6月23日現地時間13時、F1アゼルバイジャンGPのフリー走行1回目が行なわれた。バクーは朝から強い陽射しに照らされ、気温は27度、路面温度は53度まで上がっている。
F1の走行に先立ってF2のフリー走行が行なわれたが、公道ゆえに路面はかなりダスティで滑りやすく、サポートレースがひとつしかないこともあって路面コンディションはまだ良好とは言えないままでのセッション開始となった。
マクラーレン・ホンダはフェルナンド・アロンソ車のみ新しいスペック3のICEを投入している。
使い捨て義務タイヤを使用する最初の40分間はミディアムが中心だがフォース・インディア、トロロッソ、ダニエル・リカルド、ロマン・グロージャンはソフトタイヤ、アロンソとパスカル・ウェーレインはスーパーソフトで走行するが、上位勢は路面コンディションを嫌ってピットで待機する。長いストレートに合わせたロードラッグ仕様空力パッケージを使用しているチームが多く、そのデータ確認のための気流センサーもあちこちで見られる。
バルテリ・ボッタスはターン12の頂上でリヤが流れてスピン、ターン15でも出口アウト側のテックプロバリアに右リヤを擦ってしまう。その他にもジョリオン・パーマーはターン1のブレーキングでロックさせてオーバーシュートするなど、コースの各所で小さなインシデントが目立つが、大きなクラッシュは起きない。
開始から40分が過ぎたところで全車がピットイン。この段階でルイス・ハミルトンが1分45秒497でトップに立ち、0.798秒差で2位にセルジオ・ペレス、3位には0.957秒差でマックス・フェルスタッペン。フェラーリ勢はセバスチャン・ベッテル7位、キミ・ライコネン9位に留まった。
40分経過後は各マシンがスーパーソフトとソフトで走行を開始。上位勢を含め大半はスーパーソフトを履くが、フェラーリ勢はソフトでの走りに徹している。
その他にソフトを履いたのはウイリアムズ勢とハース勢など数台に留まった。14時4分にはベッテルがターン8でオーバーシュートしてランオフエリアに逃げる場面もあったが、リバースギアでコースに復帰して事なきを得た。
しかし14時10分、ペレスがターン8イン側の縁石に深く乗り上げすぎ、マシンが跳ねてアウト側ウォールに右フロントからクラッシュ。右リヤサスペンションがもぎ取れるほどの大きなダメージとなり、セッションは赤旗中断となった。
ユネスコ世界遺産にもなっている旧市街の城壁の内側へマシンを撤去しようとしたもののゲートを通らず、クレーンで移動させるために時間を要することとなった。
残り6分でセッションが再開され、ここではエステバン・オコンがターン1、ロマン・グロージャンがターン3でオーバーシュートする場面もあったが、ともにコースへ復帰。90分間のセッションを終えてトップはフェルスタッペンで1分44秒410。ハミルトンが記録した昨年のトップタイムに比べて2秒のタイムアップを果たしてきた。
リカルドも0.470秒差の2位につけ、ロングストレートで不利と思われたレッドブル勢が1-2。3位にソフトタイヤながら0.557秒差のベッテル、4位はクラッシュしたもののペレスが0.988秒差。
ハミルトンは1.087秒差の5位、ボッタスが1.327秒差の6位という結果になった。マクラーレン・ホンダ勢はストフェル・バンドーンが3.036秒差の15位、アロンソが3.141秒差の17位と低迷している。