モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第16戦ソノマ
今季初のロードコース戦でデニー・ハムリン4位
カイル・ブッシュが5位フィニッシュ
今季初のロードコース、ソノマでカップ戦が開催され、トヨタ・カムリ勢は首位を争ったが惜しくもデニー・ハムリンが4位、カイル・ブッシュが5位フィニッシュ。
アイオワで行われたエクスフィニティ・シリーズでは、スポット参戦、シリーズデビュー2戦目のクリストファー・ベルがレースの大半を支配したが、終盤痛恨のクラッシュ。
同じアイオワで行われたトラック・シリーズでもベルが首位を争ったが、終盤のピットトラブルでタイムロス。トヨタ・タンドラは4台がトップ10フィニッシュを果たした。
Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第16戦 Toyota / Save Mart 350
開催日:6月25日
今季初のロードコース戦でデニー・ハムリン4位
カイル・ブッシュが5位フィニッシュ
6月25日(日)、米国西部カリフォルニア州ソノマのロードコース、ソノマ・レースウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第16戦「Toyota / Save Mart 350」が開催された。
オーバルコースでのレースが主体のNASCARではあるが、年間数戦ロードコース戦も行われる。カップ・シリーズでは年2戦実施されているが、今大会は今季初のロードコース戦として、ワインで有名なナパ・バレーに近いソノマ・レースウェイが舞台。丘陵地帯に位置する、アップダウンの激しいコースである。
トヨタ勢ではロードコースも得意とするカイル・ブッシュが2008年と2015年に勝利。マーティン・トゥルーエクス・Jr.も2013年に勝利を飾っている。
1周1.990マイル(約3.2km)のロードコースは、1周のラップタイムが80秒近くになるため、グリーンフラッグ中のピットインを行っても周回遅れになりにくい。
そのため、各チーム様々なピット戦略が採られる。また、重いNASCAR車両でのロードコース戦のため、ヘアピンなどでの追い越しも数多く見られる。
24日(土)に行われた予選では、トゥルーエクス・Jr.が3番手、カイル・ブッシュが4番手で2列目に並んだ。
25日(日)午後0時22分、1.990マイルロードコースを25周、25周、60周の3ステージ合計110周(218.9マイル:約350km)して競われる決勝レースがスタート。
マット・ケンゼスはエンジン交換を行ったため最後尾スタート。また、ルーキーで今大会がソノマでの初レースながら予選11番手につけたダニエル・スアレツは、2周目の最終コーナー進入でブレーキをロックさせタイヤにフラットスポットが出来てしまったために緊急ピットイン。ほぼ最後尾に落ちてしまった。
3、4番手スタートのトゥルーエクス・Jr.とカイル・ブッシュは首位争いを展開。トゥルーエクス・Jr.は9周目、そして22周目にも首位に立つと、そのままステージ1を制覇。シリーズ最多となる11度目のステージ勝利を挙げた。14番手スタートのハムリンがステージ1は5位。
最後尾から順位を上げてきたケンゼスはステージ1の終盤にピットインし、ステージ2を上位スタートする作戦に。カイル・ブッシュも同様の作戦を採ったが、ピットイン時に痛恨のスピード違反。大きく順位を落としてしまった。
ステージ2序盤は、首位のトゥルーエクス・Jr.が逃げる後方で、ハムリンがサイド・バイ・サイドでの3位争いを展開。ステージ中盤にイエローコーションが出されると、ここでピット戦略が分かれ、大きく順位が入れ替わった。
ステージ2はピット戦略を活かしたケンゼスが3位、ハムリンが4位。ステージ間のコーションでも順位の入れ替わりがあり、ステージ3はハムリンが首位で再スタート。
7番手に順位を上げたカイル・ブッシュは接触しながらの激しいバトルで次々に前車をパスしていき、61周目にはハムリンをかわして首位浮上。67周目には追い上げてきたトゥルーエクス・Jr.が首位に立った。
残り40周前後になると、給油すれば最後まで走り切れる周回ということもあり、各車グリーンフラッグ下でのピットイン開始。何台かがピットを引っ張るなか、実質的な2位を走行していたトゥルーエクス・Jr.が痛恨のメカニカルトラブル。
25周にわたり首位を走るなど上位争いを展開しながら、惜しくもここでレースを終えることとなってしまった。
全車がピットを終えた時点で、ハムリンが2位。これを追う3位につけていたカイル・ブッシュは、残り17周というところでグリーンフラッグ下でのピットインを行い、給油と、新しいタイヤに交換して最後の追い上げを図ることに。
新しいタイヤの優位性を活かし、カイル・ブッシュはじりじりとポジションをアップ。一方、燃料をセーブし、タイヤも厳しいハムリンはライバルの先行を許すことに。
ファイナルラップにも1台にかわされたハムリンはそれでもトヨタ勢最上位の4位でチェッカー。終盤のグリーンフラッグピットで15位まで後退しながら猛烈な追い上げを見せたカイル・ブッシュは5位に入り、トヨタ勢は2台がトップ5フィニッシュを果たした。
次戦第17戦は7月1日(土)、米国南東部フロリダ州デイトナビーチのデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われる。
ドライバー デニー・ハムリン
「良いレースだった。我々のトヨタ・カムリは好調だったが、最後は優勝には届かなかった」
「我々はショートランで本当に速かったが、ロングランでやや速さが足りなかった。中盤戦は速さを見せられたし、ピット戦略も上手く行って多くの車両をパスできた」
NASCAR XFINITY SERIES
第14戦 American Ethanol E15 250
開催日:6月24日
ダコダ・アームストロングが5位
クリストファー・ベルは首位走行中無念のクラッシュ
6月24日(土)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第14戦「American Ethanol E15 250」が米国中部アイオワ州ニュートンのアイオワ・スピードウェイで開催された。
この週末はカップ・シリーズのみ遠く離れた西海岸のソノマで開催、エクスフィニティとトラックがアイオワで行われるため、カップとの掛け持ち参戦ドライバーはなし。
トラック・シリーズに今季フル参戦し、現在ランキング2位につける22歳、クリストファー・ベルがキャリア2戦目となるエクスフィニティ・シリーズへスポット参戦することとなった。
そのベルは24日(土)決勝直前に行われた予選で、デビュー2戦目にして初のポールポジションを獲得。シリーズデビュー3戦目となる19歳のカイル・ベンジャミンが2番手につけ、デビューまもない若手2名の駆るトヨタ・カムリが最前列グリッドを占めた。
午後7時46分、0.875マイルショートオーバルを60周、60周、130周の3ステージ合計250周(218.75マイル:約350km)して競われる決勝レースがスタート。
ポールポジションのベルは好スタートで後続を引き離すと、一度も首位の座を譲ることなくステージ1を制覇。ベンジャミンが6位、ベテランJ.J.イェリーが7位に入った。
ステージ間のピットで3位に後退したベルだったが、再スタート後、激しいバトルを繰り広げ、104周目に首位復帰。
一方で、ステージ間のピット時にタイヤ管理のペナルティを受け順位を落としたベンジャミンは、追い上げを図っていたが112周目にスピン。後続が突っ込み、車体にダメージを負ったため、修復で6周遅れとなってしまった。
このベンジャミンのスピンにより、ステージ終盤のイエローコーションとなったため、ベルはピットイン。一旦順位を落としたが、残り2周での猛烈な追い上げで、ステージ2は3位フィニッシュ。ダコダ・アームストロングが10位に入った。
ステージ3を2位で再スタートしたベルは、首位争いを展開し、142周目にこの日3度目となる首位へ。その後は首位での快走を続けたが、残り32周というところで、バトルしていた周回遅れをかわそうとした際に接触され、スピン。
壁にクラッシュ。この日、ここまでの218周中152周にわたって首位を走行、レースを支配して来たベルだったが、優勝争いから脱落してしまった。
ベルの脱落により、トヨタ勢の最上位は、序盤のパンクによる後退から追い上げてトップ10圏内を走行していたアームストロングに。アームストロングは5位でチェッカー。今季初、自身キャリア2度目となるトップ5フィニッシュを果たした。
次戦第15戦は6月30日(金)、デイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われる。
ドライバー ダコダ・アームストロング
「今夜ずっと、我々のトヨタ・カムリは素晴らしく速かった。予選も7番手につけられた。スタート直前に左リアタイヤのパンクに見舞われて後方からの追い上げを余儀なくされたが、チームの戦略も当たった」
「速さ的にはレースを通してトップ10の速さを持っていたと思う。ずっとポジションに恵まれなかったが、最後にようやく好位置につけられた」
「最後はタイヤがもう摩耗していた。もし新品タイヤだったら2位でフィニッシュできただろう。しかし、後方スタートからトップ5できたのは素晴らしいし、チームの頑張りのおかげだ」
NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第9戦 M&M’s 200
開催日:6月23日
4台のトヨタ・タンドラがトップ10フィニッシュ
NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第9戦「M&M's 200」が6月23日(金)にアイオワ・スピードウェイで開催された。
23日(金)決勝前に行われた予選では、今季からシリーズにフル参戦している18歳のルーキー、ノア・グラッグソンが自身2度目となるポールポジションを獲得。
今季すでに2勝を挙げ、ランキング2位に付ける22歳のクリストファー・ベルが2番手で続き、カイル・ブッシュ・モータースポーツの若手2名が駆るトヨタ・タンドラが最前列グリッドを占めた。
23日(金)午後7時48分に0.875マイルショートオーバルを60周、60周、80周の3ステージ合計200周(175マイル:約280km)して競われる決勝レースがスタート。
ポールポジションのグラッグソンが16周にわたって首位を逃げるが、その後ベルがこれをかわして首位に。2台によるトップ争いが展開されたが、ベルが首位、グラッグソンが2位でステージ1は終了。
6番手スタートのベン・ローズが5位、カップ・シリーズで戦うマーティン・トゥルーエクス・Jr.の実弟であるライアン・トゥルーエクスが8番手スタートから6位へと順位を上げステージ1フィニッシュ。10番手スタートのグラント・エンフィンジャーが9位に入った。
ステージ2も首位で再スタートを切ったベルが中盤まで独走。終盤スピン車両によるイエローコーションが出されると、多くの車両がピットへ向かったが、ベルはコースに残る判断。
しかし、再スタート後、タイヤの新しいライバルにかわされ、ステージ2は4位でチェッカー。グラッグソン5位、ライアン・トゥルーエクス6位、ジェシー・リトルが8位、マット・クラフトンが9位となった。
ステージ間のピット戦略で順位が入れ替わり、ベルは12位から再スタート。ライアン・トゥルーエクスとバトルを繰り広げていたが、ライアン・トゥルーエクスは166周目にエンジンのオーバーヒートに見舞われ無念のリタイア。
185周目にはトップ10圏内でのバトルを繰り広げていたクラフトンとエンフィンジャーが接触。チームメイト同士の接触でクラフトンは壁に激しくクラッシュし、レースを終えることとなってしまった。
このクラッシュにより出されたイエローコーションで各車最後のピットへ。4位につけていたベルは、ピット作業時にホイールナット交換用のガンにトラブルが発生しタイムロス。6位へ後退。
残り7周で再スタートが切られ、エンフィンジャーがトヨタ勢最上位の4位でチェッカー。エンフィンジャーは4戦連続のトップ5フィニッシュとなった。
ベルが5位、グラッグソンが6位、20歳のリトルが9位に入り、キャリア初のトップ10フィニッシュ。トヨタ・タンドラは4台がトップ10フィニッシュを果たした。
次戦第10戦は7月6日(木)に米国中東部ケンタッキー州スパルタのケンタッキー・スピードウェイで開催される。
ドライバー グラント・エンフィンジャー
「(チームメイトのクラフトンとの接触は)本当に申し訳なく思っている。私はイン側を走行していて、彼はアウト側からインに入ってきた。完全に私のミスだ。彼らに謝罪したい」
「チームは本当によくやってくれて、我々のトヨタ・タンドラは素晴らしかった。それだけに辛いレースになってしまった」