マーべリック・ビニャーレスは、ポイントランキングのトップを失うことになったMotoGP第8戦オランダGPの決勝レースでの転倒について、自身の人生の中で「最も奇妙」と表現した。
ビニャーレスは11番手からのスタート。ウエットコンディションで開催された予選で獲得したグリッドは、今シーズンのワーストグリッドとなった。レース序盤、ビニャーレスは10周目には6位にまでポジションを上げる。さらにスコット・レディングを交わし5位に浮上するも、11周目の最終シケインでリヤのグリップを失い転倒。2017年シーズンで2度目となるリタイアを喫した。
この転倒により、ビニャーレスは111ポイントでポイントランキング2位に後退。4ポイント差でランキングトップに立ったのは、このレースで5位入賞を果たしたアンドレア・ドビジオーゾ、優勝を飾ったバレンティーノ・ロッシはビニャーレスとは3ポイント差の108ポイントで3位に浮上した。
「僕の人生の中で、最も奇妙な転倒だったよ。バイクの動きは、僕がこれまでに経験したことがないほど奇妙だった」とビニャーレスは語る。
「学ぶために必要な時間がある。僕たちが今日学ぶべきは、僕がグリッド上で11位になったことで余裕がなかったということだ。後方からの追い上げは、スプリントのようにレースを考える時間をなくしてしまう」
「僕は(アンドレア・)イアンノーネと(アルバロ・)バウティスタをオーバーテイクすることができた。ふたりとも、とてもレイトブレーキングだったけれど、僕はふたりを抜いてさらに前にいけるとわかっていた」
「金曜日には、僕は勝つことを望んでいた。僕にはそのペースがあったんだ」
また、ビニャーレスは、この転倒でドビジオーゾと接触しなかったことは幸運だったとも語った。ドビジオーゾはこのとき5位走行中だったビニャーレスの後方につけ、6位を走行中だった。
「僕はとてもラッキーだった」
「ドビには僕と接触しなかったことについて、彼に『ありがとう』と言わなければならないね。そうなっていたら、もっとひどいことになっていただろう」
「僕はまだ、ポイントランキングトップのドビジオーゾから4ポイント差の位置にいる。それに今シーズン、このようなこともあったけれど、僕はレースごとに回復してきたんだ」
ビニャーレスは金曜日には、ドライコンディションの中でいいペースを刻んでおり、マルク・マルケスはビニャーレスが予選で下位に沈んだにも関わらず、その速さを指摘していた。
■ビニャーレスのペースを脅威に感じていたロッシ
一方、レースを制したロッシはこう語る。「僕は心配していたんだ。マーべリックがレースの早い段階で、順位を上げてくるんじゃないかってね。でも、彼のリタイアを知らされてからは、まったく気にしなくてすんだ」
「マーべリックは金曜日にいいペースを刻んでいたから、僕は彼が僕の前でフィニッシュすることを心配していたんだ」
「僕は最初からプッシュしようとしたんだ。僕たちはこのコンディションの中ではいいペースだったから。“ビニャーレスがリタイアした”というサインは、残りのレースにおいて重要なニュースだったね」
「でも、ビニャーレスがリタイアして幸運だと思う瞬間があってもなくても、できるだけ速く走るということだけを考えていたよ」