6月19日のFIA世界モータースポーツ評議会で、2018年のF1のスケジュールが発表されたが、早くもこの日程が変更されるのではないかという噂が、バクーのパドックでささやかれている。
変更が噂されているのは、2つ。ひとつはオーストリアGPだ。オーストリアGPは、7月1日に決勝レース日に予定されているが、その前後にフランスGPとイギリスGPが組み込まれ、3週連続開催が予定されており、日程的に無理があるのではないかという指摘があった。
その3週連続開催の初戦となるフランスGPは、来年のカレンダーの目玉であり、スケジュール発表時にフランス人のジャン・トッド(FIA会長)も「伝統のフランスGPの復帰を歓迎したい。1990年以来のポール・リカールでのF1復活をうれしく思っている」とコメントしており、フランスGPが動くことは考えにくい。
またF1発祥の地、イギリスでのF1もその2週間後にドイツ&ハンガリーGPの連戦が控えているだけに、日程がズレることはないだろう。そうなると、消去法でオーストリアGPが消滅する可能性がある。むしろ消滅するとすべてが丸く収まるのである。
次に変更が考えられるのは、9月のシンガポールGPだ。今回の発表で「商業権所有者の承認待ち」という条件が付けられたグランプリが2つあり、そのひとつがシンガポールGPだった(もうひとつは中国GP)。
もちろん、暫定日程発表時に条件が付けられたのは、今回のシンガポールGPが初めてではない。そして、その多くが何事もなく正式に日程に組み込まれていることを考えれると、もちろんシンガポールGPがこのままカレンダーに残ることも十分に考えられる。
しかし、シンガポールGPの後に控えている連戦が引っかかる。その連戦とはロシア&日本GPだ。この連戦はロシアGPが初開催となった2014年にもあったが、これはF1の本拠地があるヨーロッパから最も遠くで行われる移動距離が7,000kmを超える連戦としてかなりの困難を伴ったものである(移動距離だけの最長連戦は2010年のブラジル&アブダビGPの12,132kmkm)。
つまり、もしシンガポールGPが消滅すれば、ロシアGPを1週間前倒しでき、こちらも丸く収まるのである。F1史上最多となった2016年以来、2年ぶりに21戦が復活するのか。あるいは19戦、もしくは20戦となるのか。
バーニー・エクレストンからバトンを引き継いだ新F1会長兼CEOのチェイス・キャリーの手腕が試される。
2018年F1カレンダー(2017年6月19日発表版)
第1戦 3月25日 オーストラリアGP(メルボルン)
第2戦 4月 8日 中国GP(上海)※
第3戦 4月15日 バーレーンGP(サクヒール)
第4戦 4月29日 アゼルバイジャンGP(バクー)
第5戦 5月13日 スペインGP(バルセロナ)
第6戦 5月27日 モナコGP(モンテカルロ)
第7戦 6月10日 カナダGP(モントリオール)
第8戦 6月24日 フランスGP(ル・キャステレ)
第9戦 7月 1日 オーストリアGP(シュピールベルク)
第10戦 7月 8日 イギリスGP(シルバーストン)
第11戦 7月22日 ドイツGP(ホッケンハイム)
第12戦 7月29日 ハンガリーGP(ブダペスト)
第13戦 8月26日 ベルギーGP(スパ・フランコルシャン)
第14戦 9月 2日 イタリアGP(モンツァ)
第15戦 9月16日 シンガポールGP(シンガポール)※
第16戦 9月30日 ロシアGP(ソチ)
第17戦 10月 7日 日本GP(鈴鹿)
第18戦 10月21日 アメリカGP(オースティン)
第19戦 10月28日 メキシコGP(メキシコシティ)
第20戦 11月11日 ブラジルGP(サンパウロ)
第21戦 11月25日 アブダビGP(ヤス・マリーナ)
※商業権保有者の確認を条件とする