2017シーズンのFIA-F3ヨーロピアン選手権(ユーロF3)に参戦中の高校生ドライバー佐藤万璃音(さとうまりの/18歳)は、ピレネー山脈を遠望するフランス南部のポー市街地で5月19~21日に開催された第3大会での貴重な体験を次のように振り返った。
「初めての市街地コースとはいえ、シルバーストンやモンツァに比べると不甲斐ない結果に終わりました。決勝レース3はジェハン・ダルバラ(カーリン)とミック・シューマッハー(プレマ)に続くルーキー・ドライバー3位となりましたが、これまでのレース人生でいちばん悔しい表彰台でした」
「胸を張って表彰台に上がれる日を目指し、さらなる学習と鍛錬に努めようと心に強く誓いました」
「また、現地ではNHKさんの取材も受けました。過去にもテレビ取材は経験していますが、1週間近くも僕に密着する本格的な取材は初めてです。ニュースではなく、ドキュメンタリーなのだそうです」
「イタリア・フォルリでは、フィジカル・トレーニングの模様を撮影したり、アパートを出てフランス・ポーへ向かう姿を撮影したり。現地入りしてからも、僕の周りではつねにカメラが回っていました。正直なところ、少し気疲れしました(汗)」
「もちろん、こうして取材していただくのはとてもありがたいことです。でも、なぜ僕なのだろう? と首をひねったのも事実でした。海外でレースを戦うドライバーは何人も居ますよね? でも、自動車メーカーの支援を受けてもいないプライベーターの僕が、なぜかディレクターさんの目に留まったようです」
「NHKさんの取材陣はイギリス・ロンドン在住のディレクターさん、フランス・パリ在住のカメラマンさんとコーディネーターさんの3人。皆さんとても気さくで、年齢差を意識することなくすぐに打ち解けられました。ランチやディナーも一緒に取りましたし、レース以外でも僕の趣味、アニメやゲームや声優さんの話で盛り上がり、楽しい時間を過ごせました」
「心残りはレースでしっかりと結果を残せなかったことと、そのために取材の受け答えが少し雑になってしまったことです。精神的にまだまだ修行が足りないと反省しました」
「たとえどんな状況であっても、取材にしっかりと応えられるようでないと、プロフェッショナル・ドライバーにはなれません。イライラしていても、それを表に出さないことも大切ではないかと考え直しました」
「NHKさんによる僕の番組が放映される日時は未定です。でも、番組制作はほぼ佳境を迎えているという報告は受けました。8月なのか9月なのか? 正式に決まりましたら僕のフェイスブックやツイッター、ホームページでお知らせします。いましばらくお待ちください」