シンプルで可愛らしい装丁の『婚活必勝法Q&A』。一見するとどこにでもありそうな婚活本ですが、著者は大川隆法さん。6月22日、幸福の科学出版からはじめて婚活本が出版されました。
「先般、『就活必勝法』として『「天職」を発見する就活必勝の極意』という本を出しましたが、聞いたところによると『婚活必勝法』については、まだ説法がないということでした。ちょっとぬかったかなと感じました」
プロローグからしてこのインパクト。それで出版してしまうバイタリティがすごい。徐々に周りから結婚報告が増えて焦りを感じている、絶賛婚活中のサブカル女子(25)が早速読んでみました。(文:市ヶ谷市子)
好きな人の圏外でも「落ち込んでいるときに攻めれば落ちる」
同書は法話をとりまとめたもので、4つの質問に答える形で構成されています。
「『結婚できる人』と『できない人』の違いとは?」では、「ある程度客観性を持った判断を加えていくことができれば、わりに早く決まります」と回答しています。
また相手の圏内に自分が入っていなくても「相手が落ち込んでいるなどのときに攻めていけば落ちる」、相手の短所を見つけて「『あなたは欠点だと思っているけど私は好きよ』と行くのも手」などのテクニックが記されていました。宗教団体のトップが言うと妙な迫力が出ますね。
しかし、やはり幸福の科学出版。斜め上を行く発言も掲載されていました。
好きな人に振られ、傷ついて苦しいことについて「よく考えると『相手に対する恨み心』のようなものがあることもあります」というのは分かるのですが、
「(振られた)相手のところに生霊がたくさん行き、毎日、ウンウン、ワンワン言って責めているだろうと思います」
「振った人の顔が毎日(霊的に)視えたなら、『うわっ、またあいつが来た』と思うでしょう。生霊が来て、『なぜ俺を捨てた』とか『あの男に走ったな』とかいうように言われるのは、霊的にも非常に気分の悪いものです」
と突然、生霊がカットインで登場します。
他にも高校時代に彼女だった人が自身の夢の中に出てきたことについて、
「私のような霊能力者の夢のなかに出てくる場合は、ただの夢ではありません。絶対に、向こうの人は私を認識しているということです。『あのとき、惜しいことをした』と思っているに違いありません(笑)」
と平安時代の貴族のような考えを述べています。ちなみに大川さんは睡眠不足が続くと"霊調"(霊的なコンディション)が安定しなくなるそうです。先述の相手を落とすテクニックに納得してしまった分、この落差について行けませんでした。
トランプ大統領に共感「野心のある男は成長に合わせて伴侶を変える」
同書は婚活ハウツー本ではなく、どちらかというと二度の結婚を経験した大川さんのエッセイです。結婚について「一回で決めようとするのは間違いである。二、三回結婚すればよいと思っていれば、相手は決まるものだ」という考えを持っています。
結婚歴が3回ある米大統領トランプ氏を例に挙げ「若いころからやり手の実業家で、お金も持っていたでしょうからずいぶんモテたと思います」と述べた上で、
「こうした人は、野心もあれば実績もあり、男としてどんどん成長していくので"サイズ"が決まりません。そして、成長していく過程では、『もう一段自分の伴侶や話相手を替えていきたい』という気持ちが出てくるときもあるでしょう」
と離婚や再婚に肯定的です。また「男は船で女は港」という例えを出して「女性の方が『自分という港に帰ってきてね』という気持ちを持っていれば、少々気に入らないことや喧嘩などがあっても、男性は帰ってきます」といい、ちょっと浮気性に思えます。
このような発言や前出の霊的な内容もあり、婚活中の女子としては「ちょっとお腹いっぱいになりました。落ち着いたら冷静に結婚について考えようと思います」となってしまいました。「婚活」で目が血走っている人を落ち着かせるのに適した一冊なのではないでしょうか。