全日本F3選手権第10戦は6月24日、鈴鹿サーキットで12周の決勝レースが行われ、ポールポジションからスタートした坪井翔(カローラ中京 Kuo TOM'S F317)が自身初の全日本F3での優勝を飾った。
ブランパンGTシリーズ・アジア第5戦に続き、やや薄暗くなった17時05分にフォーメーションラップが始まった全日本F3第10戦。迎えたスタートでは、ポールポジションスタートの坪井がトップで1コーナーへ。宮田莉朋(カローラ中京 Kuo TOM'S F314)、そして高星明誠(B-MAX NDDP F3)が続いた。
1周目、先行するカローラ中京 Kuo TEAM TOM'Sの2台の後方では、日立オートモティブシステムズシケインで高星とアレックス・パロウ(THREEBOND)がやや接触。ただ、両車ともダメージはなく、続く2周目の1コーナーでパロウが高星をかわしていく。
上位陣は4台が等間隔で序盤戦を終えるが、中盤に向け4番手につけた高星がペースを上げパロウとのギャップを詰めていく一方で、ともに初勝利が欲しい坪井、宮田のふたりも、1秒以内のギャップで終盤戦まで接近戦を展開した。
パロウと高星の3番手争いは、8周目のストレートで、まるで2周目の再現かのように高星がパロウを逆にオーバーテイクし逆転。一方の首位争いは、チェッカーに向け坪井と宮田がテール・トゥ・ノーズになっていった。
チームメイト同士の戦いは、ファイナルラップまでセクターベストを叩き出しながらの争いとなったが、最後は坪井が0.901秒差で宮田を振り切り、渾身のガッツポーズとともに嬉しい自身初優勝を遂げた。「ようやく優勝することができてホッとしています。今日の1勝は大きい」と坪井。
2位は宮田、3位は高星が入り、4位パロウ、5位は1周目にポジションを落としたものの追い上げた大津弘樹(TODA FIGHTEX)となった。
F3-Nは、DRAGON(B-Max Racing F306)が終盤ガス欠に見舞われながらも逃げ切りチェッカー。10周目にアレックス・ヤン(HuaJiangHU F3)とのバトルを制した植田正幸(Rn 山下製作所 F308)が2位、ヤンが3位となった。