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MORIWAKI MOTUL RACING 2017全日本ロード第5戦オートポリス 決勝レポート

2017年06月26日 18:12  AUTOSPORT web

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MORIWAKI MOTUL RACING 2017全日本ロード第5戦オートポリス
Round.5 AOUTPOLIS/JSB1000

6月25日(日)決勝レース
MORIWAKI MOTUL RACING、ディレイ、赤旗中断、波乱のレースを高橋裕紀8位、清成龍一9位でフィニッシュ
 全日本ロードレース第5戦「KYUSHU MOTORCYCLEFESTA 2017」の決勝レースが大分県:オートポリスサーキットで開催された。

 決勝レース当日も朝からウェットコンディションであったが、JSB1000クラスのウォームアップ走行時には青空がのぞいた。決勝レースは路面が乾くことを想定しながらの走行で、清成8番手、高橋10番手で決勝レースに臨む。

 JSB1000クラス決勝レースはWET宣言が出された。スタート進行のウォームアップ走行30秒前ボードが掲出された時点で視界不良のためスタートディレイ、14:30に再度サイティングラップ開始となる。

 15周に減算されて仕切り直しとなった決勝レース、予選12番グリッドからロケットスタートを決めた高橋が一気に4番手に浮上する。清成はスタートで失敗、オープニングラップを17番手で通過する。しかし、3周終了した時点で霧が発生、赤旗中断となる。

 3周終了時点の結果をレース1とし、レース1の順位でレース2のグリッドに整列する。高橋5番グリッド、清成17番グリッドで12周によるレース2がスタートした。オープニングラップ、高橋は6番手にひとつポジションダウン、清成は13番手に浮上する。

 高橋は1分51秒から52秒台前半で周回、一時9番手まで順位を落とすが8周目に1分51秒788のベストタイムを出してポジションを上げる。しかしレース終盤タイヤが厳しくなった高橋はラップタイムが53秒台にまで下がるが、背後に迫る清成をおさえて8位チェッカーを受ける。

 オープニングラップで順位を上げた清成だったがタイヤのスピニングに悩まされていた。その症状に合わせた走りをすることでラップタイムが安定、1分53秒台にまで下がったラップタイムは51秒台にまで回復、11周目には1分51秒236のベストタイムをたたき出し、目の前を行くチームメイトの高橋を追い上げるが僅かに届かず9位でフィニッシュする。

 このレースウィークはドライ、豪雨、ハーフウェット、赤旗中断、など天候に翻弄され波乱のレースウィークとなったが、高橋も清成もその時その時の状況に応じたベストな選択で前戦もてぎに次いでシングルフィニッシュを決めた。9月にもここオートポリスで開催されるのでそこに向けて貴重なデータを蓄積することができた。全日本ロードレースは次戦もてぎまで約2ヶ月のインターバルが空く。MORIWAKI MOTUL RACINGは来月開催される鈴鹿8耐に向けて集中する。

高橋選手コメント
「荒れた天候で難しいレースでした。レース1のグリッド整列時、実はレインタイヤを履いていました。チームと話して賭けにでてみました。しかしその後レースディレイ。そこでドライタイヤに切り替えました」

「レース1のスタートはすごく上手く決まって4番手までジャンプアップ、先頭集団の中で走行できました。しかし、コースの後半セクションに濡れているところがあり、そこを上手く走ることができずに離される、その先の乾いている部分で追いつく、を繰り返してどうなるかな、と思っていたところに赤旗中断となりました」

「レース2はもう少し雨がパラパラ来るかな、と予測して新品タイヤを入れるリスクより中古タイヤで行く決断をしました。しかし選んだタイヤがライフがあまり望めないタイヤであったにも関わらず中古タイヤで行ってしまったので、後半タイヤのタレが厳しく、ズルズルと順位を落としてしまい非常に悔しく思います」

「他方、ウェット、ドライ、ウェットパッチが多いところ、少ないところ、変化の激しい路面に電子制御で対応する貴重なデータを多く収集する事ができました。2週間後には鈴鹿8耐の合同テストも始まりますので8耐に向けて全力で頑張ります」

清成選手コメント
「レース1は最初からドライタイヤで行きました。スタートが上手くいかず思いきり順位を下げてしまいました。その後も上手く乗れず、落ち着いて行こう、と考えていた時に赤旗中断となりました。レース2は失敗せずにスタート切れました」

「自分が選んだタイヤはそれほど温度が高くない時向けのスペックで実績もあったタイヤでしたが、予想外にスピニングが多く序盤に「タイヤが終わった」と思ったほどでした。タイヤに合わせた走りに変えたら少しずつ安定してきましたのですが、さぁこれから、と言うときにレースが終わってしまい非常に悔しい思いをしました」

「もてぎはストップアンドゴーのコースレイアウトでマシンのパワーの差が出やすいサーキットですがここオートポリスではその差を感じることなく、エンジンも車体もそのバランスも良く走ることができました。貴重なデータもしっかり収集できましたし、モリワキが造るオートバイはバランスも信頼性も高く良い方向に仕上がってきています」

「但し、まだまだトップチームとの差があるのでそこを埋めるべくキッチリと開発してかなくてはと思います。チームメイトの高橋選手との良い意味でのライバル関係、マシンやパーツに関するお互いの印象・考えを包み隠さず話し合うことで自分には見えていなかった部分が見えたり、またその逆もあり、とすごい良い環境の中でレースができていることに感謝しています。」

Round.5 AOUTPOLIS/J-GP3

6月25日(日)決勝レース
モリワキクラブ栗原佳祐、難しいコンディションのレースで11位フィニッシュ
 全日本ロードレース第5戦「KYUSHU MOTORCYCLEFESTA 2017」の決勝レースが大分県:オートポリスサーキットで開催された。昨日の公式予選は雨と濃霧のため中止、朝のフリー走行の時間を使って25分間の公式予選に充てられた。

 一昨日発生したパーツの不具合はきちんと解消し、整備面からみたマシンは完全に復調した。しかし、このレースウィークに入って初めての雨、しかも栗原佳祐にとってJ-GP3クラス参戦して初めての雨のオートポリス。グリップ感の不足に悩ませられながらの走行となった。

 2分23秒305から入った予選だが、走り方のアジャストで徐々にタイムアップ、2分19秒221まで詰めて予選15番手で決勝レースに臨む。

 公式予選終了からわずか2時間後の10:45、13周に減算されてJ-GP3クラスの決勝レースがスタートした。公式予選時はウェットコンディション、その後天候は時折陽が差すほどまで回復、コース上のラインは乾いてきた。しかしまだところどころウェットパッチが残る非常に難しいコンディション。

 栗原はドライタイヤを選択して決勝レースを闘った。序盤栗原は2分3秒台でラップ、トップを走るライダーから1秒落ちの速さで15番グリッドスタートから10番手に上昇する。その後も2分3秒~4秒台でラップする。

 エンジン回転数を落とさずに周回するにはレコードラインから数本外してコンパクトに曲がり、立ち上がりで加速するラインを取ってスピードを保つことが必要なのだが、レコードライン以外は濡れている箇所が多く足元をすくわれる。ライン取りに苦しみながらも最終ラップに2分2秒625のベストタイムを出して11位でチェッカーを受けた。

 ここから長いインターバルが開き次戦は9月の岡山国際サーキット。その間にマシンのセットアップと自身のスキルアップを図り後半戦に臨む

栗原選手コメント
「事前テストで調子が良かっただけに今回の結果は非常に悔しいです。予選ではグリップ感が感じられずハイドロプレーニングのような状態でした。恐らくサスセッティングにズレが生じたのだと思います」

「決勝レースはウェットなのか、ドライなのか、ハーフウェットなのか、の判断が非常に難しかったのですが自分はドライで行くことを決めました。その中で決勝レースに向けてサスペンションはフルドライよりも若干柔らかめのセットをしました」

「しかし、自分のマシンの特性上、レコードラインを通るライン取りではコーナーで回転数が落ちてしまい、一度回転数が落ちるとそこからの加速が他のマシンに比べてかなり遅いので、レコードから数本外した大外から小回りでインについて立ち上がっていくラインで走行しました。しかし、そのラインが湿っていてそこを通るとリアが滑ってしまいました。自分にはそのラインを選ばざるを得なかったので厳しいレース展開となりました」

「事前テストの段階でこのようなコンディションになることまで想定して、自分のライン選択の幅を持たせるようなマシンセッティングをすべきでしたがそこまでの余裕がありませんでした」

「ドライコンディションで自分のラインをいくつも持てれば前戦もてぎの序盤のような闘い方ができる自信はあるので、今日の経験を活かして難しいコンディションでも闘える術を持てるように事前テストの臨み方から考えて次戦岡山では結果を出したいと思います」