MotoGP第8戦オランダGPの決勝レースを15位フィニッシュしたホルヘ・ロレンソは、雨が降り始めたときのコンディションでのペースがとても遅かったため、ピットインしても「失うものはなにもなかった」と語った。
ロレンソは雨の中行われたオランダGPの予選で苦しみ、21番グリッド。ロレンソにとっての最高峰クラスでのワーストグリッドとなった。
決勝レースはドライコンディションでスタート。ロレンソは着実にレースを進め、オープニングラップで4つ順位を上げると、さらに残り9周時点で12位まで追い上げた。
しかし、レース終盤に小雨が降り始め、残り8周時点でホワイトフラッグが提示。変化したコースコンディションによりペースがぐっと落ち、ロレンソの追い上げは終了した。
ロレンソは、ホワイトフラッグが出された後、ピットインしてウエットタイヤを履いたスペアマシンに乗り換えるも、これはいい判断とはならず、15位でフィニッシュ。優勝したバレンティーノ・ロッシから1周遅れでのチェッカーとなった。
「僕は速いとは全く言えなかった。レース中、ほとんどのラップでトップから0.5秒は遅れていた」とロレンソは語る。
「でも、僕はペースを維持していた。(アンドレア・)イアンノーネに追いついていたし、(ジャック・)ミラーや(ダニ・)ペドロサに近づいていた」
「小雨が降り始めたころ、前後のライダーたちに比べて、僕のペースはとても落ち始めていた。みんなが僕を追い抜いていく中で、こう思った。『もう失うものはなにもない』ってね。このときにはおそらく1、2ポイントを失っていた。だから、賭けをしてみたんだ」
「でも、雨はそれ以上降らなかった。雨が止んでしまうと、そのコンディションの中ではレインタイヤは柔らかすぎたんだ。ピットインの選択は日曜日の朝のウォームアップセッションのときに考えた。天気予報とは逆に大雨が降ったことも考慮してね」
2台目のバイクに乗り換えてからすぐに後悔したかと尋ねられたロレンソは次のように答えた。
「3周か4周の間は雨は降っていたんじゃないかな。その後で止んだんだ」
「(ピットインは)賭けだったんだ。ウォームアップのときは誰も雨が降るなんて予想していなかったしね。僕は失うものがなかったから。最終的には1ポイントを獲得したけれど、本当は7、8ポイントは取れていたはずなんだ」
「僕はスリックタイヤで走行していても1周で5秒失っていた。あのまま走り続けていても、ほかのライダーたちにオーバーテイクされていただろう」