6月28日、関ジャニ∞の最新アルバム『ジャム』がリリースされた。1年7カ月ぶりのアルバムとなる本作は、UNICORN、レキシ(池田貴史)、BEGINなど豪華アーティストやプロデューサーたちが楽曲を提供しており、発売前から注目を集めていた。その仕上がりは、関ジャニ∞がミュージシャンとして今まさに脂が乗っていることを証明した傑作だ。


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 6月25日には、冠番組『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)、そして特別ラジオ番組『関ジャニ∞プレミアムジャム!』(TOKYO FM)がそれぞれオンエアされ、制作秘話が語られた。『関ジャム~』には音楽プロデューサーの蔦谷好位置がゲストで出演。「こんなに見せる?」とメンバーが驚くほど、アルバム制作の裏側がこと細かに披露された。


 『関ジャム~』の収録の合間に、蔦谷と関ジャニ∞全員とでフルサイズのデモ曲を視聴するシーンは、見ているこちらも緊張感が走るほど真剣な眼差しだ。そして調整を重ねて完成した楽曲に詞をのせたのは、いしわたり淳治。番組では、蔦谷がいしわたりに指示したメールの内容も公開されると、そこには細かな要望と共に、いかにこの曲が関ジャニ∞の今後の活躍に期待を込めて作られたものかという熱い思いが添えられていた。


 そうして完成したのが、80年代風のサウンドが特徴の「DO NA I」。関ジャニ∞のもとに届けられた詞には、いしわたりからのメッセージも。「いつか関ジャニ∞に作ってみたかった」と話していた、いしわたり。関ジャニ∞らしさやファンと楽しく歌えることなど、彼らが輝く姿を想像して作られた詞であることが綴られており、「この曲どない?」で締めるあたり、その制作過程がきっと楽しかったのだろう。


 その後も、蔦谷のSE追加など最後の仕上げを経て、アルバムに収録された音源になっていると思うと、何も知らずに聞いたときよりもずっと味わい深くなる。最後に蔦谷は関ジャニ∞の大きな魅力として、彼らの声を挙げた。「声の“混ざり”が良くて、“立ち”もいい」うまく混ざり合うのに、一人ひとりの個性が立っている、そんな彼らの歌声そのものがバンドなのかもしれない。


 他にも番組では、いきものがかり水野良樹が「青春のすべて」を“四季を感じるバラード”というテーマと、歌唱シーンのない映像をもとに作り上げたことや、岡崎体育が手がけた「えげつない」は、“関ジャニ∞あるあるでラップバトル”を完成させるために、ファンがまとめたネット情報からヒントを得たなど、制作秘話を次々と披露。そう思うと、ファンもこのアルバム制作の一端を担っているとも言える。ますます、このアルバムに愛着が増すというものだ。


 各分野のプロと真剣に向き合い、丁寧にモノづくりを進める姿が印象的だった関ジャニ∞。なかでも、ひときわ活躍しているのが安田章大だ。安田は「今」の振り付けを、振付稼業air:manに依頼することを発案。さらに、手話を取り入れるアイデアなども提案し、イメージを共有しながら振り付けを完成させている。


 また、『プレミアムジャム!』では、安田が作詞作曲を手がけた「Never Say Never」(映画『スパイダーマン:ホームカミング』日本語版主題歌)が生まれた背景について言及した。曲作りは「基本的にアコースティック・ギター1本で」という安田。頭の中で鳴っている全部の音を、アレンジャーに7時間かけて伝えたという。そんな安田の才能に大倉忠義も「安田くんは15年くらい曲を作り続けてるよね。キャッチーな歌を作る人なんですよ。なんかタイアップでいろんな人に聴いていただきたいなって思っていたので、感無量なんですよ。これが日本中の映画館でかかると思うと」と、惚れ惚れしている様子だった。


 今年5月に行なわれた『METROCK 2017 TOKYO』にも参戦した関ジャニ∞。そのときの思いを、安田は「楽しすぎてたまらなくて、アドレナリンが出過ぎて、瞳孔ガンガン開いてましたね」と感極まった発言で笑いを誘った。アイドルである彼らにとってロックフェスは、ある意味アウェイ。しかし、そこで多くの観客に受け入れられた経験は、モノづくりの姿勢は決して間違っていなかったのだと確信できたことだろう。関ジャニ∞のプロ意識と、個性と、熱い思いがギュッと凝縮された『ジャム』。手に取らないなんて手はない。(佐藤結衣)