2017年F1第8戦アゼルバイジャンGPで予選トップ10に入ったドライバーが土曜日を振り返った。
■メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
ルイス・ハミルトン 予選=1位
モントリオールでのポールラップはかなり特別なものだったけれど、今回はそれを超える出来だったと思う。Q3最初のランはすごく良かったが、最終コーナーに向けて欲張り過ぎて、タイヤをロックしてタイムを失った。
赤旗後の最後のラップでは、大きなプレッシャーを感じた。週末を通して、1周アタックでマシンをいい状態に持っていくことに苦労していたけれど、オール・オア・ナッシングで攻めるべきタイミングだったから、すべてをかけて走ったよ。
バルテリ(・ボッタス)も同じように素晴らしいアタックをしたから、フィニッシュラインを越えて自分がポールだと分かった時には最高の気分になった。でも、もし2番手どまりだったとしても、誇りに思えるラップだった。
昨日は苦労していたが、夜の間に多くの変更を施した。昨晩、遅くまで残って、マシンをここまでの状態にしてくれたスタッフに感謝している。素晴らしい仕事をしてくれたよ。
(最後のアタックでボッタスを0.434秒差で逆転したことについて語り)死にもの狂いで走った。あの時は、絶対に完璧な走りをしなければならなかった。予選ではすべての力を出し切れない場合もあるけれど、今日のはパーフェクトなラップだった。
■メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
バルテリ・ボッタス 予選=2位
今日はポール獲得を目標にしていたから、失うことになってがっかりしている。Q3終盤の赤旗の前まではうまくいきそうだったけど、(最後のラップで)ルイス(・ハミルトン)が素晴らしいアタックをして、僕はそれに届かなかった。
タイヤの温度で苦労してきたから、Q3最後の走行で初めて、(準備ラップ1周のみで)最初のラップでタイムを出すというやり方を試みた。僕はルイスのようにうまくタイヤを機能させられず、グリップを得ることができなかった。
けれども今日、僕が何よりも誇りに思っているのは、マシンをいい状態に持っていけるようにするため、昨夜頑張ってくれたチームのその仕事ぶりだ。金曜日には途方に暮れるような状態だったけれど、変更を加えて、好転させることができた。
レースに向けて素晴らしいスターティングポジションを確保したので、ルイスと良い戦いができることを期待している。
■スクーデリア・フェラーリ
キミ・ライコネン 予選=3位
この週末はずっと、タイヤをうまく使えるかどうかが重要で、今日の僕らは昨日より少し苦労していた。1周で100%機能させることができれば、楽に速いタイムを出せるのだが、今日はそうはいかなかったね。
タイヤをうまく機能する状態に持っていけたときには、マシンの感触は良かった。でもその感触が1周ごと、セットごとに変わってしまっていた。
1コーナーの進入で良い感触が得られず、あまり攻めた走りができなかった。滑ったり、ミスをしやすい状況だったんだ。常にタイヤが機能するかしないかの境界にいたのだけれど、最後のラップは少しマシだったかな。
3番手は悲惨というほど悪くはないし、この結果で満足しておこう。今日は、できるかぎりのことをしたと思う。レースで周回を重ねていけば、タイヤもうまく機能し始めるはずだ。明日はライバルにもっと近づけるだろうと、前向きに考えている。
■スクーデリア・フェラーリ
セバスチャン・ベッテル 予選=4位
結果は悪くないけれど、当然ながらすべてにおいて満足だとはいえないし、明日に向けて助けになるような予選でもなかった。
言い訳はしないよ。もっとうまくやれたはずだ。最終的にいいリズムをつかめたと思うけれど、すべてをうまくやるということができなかった。
僕らには十分な速さがなかったが、それでも明日には十分チャンスがあると思う。僕らのマシンは大体レース中には速さを発揮するし、昨日もロングランが良かった。何が起こるかを見守っていこう。
予選の序盤は少し遅かったけれど、Q2を迎えるころにはマシンをコントロール下におけるようになっていたと思う。それでもQ3は理想的ではなかったね。赤旗が出てしまったのでピットレーン出口付近で止まらなければならず、タイヤが冷えてしまったんだ。何にしても明日は、また違う展開になるかもしれないよ。
(ポールポジションを獲得したメルセデスのルイス・ハミルトンとのタイム差が1.248秒におよんだことについて語り)このコースではマシンやタイヤをちゃんと機能する状態に持っていく必要がある。自信を持って走ることができれば、ラップタイムをかなり引き出すことができるんだ。
彼らとのギャップについて悩んだりはしていない。残念ではあるけれど、心配はしていない。僕らは金曜のロングランでかなりよさそうだったから、問題ないはずだ。今日は3位が精いっぱいだったと思う。つまり、僕らチームは最大限の仕事をしたんだ。
■レッドブル・レーシング
マックス・フェルスタッペン 予選=5位
予選中のマシンの感触はとても良かった。セクター1でタイヤに少し苦労したけれど、それ以外のすべてが正しい方向に進んでいると感じていた。今日は現実的な目標として3番手に挑戦する力があったと思う。このコースでそれができていれば、素晴らしい結果になっていたのにね。
僕は(Q3終盤の)赤旗の影響はさほど受けなかった。ちょうどアタックラップを走り切るところだったからだ。セッション再開後に、皆と同じように、あと1ラップ走るチャンスもあった。
Q3最後のラップでは自分のベストタイムよりコンマ3秒速いタイムを出せそうだったけど、セクター2でギヤシンクを失って、0.2秒か0.3秒ぐらいをロスした。その結果、3位に挑戦することができなかったから悔しい。
でも、こうした問題は今晩中には乗り越えて、明日に向けての準備ができるだろうと考えている。
メルセデスは今日も(Q3で)大きく前進したから、彼らに近づけるとは思っていないけれど、レースではフェラーリに挑戦したい。表彰台に上がれたら素晴らしい結果になるし、それが目標だ。
今回もフェラーリにかなり近づいたし、もしかすると僕らの方が上かもしれない。このコースでは苦しむと思っていたから、マシンのパフォーマンスに満足すべきだね。
■サハラ・フォース・インディアF1チーム
セルジオ・ペレス 予選=6位
6番手にはかなり満足しているよ。Q3の赤旗には参ったね。まだ速いタイムを出せていなかったんだ。おかげで最後の一度しかチャンスがなくなった。通常はアウトラップを走り、準備ラップを走ってから、アタックをするのだけれど、それだけの時間はなかった。だから理想的なQ3ではなかったが、それでもパフォーマンスには満足しているよ。
僕らの前にも後ろにも速いマシンが控えているので、明日はかなりの接戦になるだろう。ここはストリートコースだから、レース中はトラブルに巻き込まれないようにすることと、何かが起きたときには素早く反応することが重要だ。
■サハラ・フォース・インディアF1チーム
エステバン・オコン 予選=7位
僕のキャリアのなかで最高の予選ポジションだから、今回のセッションにはとても満足している。自己ベストタイムを出したラップでは小さなミスをして、それでひとつ順位を落としたかもしれない。でも僕らチームはあらゆる面で進化していると思う。
今日は限界まで攻めることがすべてだった。ウォールに3回こすったよ。昨日はそんなことはしなかったけど、今日は全力を尽くしたかった。
明日のレースに向けて、とてもいいポジションにつけている。それにここでは何が起きてもおかしくない。狭いコースだし、正しく走ることがとても難しい。1周目をうまく走ることが重要だが、最も大切なのはレースを完走すること。ここでは最後まで走りきれたら、多くのポイントを獲得できる。ペースは良いし、好成績をあげられると確信しているよ。
■ウイリアムズ・マルティーニ・レーシング
ランス・ストロール 予選=8位
良い一日だった。今週末は好調だ。マシンに乗っていて快適に感じるし、自信を持って走っている。このサーキットは大好きだよ。今日はすべてが正しいところに収まった感じだった。
Q3では少しタイムを失った。Q2でのタイムからコンマ4秒遅れたことを考えると、もう少しできることがあったと思う。
Q3になって路面温度が下がったので、1周でタイヤの準備をするのが難しかった。それに赤旗のせいで、時間的にアタックラップは1回しか走れなかった。ここでは1周アタックラップを走り、準備ラップ、またアタックラップと走る方がいいときもある。それでも今日は素晴らしい結果になったし、チームのためにもうれしく思っているよ。
このマシンのことが分かり始めている。セットアップの方向性をシーズン序盤のように戻した。そうしたらバランスに自信が持てるようになった。セットアップで自信が得られると、マシンを思いどおりに走らせることができる。
皆が協力し合って取り組んだ結果だと思う。エンジニアからは今までよりいい情報をもらえるし、タイヤに関しては経験を積み重ねている。
■ウイリアムズ・マルティーニ・レーシング
フェリペ・マッサ 予選=9位
僕にとってはあまり良い予選ではなかった。タイヤを機能させるのに苦労したんだ。フロントタイヤがロックしてばかりいて、コーナーにうまく進入していくことができなかった。僕のマシンは新品タイヤよりもユーズドタイヤを装着したときの方が調子が良かったね。
赤旗は今回も僕らの助けにはならなくて、予選はあまり良いものにならなかった。
でも、ランスがいい仕事をしたことが、とてもうれしい。彼は好タイムを出すことができた。今日の彼は良い戦いをしていたし、僕よりもうまくタイヤを機能させていた。
ここからは集中して、明日のレースですべてをうまくまとめ上げられるようにしていく必要がある。明日を本当に楽しみにしているし、今日よりも良い結果が出せると自信を持っている。
■レッドブル・レーシング
ダニエル・リカルド 予選=10位
クラッシュしたことには実に腹が立つけれど、Q3ではすべてを出し切り、マシンに残されたあと少しの力を引き出そうとしているからこういうこともある。
ターン6をもっとうまくやれると分かっていたので、もっとスピードに乗って攻めようとしたら、コーナー出口でリヤのコントロールを失い、壁に当たってしまった。リヤが滑り始めたから、なんとか押しとどめようとしたんだけど、どうしようもなかった。
ウォールが少し回り込むようになっていて、そこにヒットした。もちろん壁のせいではないし、壁を責めているわけでもないよ! 僕がグリップの限界点でプッシュしすぎていた。それ以外の理由はない。
ミスをしてしまって当然ながらがっかりしているけれど、ここはそういうコースなんだ。今はこのコースが好きじゃないという思いもあるけれど、本当のところは、こういうことがあるからこそ、ストリートサーキットが好きなんだ。限界で走れているかどうかが分かるし、限界を超えていると代償を払うことになる。
今日は上位争いができると思っていただけに残念だ。でも実際には、メルセデスのタイムは本当に速く、僕らの手の届く相手ではないことが分かった。ただしフェラーリには、それほど離されてはいない。
今週末、マックス(・フェルスタッペン)も僕もマシンバランスに満足しているし、マシンの反応もいいので、間違いなく進歩したのだと思う。明日に向けてくじけたりしていないよ。ここでは多くのことが起きるだろうし、ワンストップのレースであったとしても、順位を上げることはできると信じている。