夫婦の間には様々な違いがあるが、虫に対する好き嫌いもそのひとつだ。虫に対して嫌悪感がない方からすれば、いちいち騒ぎ立てる人の気持ちはわかりにくい。
発言小町には6月、「虫嫌いな妻と生活できない」というトピックが立った。トピ主の妻は高層マンション上層階で育ったため、生活環境に虫がおらず極点な虫嫌いだという。一方でトピ主は、周りに虫がいる環境に身を置いていたため何も感じない。
トピ主夫婦は公園に隣接する住宅を購入して生活を始めたが、初夏には網戸に虫が付いていることがあるほか、家の中に入ってしまうこともある。その度に妻の叫び声が響き渡るといい、妻の過剰な反応に戸惑っている。
「虫嫌いは正常な感覚 危険から身を守ろうとする防衛反応」
トピ主の実家から土付きの野菜が届けられた時には、妻は土にも虫が付着していることを疑って触れようともしないという徹底ぶりだ。ここまで読むと妻はかなりの潔癖症の人物に思えるが、普段は掃除をしないなどズボラな性格で、虫だけが苦手だという。極端な虫嫌いの妻との生活に悩んだトピ主は、
「この先、妻の虫嫌いは克服できるのでしょうか?」
と相談した。
これに対しては、「虫嫌いの克服は無理」という指摘が相次いでいる。
「虫とかヘビとか、そういうのがダメな人は、ほとんど一生、直りません」
「虫が嫌いなのは理屈でなく、ただただ嫌いなんです!!これ克服は出来ません」
人はなぜ虫嫌いになるのか。フジサンケイグループのエフシージー総合研究所で、ダニやカビなどについて調べているIPM研究室のコラムではその理由について、「自分と異なる生物は外敵であり、『なにをするのかわからない・危険かもしれない』といった、ある種の防衛反応」とし、虫嫌いの感覚は正常だと肯定している。
中には「小さい頃は虫が平気だった」という人もいるが、それは大人に比べると知識が少なく、抵抗感が弱いため。成長するにつれて虫に対して「汚い」「怖い」と言ったイメージが作られ、嫌悪感が勝り苦手になる。一方で虫が好きな人は、そうしたマイナスイメージ形成前に、虫に対して良い印象を持つためだと説明している。
こうなるとトピ主が思っている以上に、克服は難しいだろう。
妻が苦手な部分は夫が代わりにやればいい
虫を見る度に大声を出して驚く妻を持つトピ主に同情を示しつつも、妻の立場から「理解してほしい」という意見もある。同じく虫嫌いな女性は、以下のように言い切っている。
「トピ主さんが変わってください。相手に変われと言うなら、あなたも変わりましょう。世の中にはムシが駄目な人もいる。上司が虫嫌いだとして、上司に『虫嫌いを治しなさい!』と言えますか?奥様だから軽く言えるんですよね」
妻に克服することを求めるのではなく、夫であるトピ主が除虫剤を使うなどの対策を講じる、野菜を率先して洗うなど、妻が苦手な部分を代わりにやればいい、という意見だ。相談文からは妻への思いやりが感じられないため、「虫嫌いを克服できなければ離婚したいの?」と訝しげに見る人もいる。
数々の意見を受けてトピ主は、「たくさんのご意見ありがとうございます。虫嫌いの方って意外と多いのですね」としたうえで、妻の叫び声の大きさについてを言及。さらに
「皆さん、『ぎゃーーーー』っと叫んでいるのでしょうか。近所迷惑にならないか、それも心配です」
と書き、最後まで妻への配慮はなかった。