アメリカGPの土曜日の時間割が、夜に開催されるジャスティン・ティンバーレイクのコンサートが始まるまで、より多くの観客が会場に残れるように変更されたため、F1の各チームは不満を募らせている。
土曜日に行われるフリー走行3回目は通常どおり現地時間午前11時から正午まで行われる。しかし、予選まで通常は2時間取られる空き時間が4時間に延長されるため、予選セッションは午後4時から5時にかけて実施されることになった。
F1の新経営陣はFIAに対し、夜のコンサートまでより多くの観客を会場に留めておくために、時間割の変更を求めたのだ。
逆にコンサートだけが目的の音楽ファンが早めに会場に来て、F1マシンの走る様子を初めて目にする機会にもなり得る。
この変更は、バクーで木曜日午後に行われたチームマネージャーのミーティングで議論された。
各チームはこれまで変更されることがなかったルーチンが崩されることに不満を募らせている。
時間の変更でクルーメンバーの労働時間が伸びることになり、終了時間は普段より確実に2時間遅くなる。ナイトレースの場合と違って、チームにとって開始時間を遅くすることの何の利点もない。
土曜日の夜は、マシンがパルクフェルメに保管されるため、メカニックたちが休憩できる唯一の時間だ。
また通常の2時間では不可能だったパーツ交換を計画するなど、リソースが豊富なチームが長い空き時間を利用して優位に立つ懸念も生じている。
そして、チームが最も懸念しているのは、この変更が先例となって今後も同様のスケジュール変更をF1から要請されることになり、チームの作業に大きな負荷を与えるのではないかということだ。
この変更はテレビの放送スケジュールにも影響し、予選の放送開始時間はアメリカの現地時間の16時(日本時間で翌朝6時)からとなっている。