ポルシェのワークスドライバーを務めるローレンス・バンスールは、7月14~16日に開催されるWEC世界耐久選手権第4戦ニュルブルクリンクで、G-ドライブ・レーシングのアレックス・リンの代役として出場するチャンスを辞退した。
FIAフォーミュラEのDSヴァージン・レーシングでリザーブドライバーを務めるリンは、WEC第4戦と同じ週末に行われるフォーミュラE第9~10戦ニューヨークePrixのダブルヘッダーに出場するためWECを欠場する予定。
バンスールは、6月上旬に行われたル・マン24時間耐久レースの公式テストでG-ドライブの26号車オレカ07・ギブソンをドライブしたが、同チームから寄せられた第4戦への出場オファーを断った。
LMP2クラスのシートを蹴ったことについて、バンスールはIMSAウェザーテック・スポーツカーチャンピオンシップ(WSCC)でポルシェと行っている活動に集中することを理由に挙げた。
「(第4戦ニュルブルクリンクに出場するにあたっての)僕の条件は、ル・マンに出場することだったけれど、それは叶わなかった」とバンスール。
「シーズン後半に向けて準備するのと同様に、ポルシェからWSCCに参戦することも僕の目標だから、今はそれに集中したいんだ」
「最終的に僕の将来はG-ドライブではなく、ポルシェとともにある。アメリカでレースをすることを選んだのだから、WSCCに出ることができて幸せだよ」
G-ドライブは当初、リンの代役として2013年に同チームの26号車オレカ03・ニッサンを駆り、シーズン3位を獲得したジョン・マーティンを再起用するものと見られていたが、現時点では第4戦のドライバーラインアップは不明となっている。
その第4戦、G-ドライブは3分間のストップペナルティが決定しており、苦戦が予想される。
このペナルティは、オーナードライバーであるロマン・ルシノフが、ル・マンのレース序盤にLM-GTEアマクラスのプロトン・コンペティション、88号車ポルシェ911 RSRと接触するアクシデントを起こしたことによって科されるものだ。
バンスールが所属するポルシェ・ノース・アメリカは、6月30~7月2日に開催されるWSCC第6戦ワトキンスグレンから、今シーズン新たにポルシェに加入したジャンマリア・ブルーニを迎える。
バンスールとコンビを組むブルーニは、フェラーリ(AFコルセ)から移籍してきたが、契約時の条件としてガーデニング期間を設けることをフェラーリが主張したため、今季はシーズン後半戦からポルシェ・ワークスドライバーとしてデビューすることとなる。