メルセデスのルイス・ハミルトンは、F1アゼルバイジャンGP決勝のセーフティカー出動時、ブレーキテストをしたとのセバスチャン・ベッテルからの激しい非難を受けて反論を行った。2回ヒットしたベッテルについてハミルトンは「恥ずべき振る舞いをした」と批判している。
セーフティカー先導時、全車がリスタートに備えていた際、トップを行くハミルトンの後ろを走っていたベッテルは、ターン15出口でハミルトンに追突。その後、ハミルトンの横に並びかけて怒りを表し、もう一度ヒットした。
スチュワードはこの件を審議、「カーナンバー5がカーナンバー44の隣に並び、44に向かって行った件について映像証拠を検証した結果、この行為は危険な状況を引き起こす可能性があるものだったと判断した」と発表、ベッテルに10秒のストップ&ゴー・ペナルティを科し、さらにペナルティポイント3も加算した。
ベッテルはすぐ前を走るハミルトンがブレーキテストをしたため止まり切れずに追突したと述べているが、FIAはハミルトンのテレメトリーデータをチェックした結果、そのような形跡はないと述べている。
ハミルトンはその後、ヘッドレストが外れかけるトラブルでピットインせざるを得ずに後退。一方、ベッテルはペナルティを受けたが、ハミルトンの前でコースに戻り、最終的にベッテル4位、ハミルトン5位という結果になった。
「他のドライバーに並びかけて、故意に突っ込むようなことをしたのに、彼はたいした罰も受けずに4位を獲得した。僕に言わせれば恥ずべきことだ」とハミルトンは言う。
「彼は今日、恥ずべき振る舞いをした」
ベッテルの行為はF1において、またF1を目指す若いドライバーたちにとって悪い先例になったとハミルトンは考えている。
「間違いなくF1においてひとつの先例を作ることになった。僕らの走りや行動を見ている子どもたちにとってもそうだ」
「子供たちは、4度タイトルを取った人間がどういう振る舞いをするのかを目撃した。こういうことがジュニアカテゴリーに広まっていかなければいいが」
ブレーキテストをされたというベッテルの主張に対し、ハミルトンはそれを完全に打ち消した。
「そんなことはしていない。ペースをコントロールしていただけだ」
「他のリスタートの時と同じことをした。同じ場所で減速した。彼は居眠りしていて僕に追突したんじゃないかな。それは僕には関係ないことだ」